2009年 02月 21日

ブログ移転のおしらせ

読者のみなさま。

毎日ブログをご覧になっていただきありがとうございます。

たくさんの読者の方にご覧になっていただけるようになりましたが、読者の方より会社のパソコンからexciteブログを見ることができない、とのお知らせをいただいておりました。

今回株式会社デジカルにて、新たに専用のブログを用意してもらい、こちらでブログを継続することにいたしました。

引き続き、CFOとCFO予備軍の方々へ毎日の経済ニュースを読みほぐしてお伝えしていきたいと思いますので、新しいブログもよろしくお願いします。

http://www.cfonews.jp/

# by yasukiyoshi | 2009-02-21 12:01
2009年 02月 20日

ポイント引当金の会計処理

家電量販店 ポイント引当金 異なる会計処理
家電量販各社が販促用に発行するポイントの戦略が割れている。ヤマダ電機が顧客の囲い込みのため大量発行しポイント引当金が急増する一方、エディオンなどは引当金がほぼ横ばいで推移している。ポイント引当金の計上方法は企業ごとにばらつきがあり、業績への影響が見極めにくい。透明性を高めるべきだとの指摘もある。
(日本経済新聞2009年2月20日12面)
【CFOならこう読む】
「ポイント引当金ポイントは販促の一環として商品の購入額などの一定割合を利用者に還元する仕組み。引当金はポイントが使われるのを想定し積み立てる。貸借対照表の負債の項目に計上する。日本では会計処理の基準がなく、企業は企業会計原則に基づき処理する。企業間でポイントを融通できるサービスが拡大。項目を設けて計上する企業が増えている。」
(前掲紙)
各社の引当金の計上基準を以下に列挙します。
ヤマダ電機
当社及び当社と同様の事業を営む連結子会社は、将来の「ヤマダポイントカード」の使用による費用発生に備えるため、使用実績率に基づき翌連結会計年度以降に利用されると見込まれるポイントに対し見積額を計上しております。

エディオン
ポイントカード制度において、顧客に付与したポイントの将来の利用に備えるため、連結会計年度末における将来見込み利用額を計上することとしております。

コジマ
顧客に付与したポイントの将来の利用に備えるため、当連結会計年度末における利用実績率に基づき将来利用されると見込まれる額を計上しております。

ベスト電器
顧客に付与されたポイントの使用による費用発生に備えるため、当連結会計年度末において将来使用されると見込まれる額を計上しております。
引当金の計上は、ポイントの使用見込み額を計上する方法と見込み額に原価率を掛けた額を引き当てる方法の2つがありますが、上記の各社の開示を見てもいずれを採用しているのか不明です。

金融庁の「ポイント及びプリペイドカードに関する会計処理について」(平成20年6月18日)の例示は後者を示しているのに対し、税務上は一定の要件のもと前者の処理を容認しており(法人税基本通達9-7-3)、どちらがスタンダードな方法であるか一概に言えません。

IFRSは、引当金を計上せず、ポイント相当分については、将来使用が見込まれる部分について、売上から控除するとともに繰延収益として負債に計上し、実際に利用した際に売上として認識する方法を採用しています(IFRIC13 「カスタマー・ロイヤリティ・プログラム」)。
「日本基準を国際基準と共通化すれば、一時的に売上高が急減し投資家が混乱する可能性もある」(前掲紙)
後者の方法を採用している会社は売上高だけでなく利益に与える影響も少なからずあると思われます。

【リンク】
「第31期 有価証券報告書」株式会社 ヤマダ電機[PDF]
「第7期 有価証券報告書」株式会社エディオン[PDF]
「有価証券報告書」株式会社コジマ
「IR情報」株式会社ベスト電器
平成20年6月18日「ポイント及びプリペイドカードに関する会計処理について」金融庁


# by yasukiyoshi | 2009-02-20 10:39 | 会計
2009年 02月 19日

スティール、サッポロ株買い増し断念 その2

サッポロHD株が大幅安 スティールの買収提案撤回で
サッポロホールディングスの株価が18日、一時前日比8.9%安と急落した。米投資ファンドのスティール・パートナーズが株式の買い増し提案を断念すると発表したのを受け、株式の追加取得期待がはげ落ちたためとみられる。3月の定時株主総会に向け株価は引き続き波乱含みだ。
(日本経済新聞2009年2月19日13面)
【CFOならこう読む】
終値は31円(8.1%)安の350円だった。市場では買収提案を撤回され、「経営者に対する投資家からのチェックが弱まる」(大手投資顧問)という見方が出ていた。
(前掲紙)
スティールによる経営へのプレッシャーがサッポロの価値創造に資すると考える人が、価値破壊に繋がると考える人より多かったということでしょう。

特別委及び取締役会の言うように、スティールの「買収案は企業価値棄損の恐れ大」であると多くの株主が思っているのなら、スティールの買い増し断念を受け株価は上昇すると考えられます。

定時株主総会では多数の株主が現経営陣の再任に反対票を投ずることを期待します。

【リンク】
 なし

# by yasukiyoshi | 2009-02-19 09:19 | M&A
2009年 02月 18日

スティール、サッポロ株買い増し断念

米スティール:対サッポロHD株、買い増し提案撤回
米系投資ファンドのスティール・パートナーズ・ジャパンは17日、同社が筆頭株主のサッポロホールディングス(HD)に対する株式の買い増し提案を撤回すると発表した。交渉が難航していることに加え、株価下落で買い取り提案価格との価格差が広がっていることなどが理由。保有するサッポロ株は売却しない方針で、3月27日開催のサッポロの定時株主総会で取締役の再任に反対票を投じる意向も明らかにした。
毎日.jp 2009年2月17日
【CFOならこう読む】
これまでのサッポロとスティールの買収提案を巡る攻防の経緯は次の通りです。
2007年2月  スティールがサッポロに買収を提案
2007年3月  サッポロが定時株主総会で新・買収防衛策を可決
2007年11月  スティールが企業価値向上への「提言」を提出
2008年1月  サッポロがこの問題対応の特別委員会に買収提案評価を諮問
2008年2月  特別委が意見書、「買収案は企業価値棄損の恐れ大」
           サッポロ取締役会が反対表明
2008年3月  スティールが修正した提案を送付
           サッポロがスティールと協議入り
2009年2月  スティールが買い増しを断念
(日本経済新聞2009年2月18日13面)
スティールは、買い増し断念の理由を次のように説明しています。
「提案撤回の主な理由は、同社の業績が悪化の一途を辿っていることと、同社が買付提案の内容を株主に受け入れられるようなものにするための交渉を依然として拒否していることです。」
サッポロ株式の昨日終値は381円とTOB価格825円を50%以上下回っており、もはやこの条件で買収提案を継続できないとの判断もあったのではないかと推察されます。

いずれにしても行われるべき買収が行われないのは、経営者に対する規律という意味からも価値創造という意味からも望ましくありません。

このブログでも何度も取り上げているように、日本経済は大きな構造転換を必要とする時期に直面しています。そこで必要とされるヒト、モノ、カネは世界に広く求めるべきです。

しかし経営者が株主を選択できる今の仕組みのもとでは、既得権益の確保が最優先とされ、行われるべき経営権の移動が行われません。特に外資に対しては交渉の場すら与えられないケースが少なくありません。

私はいま日本は真に開国すべきときに来ていると思います。
そしてそれしか長期的に雇用を確保する手立てはないと思っています。

【リンク】
2009年2月17日「スティール・パートナーズ・ジャパン、サッポロの長引く業績悪化と交渉拒否のため、株式33.3%買付け提案を撤回」スティール・パートナーズ・ジャパン・ストラテジック・ファンド(オフショア)、エル・ピー

# by yasukiyoshi | 2009-02-18 08:40 | M&A
2009年 02月 17日

東洋紡 ハイブリッド証券で220億円調達

東洋紡 220億円社債発行
東洋紡は16日、英領ケイマン諸島に設立した子会社に、第三者割当でユーロ円建て永久劣後社債220億円を発行すると発表した。この子会社がユーロ円建て永久優先出資証券を発行し、投資家から同額の資金を調達する。永久劣後社債と永久優先出資証券を組み合わせる資金調達は珍しい。同社は「普通株式への転換権がつかないため、1株当たりの利益が減少せず、既存株主の利益を損なわずにすむ」としている。
産経ニュース 2009年2月17日
【CFOならこう読む】
本件スキームは下図の通りです。
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海外特別目的子会社TCPC 社(100%出資の特別目的子会社TC Preferred Capital Limited)に対して本社債220 億円を発行し、TCPC 社は国内の投資家に対して優先出資証券220 億円を発行します。また、当優先出資証券に係る配当、残余財産の分配等の支払いを保証する旨の契約(劣後保証契約)をTCPC 社と締結します。

TCPC 社が発行する優先出資証券は、東洋紡の連結貸借対照表上においては少数株主持分として計上されます。当優先出資証券は資本と負債の中間的な性質を持つハイブリッド証券であり、負債性調達手段の特性を有すると同時に、主要格付機関(株式会社格付投資情報センターおよび株式会社日本格付研究所)から70%以上の資本性が認められるとのことです。時価発行増資では、発行済み普通株式数の増加および一株当たり利益の減少等の普通株式の価値の希薄化を招きますが、本優先出資証券には当社普通株式への転換権が付されていないため、当社普通株式の希薄化は一切発生しません。

本ハイブリッドファイナンスに参画する投資家は以下のとおりです。
・ (株)みずほコーポレート銀行
・ 三菱UFJリース(株)
・ 三井住友フィナンシャルグループ
・ 住友信託銀行(株)
・ センチュリー・リーシング・システム(株)
・ 大同生命保険(株)
 他2社

【リンク】
平成21年2月16日「第三者割当によるユーロ円建永久劣後社債の発行および当社海外特別目的子会社によるユーロ円建永久優先出資証券発行に関するお知らせ(「ハイブリッドファイナンス」による資金調達に関するお知らせ)」東洋紡績株式会社


# by yasukiyoshi | 2009-02-17 10:00 | 資金調達
2009年 02月 16日

世界経済の危機は本当に100年に1度なのか?

続・本質見誤った世界危機説
相変わらず本質を見誤った世界危機説が横行している。2008年11月16日付の本欄では「米住宅バブルのみが世界の景気後退の原因である」と言わんばかりの主張が誤りであることを指摘した。2008年の実質経済成長率は米国が1.3%(速報値)で、ユーロ圏の0.7%や日本のマイナス0.5%よりもかなり高い。同じく株価下落率は米国が37.4%で、欧州の39.4%日本の41.4%よりも小さい(S&Pグローバル株価指数)。
このように世界的な景気後退について、すべて米国が原因とするのでは、これらの数値の説明がつかない。

(日経ヴェリタス2009年2月15日66面ー藤田勉氏コラム)
【CFOならこう読む】
藤田氏は「100年に1度の危機」に根拠がないことをコラムのなかで指摘しています。
「米経済成長率は1932年のマイナス成長13.0%が過去最悪であり、46年のマイナス11.0%がこれに次ぐ。09年の米経済成長率はマイナス2.3%と予想しているが、仮にその通りであれば、統計開始(1930年)以来、80年間で6番目に低い経済成長率になる。

米国の失業率は09年に8.6%、10年には9.3%に上昇すると予想している。ただ大恐慌時の1933年に、ピークで24.9%であった。失業率が10%に上昇しても歴代のワースト10にも入らない(10位は37年の14.3%)。

米国株の指標であるS&P500種の07年高値から03年安値までの下落率53.0%は、00年高値から03年安値までの下落率49.3%とほぼ同水準である。現在の欧米の株価水準は4,5年前と同じ水準にすぎない。つまり株価下落率でみると、今回はITバブル崩壊時と同規模か、それよりもやや大きい程度である。ちなみに29年の大恐慌時には、ニューヨーク・ダウ工業株30種平均が高値から安値まで89.2%も下落している。

以上を総合すると、株価下落が著しいだけに、実態以上に悲観的な意見が増えているようだが、多くは過剰反応であると考える。」
ただし、藤田氏は日本だけが「100年に1度の危機」を迎えるリスクがあることを指摘しています。
「09年の日本の経済成長率はマイナス3.4%で、米国のマイナス2.3%やユーロ圏のマイナス2.7%を下回り、08年に続き、世界の主要先進国で最悪の経済情勢になる見込みである。」
なぜ日本の経済成長率のマイナスや株価の下落がアメリカより激しいのでしょうか?野口悠紀雄氏が「世界経済危機 日本の罪と罰」(ダイヤモンド社)の中で問題の本質を次のように説明しています。
「これまで、「アメリカ経済は大変な問題を抱えているが、日本経済は比較的健全だ」という意見が強かった。しかし、それはまったくの見当違いだ。日本の株価が下落する理由は、アメリカの火事の日本への延焼ではない。日本経済の本質的問題の露呈なのである。
いま問われているのは、これまで温存されてきた日本の古い産業構造そのものである。
市場のシグナルは、古い産業構造の存続がもはや不可能になったことを示している。
アメリカ以上に急激な日本の株価下落は、輸出立国モデルの崩壊を知らせる市場のシグナルである。」
経済の大きな流れをつかむのもCFOの重要な仕事のひとつです。事実を正確に認識したうえで、本質を見誤らないことが重要であると私は思います。

【リンク】
 なし

# by yasukiyoshi | 2009-02-16 10:08
2009年 02月 14日

楽天、イーバンク銀行への出資比率67%に

楽天は13日、イーバンク銀行(東京・千代田、国重惇史社長)への出資比率が46.39%から67.22%になると発表した。イーバンク銀行が実施する第三者割当増資を引き受ける。さらに、全額出資子会社である楽天クレジットの個人向けローン事業を会社分割方式で切り離し、同事業をイーバンクと統合することを通じ、イーバンク株を取得する。
http://www.nikkei.co.jp/news/past/honbun.cfm?i=AT1D1308B%2013022009&g=S1&d=20090213
【CFOならこう読む】
これまでの経緯は次の通りです。

平成20 年9 月 資本・業務提携契約を締結し、楽天がイーバンク銀行の優先株式666,000株を199.8 億円で引受
平成21年2月10日 優先株式666,000 株の全株式を普通株式へ転換請求し、普通株式666,000 株を取得 出資比率48.69%となり連結子会社化
平成21 年2月13日 乙種優先株式の第三者割当増資の新たな引受を決議 株式引受の概要
(1)当社が引受ける株式の名称 イーバンク銀行株式会社 乙種優先株式
(2)当社が引き受ける株式の総数 333,000 株
(3)1 株あたり発行価格 30,000 円
(4)発行価額の総額 9,990 百万円
(5)募集の方法 第三者割当の方法により、全ての募集株式を楽天株式会社に割り当てる。
(6)払込期日 平成21 年3 月19 日(木)
平成21 年2月13日 100%子会社楽天クレジットのカードローン事業部門の会社分割によるイーバンク銀行株式会社への承継を決議

会社分割の要旨
(1)分割の日程
吸収分割契約書承認取締役会(両社) 平成21 年2 月13 日
吸収分割契約書承認株主総会(両社) 平成21 年3 月中旬(予定)
吸収分割効力発生日 平成21 年4 月1 日(予定)
(注)両社の株主総会における本件吸収分割契約の承認、関係当局からの許認可の取得を前提とする。
(2)分割方式
楽天クレジットを分割会社、イーバンク銀行を承継会社とする吸収分割。
(3)分割に係る割当ての内容
イーバンク銀行は、本件分割に際し普通株式579,735 株を発行し、本件分割により承継する権利義務の対価として、その全部を楽天クレジットに交付する。楽天クレジットは、本件分割の効力発生日に、イーバンク銀行の株式579,735株を剰余金の配当として楽天株式会社に交付する。
(4)分割に係る割当の内容の算定の考え方
本件分割に際して、イーバンク銀行および楽天クレジットは、それぞれ、イーバンク銀行が楽天クレジットに割り当てる普通株式の数(本件分割の効力発生日に楽天クレジットが当社に対して剰余金配当として交付するイーバンク銀行普通株式の数)の算定について、公平性・妥当性を確保するため第三者機関に依頼し、その算定結果を踏まえ、協議の上、決定している。第三者機関は、ディスカウンテッド・キャッシュフロー法を採用し、金融機関の価値評価において一般的に用いられるエクイティ・キャッシュフロー法により、楽天クレジットの承継対象事業の事業価値及びイーバンク銀行の株式価値を算出、承継対象事業の事業価値をイーバンク銀行の一株あたり株式価値にて除することにより、割当株数を算定している。

分割後の出資比率は67.22%ときっちり2/3超となるようスキームが立案されています。

第三者割当増資をまたもや優先株式で行っているのは、イーバンクの業績回復後に連結損益に取り込む方が有利との判断があったことによるものと思われます。

【リンク】
楽天投資家向け情報


# by yasukiyoshi | 2009-02-14 12:09 | M&A
2009年 02月 13日

公的資金ドミノ

国への接近、新生か衰退か
エルピーダメモリの坂本幸雄社長と日産自動車のカルロス・ゴーン社長。半導体と自動車の世界で企業再建の修羅場をくぐり抜けてきた2人が、公的資金に吸い寄せられている。
(日本経済新聞2009年2月13日1面)
【CFOならこう読む】
「「市場対国家」の二元論では割り切れない混合資本主義の足音。国への接近は新生への一歩か、衰退への扉か。答えはまだ出ないが、金融危機で企業ー国ー金融というトライアングルの一角が崩れた今、企業と国の連携が重みを増すのは間違いない。」(前傾紙)
私は市場原理主義者ですし(笑)、基本的には「国への接近は衰退への扉」であると考えています。

今日の新聞に、ガイトナー米財務長官が10日発表した新たな金融安定化策に対し、米欧メディアからは厳しい論評が相次いでいるとの記事が載っています。

英フィナンシャルタイムズの11日付記事のような批判が日本ではほとんど聞かれないことが不思議です。

公的資金投入について、
「納税者は自分たちの出費に対し適切な見返りを補填してもらうべきだ」
【リンク】
 なし

# by yasukiyoshi | 2009-02-13 09:36 | 資金調達
2009年 02月 12日

中小企業庁、非上場株の評価で指針

中小企業庁は多岐にわたる非上場株の「値付け」方法を整理し、指針を作成した。ベンチャー企業は将来の利益見通しに基づいて評価するなど、どの企業がどの方法を使うべきかについて一定の方向性を示した。非上場の中小企業の経営者が死亡した場合、その企業の株式は親族らに分散しがちだ。適切な評価の指針をまとめることで、円滑な事業承継を支える。
 中小企業庁の研究会で指針を検討し、近く正式に公表する。
 資産が少なくても成長力のある企業は、将来の収益を予想して算定する「収益方式」が適当だと指摘。収益性が低くても不動産などを多く持つ企業は、資産から負債を差し引いた純資産を株数で割る「純資産方式」を採用するのが望ましいとの判断を示した。
 資産や収益による評価で納得が得られないときは、事業内容が似た上場企業の株価と比較して決める「比準方式」を活用する例もある。その際には客観性を高めるために、複数の企業と比較するよう求めた。

(日本経済新聞夕刊2009年2月9日3面)
【CFOならこう読む】
経営承継法は、後継者が贈与により取得した自社株式2について、「遺留分を算定する際の価額を合意の時における価額に固定する」ことを内容とする合意(以下「固定合意」という。経営承継法第4 条第1 項第2 号)を行うことができ、経済産業大臣の確認と家庭裁判所の許可といった諸手続きを経ることで当該合意の効果が生じることとしています(同法第7 条から第9 条)。固定合意における価額は、「合意の時における価額(弁護士、弁護士法人、公認会計士(公認会計士法第16 条の2 第5 項に規定する外国公認会計士を含む。)、監査法人、税理士又は税理士法人がその時における相当な価額として証明したものに限る。)」(以下「合意時価額」という。)であることが必要ですが、非上場株式の評価方法に絶対の方法があるわけではありません。

今般の指針は、固定合意が利用される際の非上場株式の評価方法のメルクマールとなることを目的として策定されたものです。

指針を一読したところ、非上場会社の株式評価入門的な内容で特筆すべき点はありません。強いて言えば過去の裁判例が豊富なので、その点利用価値はあるかもしれません。

少し気になるのは、本指針を策定した「非上場株式の評価の在り方に関する委員会専門委員会」(委員長:品川芳宣早稲田大学大学院会計研究科教授)の事務局を担当したプルータスコンサルティングの名前が指針の中で散見される点です。
具体的には、
「β値に関しては、東京証券取引所のほか、Bloomberg 社やプルータス・コンサルティング社が公表している。」(11ページ脚注)
「エクイティー(マーケット)リスクプレミアムとしては、Ibbotson Associates 社のほか、プルータス・コンサルティング社が、株価のヒストリカル・データに加え、現状の市場の株価とキャッシュ・フローのレベルを反映した指数を公表している。」
(12ページ脚注)
「米国においては、Ibbotson Associates 社(正式にはその親会社であるMorningStar 社)が現地の上場企業に関するヒストリカル・データを利用して小規模リスクプレミアムを定量化している。これまでは、我が国では、同様のデータが整備されておらず、実務上は米国市場のデータに依拠した小規模リスクプレミアムが適用されてきたのが現状である。しかし、近時においては、プルータス・コンサルティング社が、我が国の株式市場の実績値から小規模リスクプレミアムを算出、公表している。」(12ページ脚注)
Bloomberg 社やIbbotson Associates 社と並列にプルータス・コンサルティング社の名前を記載することで、同社の提供するデータがBloomberg 社やIbbotson Associates 社が提供するそれと同程度の信頼性があると中小企業庁がお墨付きを与えたかのようなミスリードにつながる可能性があり、ここに事務局を担当した一民間企業の名前を書くのは適当とは思えません。

【リンク】
平成21年2月「経営承継法における非上場株式等評価ガイドライン」中小企業庁


# by yasukiyoshi | 2009-02-12 13:08 | バリュエーション
2009年 02月 10日

野村證券3000億円の新株発行枠を登録

野村ホールディングスが6日、年度内の公募増資を視野に3000億円を上限とする普通株の新株発行枠を登録した。20年ぶりの新株発行となるが、野村の株価はおよそ25年ぶりの安値圏。逆境下の大型増資を実現するため、ダイリューション(希薄化)という悪材料を段階的に市場に織り込ませようとしている。増資の成否は野村自身の経営はもちろん、株式市場の今後を占う試金石でもある。
(日経ヴェリタス2009年2月8日17面)


【CFOならこう読む】
発行登録制度は、証券を発行する際にあらかじめ金額の上限を公表し、その枠内で機動的に発行する仕組みで、これを利用することで、会社の正式な意思決定として新株式の発行を行う予定であることを対外的に表明した上で勧誘行為を行うことができる、予定期間内の発行予定額を発行登録段階で開示することとなるため今後の資本増強策等に関する会社の方針を市場に理解してもらえるというメリットがあります。
「社債では多くの活用例がありますが、新株発行ではまれ。最近では、三菱UFJフィナンシャル・グループが昨年12月に実施した大型増資で利用した事例がある程度」(前掲紙)
とのことです。

これを受けて野村HDの株価は9日大きく下落しました。
「9日の東京株式市場で、野村ホールディングス(HD)の株価が大幅に下落し、前週末終値比82円安の490円で取引を終えた。終値で500円を割り込んだのは、野村証券時代を含め82年11月9日(485円)以来26年3カ月ぶり。金融危機で業績が悪化している上、新株発行による最大3000億円の公募増資枠を設定したことが、既存株主の利益希薄化につながるとして嫌気されたようだ。」

   (http://mainichi.jp/select/biz/news/20090210k0000m020143000c.html

赤字補填のための資本増強を株式市場は特に評価しないということでしょう。しかしTier1増強は必須で、種類株発行を定款で規定していない野村の場合は普通株式の発行をする他選択肢はないと思います。野村としてはいずれにしてもダイリューションは避けられないとの判断があるのでしょう。

発行枠登録を利用したのは、
「ダイリューションという悪材料を告知することで、業績悪化と株価低迷に不満を募らせている既存株主から大型増資への理解を何とか得たい」(前掲紙)
という意図があるのです。

【リンク】
2009年2月6日「新株式発行に係る発行登録について」野村ホールディングス株式会社
http://www.nomuraholdings.com/jp/news/nr/holdings/20090206/20090206_b.html

平成20年10月27日「新株式発行に係る発行登録について 株式会社三菱UFJ フィナンシャル・グループ(取締役社長 畔柳」株式会社三菱UFJ フィナンシャル・グループ
http://www.mufg.jp/data/current/pressrelease-20081027-003.pdf


# by yasukiyoshi | 2009-02-10 09:34 | 資金調達
2009年 02月 09日

本日休載

新聞休刊日のため、本日休載します。

# by yasukiyoshi | 2009-02-09 09:40
2009年 02月 07日

ゲーリー・ベッカー氏インタビュー 「甘えるな、自立せよ」

大恐慌教訓に競争守れ 目立つ保護主義の動き
国発の金融危機を契機に、保護主義の動きが世界で目立ってきた。こうした近隣窮乏化策が不況を深刻化させた1930年代の教訓を世界は生かせるか。競争と自由主義の有効性を掲げるシカゴ学派の重鎮で、ノーベル経済学者の受賞者であるシカゴ大学のゲーリー・ベッカー教授に経済再生への道筋を聞いた。
(日本経済新聞2008年2月7日9面)

【CFOならこう読む】
シカゴ学派とは、
「1920年代に米シカゴ大学経済学部から生まれた経済学派。政府の役割を極力小さくする一方で市場原理を活用し、民間の自発性を引き出す経済運営を唱える。1976年にノーベル経済学賞を受賞した故ミルトン・フリードマン氏らが代表とされる。」
(前掲紙キーワード解説)
インタビューの中で、ベッカー氏は規制の必要性や政府の役割について言及しています。

ー深く痛んだ金融機関はどう再生させればいいでしょうか。
「必要な公的資金を迅速に投入すべきだ。額は莫大かもしれないが、そこでひるんではいけない。金融仲介機能の回復は急務だ。」
ーシカゴ学派は政府の介入を極力排除すべきだと主張してきましたが。
「投資ファンドなどはバブル思考におぼれ、我々は経済の行方を楽観しすぎた。規律なき自由などあり得ない。米国は今後、民間の創意工夫や競争を後押ししながら、秩序維持にはどんな規制が必要か、新たなバランスを模索することになる。」
日本においても中小企業に対する金融仲介機能が一部麻痺している現状において、公的資金を投入することは必要でしょう。場合によっては、資金を必要とする会社に対し直接公的資金を投入することもやむを得ないでしょう。シカゴ学派であっても政府の役割を全否定するわけではないのです。

しかしエルピーダメモリや日産に公的資金を使って資本注入することについては、ベッカー教授は賛成しないでしょう。一般事業会社について、資本注入すべき会社であるか否か政府が線引きをし、政府が資源配分を決定する社会はもはや資本主義社会とは言えないと私は思います。

もう一つベッカー氏の人的資本論は、
「「投資によって生産能力を高めることができる資本」ととらえたベッカー教授の理論で、企業内教育などは生産能力向上のための投資で、訓練の成果は人的資本投資の収益である」
というものです。

人的資本投資に失敗した会社の価値は上がらず、いつか市場から退出せざるを得ないでしょう。またそのような会社に終身雇用という名目のもと生涯縛りつけられる労働者も不幸です。

いま重要なのは、雇用を守れと企業を脅迫することではなく、労働市場を機能させられるよう皆で知恵を絞ることだと私は思います。

【リンク】
 なし

# by yasukiyoshi | 2009-02-07 11:42 | コーポレートガバナンス
2009年 02月 06日

確定拠出年金 日本版401k 加入300万人突破

確定拠出年金日本版401k、加入者300万人を突破
加入者の運用実績に応じて年金の受給額が変わる確定拠出年金(日本版401k)の加入者数が300万人を突破した。サラリーマンの10人に1人にあたる計算だ。2001年の制度導入から7年を経て、採用企業のすそ野が広がってきた。ただ投資教育の不備といった課題は多く、企業の受託者責任を明確にする業界発のルールづくりも動き出した。使いやすい制度を整備できれば、普及に弾みがつきそうだ。
http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20090206AT3S0501H05022009.html
【CFOならこう読む】
確定拠出年金とは、掛金を確定して、給付は運用次第で決まるタイプの年金制度です。
確定拠出年金の特徴として、
・年金資産を自分で運用し、その結果に応じて年金額が決定される。
・年金資産が個人別に区分され、残高の把握や転職時の資産の移行が容易である。
・企業規模を問わず実施することが可能である。
といった点があげられます。(企業年金連合会HP

確定拠出年金には自営業者等が加入できる「個人型年金」(掛金は個人が拠出)と、企業が導入し、従業員を加入させる「企業型年金」(掛金は企業が拠出)の2タイプがあります。

確定拠出年金の最大のメリットは、その税制にあります。

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これは単に拠出金額が所得控除されるというだけでなく、実質的にキャピタルゲインに対する税金が免除されることを意味します。つまり無税で老後のための資産形成ができるのです。

もちろん資産運用に失敗するということはあり得ます。
「足元では株式を組み込んだ投資信託などで運用している投資家の運用環境は厳しい。格付投資情報センター(R&I)が百万人の運用状況を調べたところ、過半数が元本割れしていた」
しかし元本割れを回避したいなら、そのような運用商品を選択することも可能です。

ところで、確定拠出年金を導入する企業は、加入者に対し金融教育を行う責務があるというようなことが言われます。

今日の新聞記事でも、
「確定拠出年金は長期投資のため、短期の相場下落に一喜一憂する必要はないが、企業の投資教育は不十分だ。例えばインターネット上での投資教育だけという企業もあるし、運用資産が預貯金に偏る加入者が多い企業もある。厚労省は「投資教育が不十分だと老後の所得保障に結びつかない」(企業年金国民年金基金課)と警戒している」
というようなことが書かれています。

投資教育とは何を指しているのでしょうか? 儲かる投資信託の選び方を指南するとでも言うのでしょうか? 
野口悠紀雄氏が近著「金融危機の本質は何か」(東洋経済新報社)の中で言うように、投資教育で重要なのは、
「世の中にうまい話はない」
「濡れ手で粟の投資勧誘があったら疑ってかかれ」

ということだけです。

分散投資の重要性は教える必要があるかも知れませんが、それもインターネット上の教育で十分でしょう。マーケットポートフォリオと安全資産の組み合わせは個人の効用に従って各自決定すれば良いという、トービンの分離定理が教えるところによれば、「運用資産が預貯金に偏る」ことを問題視する必要はないのです。

政策的に無理に「貯蓄から投資へ」と言ったところで、多くの日本人が株式投資に胡散臭さを感じている以上、そう簡単に個人の考え方が変わるとは思えません。今政策的に重要なのは、市場が適正に価格形成を行えるようにすることです。

現在の日本の株式市場を見ると、
「価格が正しく評価されていない市場では、素人は危なくて手が出せない。したがって相場の底が浅くなり、適切な価格形成がさらに阻害される。こうして悪循環に陥る。このような現状を放置して「貯蓄から投資へ」などと言うのは、無謀な投機を煽るものであり、無責任きわまりないことだ。」(野口 前掲書)
という意見に同意せざるを得えません。

【リンク】
金融危機の本質は何か―ファイナンス理論からのアプローチ
野口 悠紀雄

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東洋経済新報社 2009-01
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# by yasukiyoshi | 2009-02-06 10:06 | 税制
2009年 02月 05日

中小企業倒産防止共済制度

中小企業の利用増 資金繰り万全期す
中小企業の連鎖倒産を防ぐための「中小企業倒産防止共済制度」の利用が急増している。2008年1-11月の中小企業の新規加入は2万件を超え、前年同期比38%増。暦年ベースでみると2008年は1998年以来10年ぶりの高水準となる見込みだ。信用収縮や連鎖倒産に敏感になった中小企業が、信用保証制度による資金繰りだけでは不十分と判断し「最後の安全網(セーフティネット)」への支援を求めている。
(日本経済新聞2008年2月5日5面)
【CFOならこう読む】
中小企業倒産防止共済制度とは、独立行政法人中小企業基盤整備によって運営されている、中小企業が取引先の倒産の影響を受けて連鎖倒産しないようよう中小企業倒産防止法に基づいて1978年に発足した制度で、『経営セーフティ共済』という愛称で呼ばれています。

「取引先の倒産」という不測の事態に直面した中小企業に迅速に資金を融通する共済制度で、毎月一定の掛金を積み立てていただいた加入者は、取引先が倒産した場合に、積み立てた掛金総額の10倍の範囲内(最高3,200万円まで)で回収困難な売掛債権等の額以内の貸し付けを無担保・無保証人・無利子で受けることができます。

毎月の掛金は、5,000円から80,000円までの範囲内(5,000円単位)で自由に選べ、掛金は、税法上損金に算入できます。

会社設立からの経過年数が加入資格になっていないので、アーリーステージにあるベンチャー企業は加入の検討をしてみても良いかも知れません。

独立行政法人中小企業基盤整備機構の業務を取り扱っている商工会議所、市町村の商工会、中小企業団体中央会、中小企業の組合などの委託団体、又は銀行、信用金庫、信用組合、商工組合中央金庫などの金融機関等が加入取り扱い窓口となっています。

【リンク】
「経営セーフティ協会」中小企業基盤整備機構
http://www.smrj.go.jp/tkyosai/index.html


# by yasukiyoshi | 2009-02-05 08:53 | 資金調達
2009年 02月 04日

ニッポン放送株のインサイダー取引事件で村上代表に執行猶予判決

村上被告に猶予判決、一審の実刑破棄 インサイダー事件
ニッポン放送株のインサイダー取引事件で、証券取引法違反罪に問われた元村上ファンド代表、村上世彰被告(49)の控訴審判決公判が3日、東京高裁であった。門野博裁判長は懲役2年の実刑とした一審・東京地裁判決を破棄し、懲役2年、執行猶予3年の有罪とした。罰金300万円と追徴金11億4900万円は一審判決と同額とした。
http://www.nikkei.co.jp/news/past/honbun.cfm?i=AT1G0301V%2003022009&g=MH&d=20090203
【CFOならこう読む】
インサイダー取引の規制対象となる重要事実とは何かという点について、一審判決では、「実現可能性が全くない場合は除かれるが、可能性があれば足り、その高低は問題とならない」としました。この点1999年に最高裁が示した「実現を意図した決定があるかどうか」とは異なる判断が示されたことに批判が集まりました。

東京高裁は、一審判決を誤りであるとし、「ある程度の具体的な内容を持ち、実現を真摯に意図していると判断されるものでなければならず、それ相応の実現可能性が必要」と最高裁の判例の枠内で判断の尺度を示しました。

このほか一審、二審の判決を比較すると次のような相違があります(出所:前傾紙)。

e0120653_12291696.jpg(2009年2月4日 日本経済新聞1面)

私自身は、一審ではアクティビストとしての村上ファンドの役割を、「利益至上主義には慄然とする」とまで言って全否定していたのが、二審では「企業に改革を迫った村上ファンドの一方の側面をどう評価すべきかは成熟した議論がなされていない」と一定の理解を示した点に少しだけ安堵感を覚えました。

【リンク】
 なし

# by yasukiyoshi | 2009-02-04 12:25 | M&A
2009年 02月 03日

BNPパリバに過怠金10億円超

パリバ不正利益没収へ アーバンコーポ問題で日証協 過怠金10億円超も
日本証券業協会は2日、BNPパリバ証券に対して経営破綻したアーバンコーポレイションとの不適正な取引で得た利益を没収する過怠金処分を科す方向で検討に入った。資本市場や証券業界の信頼を損なう行為の責任は重大だと判断しているため、過怠金の規模は10億円を超え、過去最大となる公算が大きい。
(日本経済新聞2008年2月3日1面)

【CFOならこう読む】
本件については、昨年9月12日、本年1月8日及び1月9日に取り上げています。
以下事件の概要を再掲します。
「7月11日 2010年満期 総額300億円のCBをバリバ向けに発行転換価格 344円(開示日6月26日の終値)資金使途 財務基盤の安定性確保に向けた短期借入金を始めとする債務の返済に使用する予定

破綻まで存在が隠されていたスワップ契約の概要
7 月11日 BNP パリバに300 億円を支払う
パリバは手元にあるCBを株式に転換したうえで、市場の売買高の12~18%に相当する株数を市場で売却。
”売却した株数×その日の市場の売買高加重平均株価の90%”に相当する金額を日々アーバンコーポレイションに支払う。
出来高加重平均株価の算定の基礎となる株価に一定の下限を設定」

「実際の調達額は91億円。この契約(スワップ契約)はアーバンコーポが破綻するまで開示されず、300億円の資金を調達できたとみていた一般投資家を含む幅広い市場参加者を欺く行為として批判された。」
(日本経済新聞2009年1月8日4面)
CBとスワップ契約を一体のものとしてみると、MSCBとほぼ同じものになるにも関わらず、この片側のみしか開示しなかったことが東証の適時開示規則に違反している点が特に問題となりました。

金融庁はBNPパリバに対し業務改善命令を発動したものの、課徴金は科していません。
これに対し、日本証券業協会は
「証券業界全体の評価に関る話。きちっと対応したい」(増井喜一郎副会長)
として、厳格な処分を行う方針を明確にしました。

金融庁ではなく、民間の自主規制団体である日本証券業協会が規制機能を発揮するのは望ましい方向であると思います。
「本件CB スワップ組合せ取引により、アーバン社が調達した金額は91 億2559 万8771 円、BNPP グループの収益は11 億7976 万9077 円でした。」
 (”BNP パリバ証券会社東京支店 外部検討委員会の調査結果の公表について”より)
過怠金はこの金額を基に決定されるとのことですが、不正利益を没収するだけでは規制としては緩く、罰金も徴収できるよう更なる規制強化が必要であると私は思います。

【リンク】
 なし

# by yasukiyoshi | 2009-02-03 09:15
2009年 02月 02日

米ファイザー、ワイス買収資金調達コスト7~9%

M&Aに信用収縮の重し 米ファイザー、買収資金調達に厳しい条件
1月26日、米国で680億ドル(約6兆1000億円)規模の企業買収が明るみに出た。製薬世界トップのファイザーが半年にわたる交渉の末、同業のワイス(旧アメリカン・ホーム・プロダクツ)を傘下に収める。昨年9月のリーマン・ブラザーズ破綻で資本市場の機能が損なわれ、多くの企業は綱渡りの資金調達を余儀なくされている。ファイザーはどうやってメガ・ディールにこぎつけたのか。
(日経ヴェリタス2009年2月1日6面)
【CFOならこう読む】
総額680億ドルの買収資金のうち225億ドル分は、米ゴールドマンサックスなどから次の条件でつなぎ融資を受けます。
期間:1年
利率:年7~9%
手数料:0.5~2.5%
残りの455億ドルは現金と株式交換を組み合わせて支払われます。ファイザーの格付けはトリプルAであるにも関らず、プレミアムを6.5~8.5%要求されており、常時では全く考えられない事態です。
「ファイザーがのんだ厳しい条件は、財務内容で劣る「その他大勢」の企業を落胆させ、信用収縮の深刻さを思い知らせる材料かもしれない。」(前掲紙)
今は割安でM&Aが出来る好機ではありますが、こういう時にメガ・ディールが実行できるのはファイザーのようなキャッシュ・リッチ企業だけでしょう。

多額の現金保有にも効用はある、ということでしょうか。

【リンク】
 なし

# by yasukiyoshi | 2009-02-02 14:45 | M&A
2009年 01月 31日

JTブランド廃止

冷凍食品「JT」ブランド廃止 ギョーザ事件で販売不振続く
日本たばこ産業(JT)は今春、冷凍食品で「JT」ブランドを廃止する。1月30日でグループ企業が輸入した中国製冷凍ギョーザの中毒事件から1年たったが、深刻な販売不振が続きブランド維持は困難と判断。家庭用冷食は子会社の加ト吉のブランドに統一する。同事件以来、相次いだ食の安全問題の影響で、商品から有名ブランドがなくなるのは初めて。
http://www.nikkei.co.jp/news/sangyo/20090131AT2F3003030012009.html
【CFOならこう読む】
記事によると、
「JTはイメージの回復は困難とみて、生産は続けるものの2月にもJTブランドの包装は一部業務用を除いて廃止。4月頃から同ブランドは店頭からなくなる見込み。家庭用は3月に31品のうち5品を廃止したうえで、ジェイティフーズの親会社に当たる加ト吉にブランドを統一する。」
ということです。

JTは2007年12月にTOBにより加ト吉株式を93.88%取得し、加ト吉は2008年4月に100%子会社化されています。その後、両社の冷凍食品事業を含めた加工食品事業および当社の調味料事業について、加ト吉に集約した体制のもとで、運営されています。

したがって、今回のJTブランド廃止の決定も実態に即したものと言えるのですが、消費者から見ると、中身は何も変わらないのに、パッケージのみ変える誤魔化しであるととらえられる恐れがあると思います。その場合加ト吉ブランドも大きく毀損するリスクがあると私は思います。

【リンク】
 なし

# by yasukiyoshi | 2009-01-31 12:01 | M&A
2009年 01月 30日

東証、TOKYO AIMの概要発表

東証、プロ向け市場の概要発表 上場基準大幅に緩和
東京証券取引所は29日、新たに創設するプロ投資家向け新市場「TOKYO AIM(エイム)」の概要を発表した。上場に際しては一定の利益などの数値基準を設けないほか、審査は証券会社に委ねるのが特徴。ルールを大幅に緩和して国内外の新興企業を呼び込む。十分に資金の行き届かない小規模企業の育成につなげる狙いだが、市場は冷え込んでおり逆風下の船出になりそうだ。
http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20090130AT2C2901K29012009.html
【CFOならこう読む】
東証は、TOKYO AIM創立の目的をプレスリリースの中で次のように説明しています。
「TOKYO AIM創設の目的は、アーリーステージにある日本およびアジアの成長企業のニーズを反映した新たな資金調達の選択肢と幅広い投資家層へのアクセスを提供すると同時に、国内外のプロ投資家に新たな投資機会を提供することにあります。TOKYOAIMは、昨年の金融商品取引法改正により導入されたプロ向け市場制度を活用して創設されます。TOKYO AIMは、金融庁からの免許取得を前提に、本年春に開設の予定です。」
新興市場を舞台に行われた数々の事件、不祥事を思うと、参加者をプロに限定し、アーリーステージにある将来性ある企業を資金調達の面でサーポートすることを目的とする新市場の創設は歓迎すべきものと思います。

ただし、プロの投資家の後ろには多数の一般投資家がいるわけで、彼らがリスクの負担を強いられないよう十分配慮すべきであるとも思います。

間違っても、上場基準緩和の趣旨がどんな会社でも上場できる、ということにはならないよう、NOMADと呼ばれる「指定アドバイザー」となる証券会社の選定・監督・処罰は厳格に行う必要があります。

TOKYO AIMの概要は次の通りです。

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(2009年1月30日 日本経済新聞より)
上場申請時にどのような書類が要求されるかが気になるところですが、有価証券上場規程(案)及び施行規則(案)によると次の通りです。
「新規上場申請者は上場申請時に、次の各号に掲げる書類を提出するものとする。
(1)特定証券情報等
(2)新規上場申請者の事業計画の概要
・ 新規上場申請者の事業計画の概要には、今後の業界環境や申請会社が主に取り扱う製商品、提供するサービスのトレンドを踏まえた事業運営方針・事業展開や設備投資計画等、投資者が投資判断上必要とする内容が含まれていることが求められます(ただし、業績予想等の数値の記載を求めるものではありません)。
(3)施行規則で定める「新規上場申請に係る宣誓書」
(4)施行規則で定める「コーポレート・ガバナンスに関する報告書」
(5)新規上場申請者の定款
(6)その他当取引所が必要と認める書類
2 前項第1号に掲げる特定証券情報等とは、特定証券情報を記載した書面、発行者情報を記載した書面に相当する報告書、有価証券届出書又は有価証券報告書をいい、新規上場申請者は、施行規則で定めるところに
よりそのいずれかを提出するものとする。
・例えば、新規上場申請時において有価証券報告書の提出義務のない上場申請者である場合で、かつ上場申請時にファイナンスを実施する場合に特定証券情報を記載した書面を提出することになります。
3 前項の特定証券情報を記載した書面及び発行者情報を記載した書面に相当する報告書は、施行規則で定めるところにより作成しなければならない。
4 第1項第1号に掲げる特定証券情報等に記載される財務諸表等には、施行規則で定める事項が記載された監査法人による監査報告書等を添付するものとする。
・ 監査報告書等には「無限定適正意見」またはこれに準ずる監査法人の意見が添付されていることが求められます。
5 第1項第1号に掲げる特定証券情報等のうち、特定証券情報を記載した書面又は発行者情報を記載した書面に相当する報告書に記載される財務諸表等は、日本会計基準、米国会計基準、国際会計基準その他施行規
則で定める会計基準のうちいずれかに基づいて作成しなければならない。
・ 施行規則で定めるその他の会計基準とは、日本会計基準、米国会計基準及び国際会計基準の3基準と同等であることを、担当J-Nomad と監査法人が、合意の上で適切に判断した基準(この場合は、上記3基準のいずれかとの差異を開示(いわゆる調整開示)するものとします。)。」
これを見る限り、監査は何年必要か定められていないようです。創業間もない会社の上場も可能とするという趣旨なのかも知れません。

【リンク】
TOKYO AIM
http://www.tokyo-aim.com/

2009/1/29「東京証券取引所グループとロンドン証券取引所グループ、プロ向け新市場の名称と制度要綱を発表 -正式名称は「TOKYO AIM」-」東京証券取引所グループ
http://www.tse.or.jp/news/200901/090129_c.html

「有価証券上場規程(案)及び同規程施行規則で規定する主な内容」
http://www.tokyo-aim.com/pdf/20_companies_jpn.pdf




# by yasukiyoshi | 2009-01-30 09:35 | IPO
2009年 01月 29日

インサイダー規制及び適時開示規定に、軽微基準-子会社解散公表不要に

小規模子会社の解散 公表不要に 「コマツ処分」機に見直し
金融商品取引法改正に伴う内閣府令の改正で、子会社解散に関するインサイダー規制に軽微基準が新設された。業績などへの影響の小さい小規模子会社なら解散しても規制の対象外となる。東京証券取引所も業務規定を見直し、企業は適時開示せずに済む。インサイダー条項の緩和は珍しい。規制や開示の在り方に一石を投じている。
(日本経済新聞2009年1月29日14面)
【CFOならこう読む】
実務上重要な改正であると思いますので、条文の内容を具体的に書き記しておきます。上が金商法改正に伴う内閣府令の改正、下が東証の上場規定施行規則の改正の内容です。
■有価証券取引等の規制に関する内閣府令の改正-インサイダー取引規制の軽微基準の見直し
52条5-2新設
 解散による当該上場会社等の属する企業集団の資産の減少額が当該企業集団の最近    事業年度の末日における純資産額の100分の30に相当する額未満であると見込まれ、当該解散の予定日の属する当該企業集団の事業年度及び翌事業年度の各事業年度においていずれも当該解散による当該企業集団の売上高の減少額が当該企業集団の最近事業年度の売上高の100分の10に相当する額未満であること。
(2008年12月12日施行)

■有価証券上場規程施行規則-上場会社の適時開示について子会社の解散に係る軽微基準を新設
403条第5号の2新設
(子会社等の決定事実に係る軽微基準)
第403条 規程第403条に規定する投資者の投資判断に及ぼす影響が軽微なものとして施行規則で定める基準のうち同条第1号に掲げる事項に係るものは、次の各号に掲げる区分に従い、当該各号に定めることとする。ただし、規程第402条第1号qに規定する上場外国会社(当取引所が必要と認める者に限る。)については、当取引所が定めるところによる。

(5)の2 規程第403条第1号fに掲げる事項次のaからdまでに掲げるもののいずれにも該当すること。
a 当該解散による連結会社の資産の額の減少額が直前連結会計年度の末日における連結純資産額の100分の30に相当する額未満であると見込まれること。
b 当該解散による連結会社の売上高の減少額が直前連結会計年度の売上高の100分の10に相当する額未満であると見込まれ
ること。
c 当該解散による連結会社の連結経常利益の増加額又は減少額が直前連結会計年度の連結経常利益金額の100分の30に相当する額未満であると見込まれること。
d 当該解散による連結会社の連結当期純利益の増加額又は減少額が直前連結会計年度の連結当期純利益金額の100分の30に相当する額未満であると見込まれること。
(2008年12月12日施行)
【リンク】
平成20年12月「平成20年金融商品取引法改正に係る政令案・内閣府令の概要」金融庁総務企画局
http://www.fsa.go.jp/news/20/20081202-1/1-02.pdf

「平成20年金融商品取引法等の一部改正に伴う業務規程等の一部改正新旧対照表」
http://www.tse.or.jp/rules/regulations/081211_a2.pdf


# by yasukiyoshi | 2009-01-29 10:19
2009年 01月 28日

2008年度ベンチャー投資48%減

08年度ピークの3分の1 上場落ち込みVCが慎重に
経済産業省の調査機関によると、国内主要ベンチャーキャピタル(VC)による2008年度(2008年4月-2009年3月)の新規投資額は前年度の半分の水準に落ち込む見通しだ。株価低迷で投資回収が難しくなっているため。設立間もない開発型ベンチャーはVC依存が高い企業が多く、景気低迷が長引けば財務戦略の練り直しを迫られる企業が増えそうだ。
 (日本経済新聞2009年1月28日15面)
【CFOならこう読む】
「ベンチャーエンタープライズセンター(VEC)が2008年度の「ベンチャーキャピタル等投資動向調査」をまとめた。国内主要90のVCの2008年度新規投資額(見通し)の合計は1000億円。2007年度比48%減で、ピークだった2006年度の3分の1にとどまる。主因は株式市場の低迷にある。2008年(1-12月)は新規株式公開(IPO)は49社と前年の半分以下。VCは投資先企業を上場させて株式を売却し、資金を回収するのが難しい
状況になっているためだ。

実際に各社が2007年度に実施した投資回収の手法について聞いたところ、「IPO株の売却」との回答は35.1%と前年度比9.8ポイント下落。逆に「外部売却や経営者への売り戻し」は、38.1%と8.3ポイント上昇している。
新規投資先企業の設立年数は「設立5年未満」が47.6%と最多だった。「5年以上10年未満」(24.9%)を含め、10年未満の比較的早い時期での投資が7割超を占める。」
(前掲紙)

これだけIPO市場が低迷しているのは、逆に言うとシード期又はスタートアップ期ベンチャー企業への投資の絶好の好機であると言えます。銀行の貸出姿勢が厳しい中、資金不足にあえぐベンチャー企業が、VCに期待する部分は非常に大きいと思います。野口悠紀雄氏が言うように今必要なのは、「日本経済の構造大転換」であり、また「企業家にとって今の経済危機は続行のチャンス」です。そしてここに血液たる資金と経営ノウハウとガバナンスを供給するVCの存在は今こそ重要であると私は思います。

【リンク】
財団法人ベンチャーエンタープライズセンター
http://www.vec.or.jp/


# by yasukiyoshi | 2009-01-28 08:58 | IPO
2009年 01月 27日

国際財務報告基準(IFRS)、2009年度から選択適用可能に

国際会計基準、09年度から利用可能 会計審方針
金融庁の企業会計審議会(長官の諮問機関)は2009年度(10年3月期)から「国際会計基準」の適用を企業に認める方針を固めた。同基準は欧州を中心に100カ国以上で使われており、産業界から早期の利用を求める声が出ていることに対応する。
http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20090127AT2C2600E26012009.html


【CFOならこう読む】

海外で起債している一部の企業にとっては、IFRSを選択できるようになることで、コストが削減できるといった一定のメリットは生じると思いますが、一方、原則主義であるIFRSをそのまま日本に導入しても実務は動かないだろうなあと思う部分もあります。適用指針、実務対応報告、委員会報告等細かい規定に基づき日本の実務は回っているのです。また投資家サイドからは比較可能性という観点から日本基準との相違について、詳細な開示を要求されることが予想され、結局コスト面で見ても割高になってしまうことも考えられます。

私は2011年までコンバージェンスを進め、同時に日本企業向けのIFRS適用指針等の整備を進め、米国と同様2014年以降段階的にIFRSを義務付ける方向で行くのが良いと思っています。そうでないと内部統制のときと同様、またぞろ雨後の竹の子のようにハゲタカがうようよ現れ、億単位のカネを巻き上げられることになりかねません。コンサルタントに無駄なカネを使わなくても、全ての上場企業が無理なくIFRSに移行できるよう十分に時間をかけた工程表とすべきであると私は思います。

【リンク】
 なし

# by yasukiyoshi | 2009-01-27 08:57 | 会計
2009年 01月 26日

上場直後の自社株買い-イデアインターナショナルのケース

新規株式公開(IPO)から間もない企業に自社株買いなどで株価をテコ入れする動きが目に付く。IPO銘柄は流通する株数が少なく、自社株買いは売買機会の減少につながる可能性もある。だが売買が盛り上がらないため、買い手として登場せざるを得ない事情もあるようだ。
 2008年に国内の株式市場に上場した会社は49社。このうち3社が自社株買いを実施。6社が役員や従業員による持ち株会設立や株の保有を発表した。
 雑貨販売のイデアインターナショナル(3140)は、08年11月に発行株数の9.3%を上限とする自社株買いを発表した。社長の保有比率が半数近くあるが、「株価があまりに低いと感じたが、通常のIR(投資家向け広報)ではインパクトがない」と判断したという。

(日経ヴェリタス2009年1月25日15面)

【CFOならこう読む】
昨年11月11日に自社株買いを発表した後、一時的に株価は上昇しましたが、その後は公募価格2530円の3~4割といった水準で推移しています。

ところで、イデアインターナショナルは、1月20日に業績の下方修正を発表しています。下方修正に至った理由を会社は次のように開示しています。
「売上高につきましては、オーガニックコスメブランド「アグロナチュラ」製品の成分不表示による自主回収、及びそれに伴う生産管理体制の見直しを行ってまいりましたが、年末の需要期に製品の投入が間に合わず、前回発表の業績予想数値を下回る見込みであります。また収益面につきましても、販売管理費を削減したものの、売上高の落ち込みの影響が上回り、営業利益、経常利益とも前回発表の業績予想数値を下回る見込みであります。」
年末の需要期に製品の投入が間に合わないという事態が、自社株買い公表時点で全く予想されていなかったのか、仮に相当の確からしさで予想されていたなら、公表した後に自社株買いを行うべきではなかったかとの疑念が生じるところです。
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【リンク】
平成21年1月20日「平成21 年6月期 第2四半期累計期間(非連結)の業績予想の修正並びに第2四半期期末配当予想の修正に関するお知らせ」株式会社イデアインターナショナル
http://www.idea-in.com/IR/announce/announce_090120.pdf


# by yasukiyoshi | 2009-01-26 10:08 | 自社株取得
2009年 01月 24日

自社株買いのTOB−アスクルのケース

アスクル 筆頭株主から自社株買い
アスクルは23日、同社株式の40%を保有する筆頭株主のプラスが株式の一部を売却するのに対応し、自社株のTOBを実施すると発表した。市場で売却された場合の株価への影響を考慮した。発行済株式の25%にあたる1100万株を約180億円で取得する。買付価格は1638円で23日終値を約4%下回る。買付期間は26日ー2月24日、1100万株すべてをプラスが売却した場合、保有比率は約15%に低下する。プラスグループの議決権ベースの保有比率も5割超から約37%に下がる取得した株式の約半分は早期に消却する。
(日本経済新聞2009年1月24日14面)
【CFOならこう読む】
自社株取得の目的をアスクルは次のように説明しています。
「当社は、当社株式の流動性及び市場株価への影響を鑑み、プラス株式会社が売却を希望する株式につき自己株式として買い受けることは資本効率の向上及び総合的な利益還元に繋がるものと判断いたしました。本公開買付けによってプラス株式会社の当社株式の所有割合が低下した場合、プラス株式会社の当社株式の所有割合の低下は、当社の経営の自主性及び独立性、並びに購買代理としての中立性をより一層強化し、「ソロエルサービス」を始めとした当社の次世代ビジネスモデルの展開を促進させ、当社事業の成長を加速させるものと期待しております。また、本公開買付けの応募状況に応じて、当社が法人税法上の特定同族会社の対象から外れることにより、将来の事業年度における当社の留保金課税にかかる負担が軽減される可能性があります。」
アスクルはプラスの事業部門を引き継ぐ形で発足しましたが、保有比率の低下で、プラスからの独立性が高まることになります。

自社株取得の手法としてTOBを選択した理由及び価格の根拠については次のように説明されています。
「自己株式の取得の手法については、株主間の平等性、取引の透明性、市場における取引状況等を総合的に判断し、公開買付けの手法によることが適切であり、本公開買付けの買付価格の決定に際して、基準の明確性及び客観性を重視し、基礎となる当社普通株式の適正な価格として市場株価を重視するべきであると考えました。また、本公開買付けに応募せずに当社株式を保有し続ける株主の利益を尊重する観点に立って、資産の社外流出をできる限り抑えるべく、市場価格より一定のディスカウントで買い付けることが望ましいものと判断いたしました。」
自社株取得の手法としては、ToSTNeTによることもできますが、1日の取引数量に制限がある上、例えばToSTNeT-2によった場合は、終値取引でかつ時間優先の仕組みのもとで、他の株主の取引機会を確保されているため、プラスの売却予定株数をすべて買い取ることが保証されません。

TOBの場合も、応募株数が買付上限を超えた場合、按分比例により買付が行われるため、プラスの売却株数が予定を下回る可能性があります。しかし、本件は、ディスカウント価格によりTOBを行うことで、他の株主の応募を回避するという手法がとられています。アスクル側はこれで良いのでしょうが、大株主であるプラス側はディスカウントTOBに応ずることによって株主から訴えられるといったリスクはないのでしょうか? 恐らくない、というのが私の結論です。その理由は次の通りです。

TOBには税務上のメリットがあるからです。ToSTNeTも含め市場取引を行うと、プラスには株式譲渡益が計上されますが、TOBによった場合には、相対での自社株取得になるので、買付価格が1株当たりの資本金等の額を超過する部分はみなし配当となり、この部分は100%益金不算入となります。

したがってTOBによると、プラスの譲渡益課税は大幅に圧縮できるのです。多少のディスカウントを受け入れても、税引後のキャッシュフローは、市場で売却するより多く獲得できるのです。ですからプラスにとってもディスカウントTOBに応じることには経済合理性があるのです。

余談ですが、ディスカウント率の決定の根拠として次のような説明がなされていることに若干目を惹かれました。
「当社は、本公開買付けにおける普通株式の買付価格を決定するにあたり、フィナンシャル・アドバイザーであるGCA サヴィアン株式会社より、当社の適正な株式の時価を算定するためには、本公開買付けを決議する取締役会決議直前の株価のみならず一定期間の株価の推移についても勘案すべきとの助言を受けるとともに、平成18 年以降の発行者による株券等の公開買付けにおいて買付価格に付されたディスカウント率は概ね10%以内であるとの助言を受け、これらを総合的に勘案し、買付価格を決定しております。」
【リンク】
平成21 年1 月23 日「自己株式の取得及び自己株式の公開買付けに関するお知らせ」アスクル株式会社
http://ir.askul.co.jp/repository/IRRL/PDF/1J0000155000.pdf

平成20 年1 月10 日「東証市場を利用した自己株式取得に関するQA集」東京証券取引所
http://www.tse.or.jp/rules/stock/guideline/jikokabuqa.pdf


# by yasukiyoshi | 2009-01-24 11:18
2009年 01月 23日

ライブドア(現LDH)、フジに310億円支払いで和解

旧ライブドア、フジに310億円支払い 株急落巡り損害賠償和解
ライブドア(現LDH)の第三者割当増資を引き受けたフジテレビジョン(現フジ・メディア・ホールディングス)が、ライブドア事件で同社株価が急落し損害を受けたとして、LDHに約345億円の損害賠償を求めた訴訟は22日、LDHがフジ側に約310億円を支払うことで東京地裁で和解が成立、両社の訴訟は終結した。
http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20090123AT1G2203522012009.html
【CFOならこう読む】
フジは、2005年年5月23日にLDHの第三者割当増資に応じて払い込んだ金額(約440億円)とフジが取得した全株式を、2006年3月16日に売却した金額(約95億円)との差額である345億円及びそれに対する遅延損害金について、旧証券取引法第18条(虚偽記載のある有価証券届出書の届出者の賠償責任)に基づき、東京地方裁判所においてLDHに対して損害賠償を求める民事訴訟を提起していました。

今般、東京地方裁判所から職権による和解勧告及び和解案の提示があり、昨日、LDHとの裁判上の和解が成立しました。その内容は次の通りです。

■ライブドアは、当社に対し、損害賠償金として、2009年2月10日までに金310億5442万8000円を支払う。

LDHは、和解案を受諾した理由をプレスリリースで次のように説明しています。
「当社が東京地方裁判所からの和解勧告を受諾することとした主な理由は、1)提示された和解案は原告請求額を減縮した金額の支払を内容とするものであり、当社主張の一部が実質的に認められたものと評価できること、2)現在当社が係争中である他の損害賠償請求訴訟と異なり、本件は、旧証券取引法第18 条・19 条に規定されている新株の募集に応じて取得した者への賠償責任であること、3)本件の早期解決により、当社の訴訟費用および労力を節減し、他の損害賠償請求訴訟に注力して取り組むことができること、の3点です。」
LDHは、この和解金額を堀江元社長ら旧経営陣に賠償請求する方針です。

【リンク】
平成21年1月22日「和解による訴訟の解決のお知らせ」株式会社フジ・メディア・ホールディングス
http://www.c-direct.ne.jp/public/japanese/uj/pdf/10114676/20090122166311.pdf

平成21年1月22日「和解による訴訟の解決に関するお知らせ」株式会社LDH
http://www.ldh-corp.co.jp/ir/2009/20090122_01.pdf


# by yasukiyoshi | 2009-01-23 09:44 | 資金調達
2009年 01月 22日

株式分割は株主還元策か?

テクノ菱和、今期末 1株を1.1株に分割 16年ぶり最高益更新株主への配分手厚く
テクノ菱和は2009年3月期末の株主を対象に、1株を1.1株に分割する見通しだ。今期の連結純利益が土地売却益の計上などで16年ぶりに最高を更新するのがほぼ確実なため株主への利益配分を手厚くする。分割は1997年9月以来。1株配当は前期比0.5円増の年16円(期末に9.5円配)の計画で、分割を考慮すると1.45円の増配となる。
(日本経済新聞2009年1月22日12面)
【CFOならこう読む】
株式分割は株数が1.1倍になる一方、1株当たりの価値(株価)は1/1.1に引き下げられるので、株主価値に与える影響はありません。株主還元が目的なら、株式分割をせずに1.45円だけ1株配当を増やせばそれで足りるはずですが、同時に株式分割をするのはどういう意味があるのでしょうか?

新聞記事は、この点、「会社は発行済み株式総数を増やして流動性の向上につなげたい考え」と説明しています。

それはそれで嘘ではないとは思いますが、別の理由もあると思います。
安定配当を基本方針とする日本の多くの上場企業は、儲かったら増配するのが困難です。一旦増配するとそれを継続することが求められるからです。

テクノ菱和も安定配当を行うことを次のように宣言しています。
「株主に対する配当政策は、経営の最重要課題の一つと認識し、長期的な視点に立って、財務体質の充実、競争力保持のため、内部留保の確保に意を用いつつ、配当性向を勘案して利益還元を図るとともに、安定した利益配当を維持することを基本方針といたしております。

当社の剰余金の配当は、中間配当及び期末配当の年2回を基本的な方針としております。配当の決定機関は、中間配当は取締役会、期末配当は株主総会であります。

当事業年度末の配当金につきましては、上記の方針に基づき1株につき9円50銭(年間では1株につき15円50銭)を実施いたしました。」
(第59期 2008年3月31日期末日 有報)

また配当政策は、配当の顧客効果、すなわち自社の配当政策を好む特定の投資家層を株主(顧客)として選択している効果を勘案すると、簡単に配当政策を変更するのは困難です。

「なぜなら、企業が急に配当政策を変更すれば、従来の配当政策を支持してきた株主は、自分の好む配当政策をおこなう他の企業の株式に乗り換える必要が生じるが、それにはコストがかかる上、予期せぬ株価の変動を引き起こす原因になりうるからである。」
(「経営財務入門」井手正介・高橋文朗著 日本経済新聞社)
したがって増配をする場合にも1株配当の増加の幅は極力小さくし、株式分割を併せて行うことにより実質的な増配をアピールするという方法が好まれるのです。
この方法によれば、将来仮に利益水準が低下したとしても、減配をせず、株式併合により配当減資を減らすことができるというのも経営陣に好まれる理由の一つでしょう。

【リンク】
 なし

# by yasukiyoshi | 2009-01-22 09:16 | 配当政策
2009年 01月 21日

親子上場件数減少(2008年12月末時点)

「親子上場」が減少 経営効率化狙い完全子会社に
親会社と連結子会社とがともに上場する「親子上場」の件数が減っている。2008年12月末時点で399件と2008年3月末から13件減少した。親会社がグループ経営の効率化を狙って完全子会社にするケースが目立つ。
(日本経済新聞2009年1月21日16面)
【CFOならこう読む】
EVAの伝道師として有名なベネット・スチュワートが、自著『EVA創造の経営』の中で、子会社の部分公開は親会社の株主にとってデメリットが大きいと結論づけています。

その理由として次のものを挙げています。
①公開を維持するためのコストが重複
②親子会社間の取引の公平性の確保が難しい
③子会社独自の取締役会が必要になり少数株主の権利の尊重が必要
④親会社が直接ファイナンスする場合よりもコスト高になる場合が多い
⑤連結納税対象から外れる
米国では子会社の部分公開は少数の利用に止まり、優良大企業の間では子会社は100%所有するというのが大原則です。

今日の記事にあるように、日本では子会社の知名度向上や株式売却益などを目的に親子上場は1986年から2007年3月末はほぼ一貫して増えて来ました。

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「減少の背景には、利益相反を招く可能性があるとして、東証などが2007年秋に親会社と事業内容などが類似した主要子会社の上場を慎重に判断する方針を示したことがある。」(前掲紙)
東証は、2007年10月30日に、「中核的な子会社の上場に関する証券取引所の考え方について」で次のような方針を示しています。
「昨今、親会社と実質的に一体の子会社、若しくは中核的な子会社(親会社グループの企業価値の相当部分を占めるような子会社)の上場意向が散見されております。
このような中核的な子会社の子会社上場は、証券市場において実質的には新しい投資物件であるとは言えず、また、上場している親会社が企業グループの中核事業を担う子会社を上場させて新規公開に伴う利得を二重に得ようとしているものではないかと考えます。

このような状況から、例えば、事業ドメイン(事業目的・内容・地域等)が極めて類似している子会社や、親会社グループのビジネスモデルにおいて、非常に重要な役割を果たしている子会社、親会社グループの収益、経営資源の概ね半分を超える子会社などのいわゆる中核的な子会社の上場については各企業グループ、子会社の事業の特性、事業規模、過去の業績の状況、将来の収益見通し等を総合的に勘案しながら、慎重に判断していくことといたします。」
子会社公開は、親会社の資金調達を目的としている場合が多いと思われますが、子会社上場の際、高PERがつく場合、それは子会社の高成長性が評価されたもので、一般投資家は自己の資金がこの高成長事業に投入されることを期待して投資するのです。したがって親会社にキャッシュを横流しにするだけの子会社公開は、一般投資家との間で重大な利益相反が生じます。したがって事業ドメインが類似しているか否かに関わらず親子上場には問題があると私は思います。

【リンク】
2007年10月30日「中核的な子会社の上場に関する証券取引所の考え方について」株式会社東京証券取引所
http://www.tse.or.jp/news/200710/071030_d.html


# by yasukiyoshi | 2009-01-21 10:33 | コーポレートガバナンス
2009年 01月 20日

CBの償還方法変更―アセット・マネージャーズ・ホールディングス

不動産投資のASSET、CBの繰り上げ償還額を半額に変更
不動産投資のアセット・マネジャーズ・ホールディングスは19日、2006年に発行した130億円の転換社債型新株予約権付社債(CB)の償還方法を変更すると発表した。当初は今年3月18日に額面金額での繰り上げ償還に応じると説明していたが、償還額を半分に減らす。不動産市況の低迷で業績が悪化するなか、償還による資金流出を抑える狙いだ。
http://www.nikkei.co.jp/news/tento/20090120AT2D1901519012009.html

【CFOならこう読む】
変更の内容をプレスリリースから抜粋すると次のとおりです。
「① 本社債に関する事項
・ 社債権者の選択による繰上償還における償還額の減額(本社債額面金額の50%と
する。)
・ 満期償還日の延長(1 年間延長し2012 年3 月17 日とする。)
・ 満期償還額の減額(本社債額面金額の90%とする。)
・ 140%コールオプション条項による繰上償還の廃止

 ② 本新株予約権に関する事項
・ 本新株予約権の行使に際して払込をなすべき1株あたりの額(以下「転換価額」
といいます。)の変更(従来22万円であったのを2009 年1 月16 日終値である8,170
円へと下方修正をする)。」

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株価が行使価格を大きく下回り、かつ償還資金の手当ても困難であるため、行使価格を現在の株価まで引下げ、転換を促すことを意図した変更です。

要するにMoving Strikeされるわけです。

これにより増加する潜在株式は1,533,853 株であり、これは発行済株式総数の202.45%に相当することから、株式転換が行われた場合、大きな希薄化が生じることになります。この点、3月17日に開催される臨時株主総会でその是非が議論されることになります(特別決議です)。

個人的には、満期償還額の減額分がどう会計処理されるのかに興味があります。

【リンク】
平成21年1月19日「2011 年3 月18 日満期円貨建転換社債型新株予約権付社債に関する社債権者集会の開催、臨時株主総会の開催及び臨時株主総会招集のための基準日設定に関するお知らせ」アセット・マネジャーズ・ホールディングス株式会社
http://www.assetmanagers.co.jp/irinfo/pdf/AssetManagers_20090119.pdf


# by yasukiyoshi | 2009-01-20 08:31 | 資金調達
2009年 01月 19日

株価指数プットオプションの建玉増加

株価指数オプション市場でプットオプション(売る権利)の建玉が増加している。日経平均オプションでみると権利行使価格で6000円台での増加が鮮明で、この水準が下値のメドとして意識されつつあるようだ。投資心理を映すボラティリティー指数も上昇傾向。年度末を控えて、市場参加者は先行き警戒感を強めている。
(日経ヴェリタス2009年1月18日24面)
【CFOならこう読む】
日経平均プットオプション 3月12日が最終売買日の日経平均3月物建玉(1/16時点)
権利行使価格6500円 1万3034枚(前週末比17%増加)
権利行使価格6000円 1万1835枚(前週末比20%増加)
3月末を控えヘッジ目的による機関投資家の買いが入っているものと思われます。但し、ボラティリティも1/16時点で53.3%(前週末比8.8%増加)と高い水準にあり、ヘッジのコストも割高になっています。

【リンク】
 なし

# by yasukiyoshi | 2009-01-19 07:54
2009年 01月 17日

三菱商事のリスク管理手法―MCVA

リスク管理が威力発揮 真価問われる投資会社化
リスク管理で威力を発揮しているのが、2002年に導入したMCVAという独自指標。
事業ごとの収益から想定最大損失(実質リスク)に株主資本コストを乗じた数値を引いた後の損益を示す。赤字が続けば原則、その事業からの撤退を決める。
この指標でみた赤字額合計は2002年3月期で766億円と同年度の純利益を上回っていた。それが退出ルールの明確化で前期は一気に187億円に減少。これに伴い不良資産関連の償却は2005年3月期の943億円をピークに、前期は1億円強に縮小した。

(日本経済新聞2009年1月17日15面 会社研究)
【CFOならこう読む】
三菱商事のMCVA(Mitsubishi Corporation Value added)は次のように算定されます。

MCVA=事業収益-(最大想定損失×資本コスト)
但し、
事業収益= 税後純利益-(1-限界税率)×(有価証券売却損益+上場有価証券評価損)
MCVAはその名称からもわかるように、株主付加価値(EVA、SVA)を三菱商事に合うようにカスタマイズしたものです。

EVAは、
一般的に、税引後営業利益-資本コスト
により算出されますが、投資会社である三菱商事の場合、有価証券の売却という形で投資の回収が行われるので、税引後営業利益に基づき付加価値を把握することが適当ではなく、金融収支、事業収支を加味しカスタマイズされました。

最大想定損失は、実質リスクと定義されます。

実質リスクとは、統計的に計測される損失発生額の「期待値」(EL)と統計的に計測される損失発生額の「変動幅」(UL)の合計から分散投資効果を差し引いて計算されます。EVAは投下資本に基づき資本コストを計算しますが、MCVAはリスク調整後資本コストを計算するのです。

基本的な考え方は、外資系の金融機関が90年代から導入している手法によっています。例えばチェース・マンハッタンが同様のリスク管理手法をを導入していることが、「戦略的リスクマネジメント」(T・L・バートン/M・G・シェンカー/P・L・ウォーカー 東洋経済)に紹介されています。

三菱商事は、MCVAにより次のようなリスクマネジメントが可能になったと説明しています。
・異なる種類の取引・資産に係わるリスクを計量し会社としてのリスク総量やリスク構造を把握する
・営業組織をビジネスモデルや取扱商品毎に再編し、個々の組織単位で保有するリスク量と収益のバランスを経営管理指標とする
・リスク総量と自己資本(体力)を比較しながら、追加リスク総量を管理し、且つ追加リスクの配分(資源配分)を行う
なお、本文中のMCVAの説明は、京都大学経済学部大学院経済研究科目平成1 7 年度前期「資産運用論」資料、「三菱商事におけるビジネスポートフォリオマネジメント~価値創造経営とリスクマネジメント~」(経営企画部 北村康一)によっています。

【リンク】
2005年7月5日「三菱商事におけるビジネスポートフォリオマネジメント~価値創造経営とリスクマネジメント~」三菱商事株式会社 経営企画部
http://www.kier.kyoto-u.ac.jp/fe-nomura/katou/05.07.05.pdf


# by yasukiyoshi | 2009-01-17 11:30 | 業績評価