吉永康樹の CFOのための読みほぐしニュース

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2007年 07月 19日

ダウ・ジョーンズ取締役会、ニューズによる買収を承認=関係筋

16人で構成する取締役会が承認したことで、
この案件はダウ・ジョーンズの議決権の過半数を保有するバンクロフト一族による最終投票に移る。

http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/media/djBRK9914.html

(CFOならこう読む)
デジタル技術の進展に伴うメディアの融合はとどまるところを知らず、
米国ではナイト・リッダー、トリビューンに続きこの1年内に大手新聞の経営が変わるのは3社目になります。
ダウ・ジョーンズはウォールストリート・ジャーナルの発行元であり、
日本で言えば日経新聞社が買収されるようなもので日本ではちょっと考えられない話です。

ダウ・ジョーンズ社の取締役会が承認したわけですが、
ニューズ社が議決権の過半数を獲得できるかはまだ不透明です。
「ダウ・ジョーンズ社は普通株のほか1株あたり普通株の10倍議決権を持つ『特殊株』の2種類を発行しており、
30人強のオーナー一族はこの特殊株を占有することで議決権の64%を支配してきた」のですが、
「一族が特殊株を第三者に売却すると自動的に議決権が普通株と同じになるという内規がある」ため、
オーナー一族の議決権の相当数が売却に賛成しても、
ニューズ社が過半数の議決権を獲得できるとは限らないからです。
複数議決権株式は買収防衛策としては強力なもので、
米国でも上場後の複数議決権株式の発行は認められていないようです。

しかしグーグルが創業者等に1株10議決権の複数議決権株式を発行したままで上場したように、
「目的が株主の利益や長期的な企業価値向上にある」場合には認められる場合もあるとされています。
日本の会社法は308条1項本文の規定に反することから複数議決権株式の発行は認めていません。

しかし定款で株式の種類ごとに異なる単元株式数を設定する(会社法188条)ことにより、
実質的に複数議決権を認めるのと同様の効果を生じさせることができます。

また非公開会社の場合には、定款で、
特定の株主についてのみ複数議決権を認める旨の定めを設けることができます(会社法109条2項)。
IPO準備に入る会社の資本政策としてこれを利用する会社が今後増えてくるものと予想されます。

by yasukiyoshi | 2007-07-19 09:36 | M&A


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