2007年 07月 18日

経産省、MBO公正実施へ指針・株買い付け期間30日以上に

指針はTOBルールのように拘束力はないが、MBOに伴う不透明さを減らすとともに、
少数株主の保護に力点を置いており、市場の活性化につなげる狙いがある。

http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20070718AT3S1702817072007.html

(CFOならこう読む)
指針案では社外取締役や独立した第三者委員会にMBO実施を諮問し、
判断を尊重するように求めています。
しかしM&Aにおいては
常に経営者と買収者や株主との間に利益相反があります。

しかも経営者はその企業に関する情報の面で圧倒的に優位な
立場にあります。これを“情報の非対称性”と呼びます。
情報の非対称性があるので、経営者が自己の利益ではなく
企業価値を追及するようにコントロールし監視するためには
それなりの工夫とコストがかかります。
このコストを経済学では、“エージェンシーコスト”といいます。
社外取締役や独立した第三者委員会にかかるコストも
“エージェンシーコスト”です。
これらのコストは、
“情報の非対称性”を解消するためのものですから、
社外取締役や第三者委員会の独立性は極めて高いレベルが
要求されなければなりません。

ところが会社法が規定する
社外取締役の要件は非常に甘いもので、
例えばTBSの社外取締役に毎日新聞の社長が就任することが容認されています。
毎日新聞とTBSの経営陣の利害は大きな意味で一致し、
これと株主や楽天の利益が相反することは十分に考えられるので、
毎日新聞の社長の“社外”性には疑義があるといわざるを得ません。

2005年10月に日本取締役協会が公表した「独立取締役コード」によれば、
主要株主や
重要な取引先は“社外”の要件を満たしません。
ニューヨーク証券取引所やナスダックでは同様の規制に加えて、
経営者の友人も独立性に反するとしています。
この辺りのところは、東京証券取引所にも早急に規制強化をお願いしたいところです。

日本の健全な資本主義の発展には、
社外取締役の果たす役割が極めて大きいと思うのです。

by yasukiyoshi | 2007-07-18 08:39 | M&A


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