2007年 08月 04日

企業の会計、国際基準と全面共通化・2011年までに

透明性の高まりで海外からの投資を呼び込みやすくなるほか、日本企業の海外での資金調達も容易になる。
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20070804AT2D0301I03082007.html

【CFOならこう読む】
M&Aに関し、日本の会計基準と国際会計基準を比較して大きく違う点は次の2つです。

①国際会計基準ではパーチェス方式一本であるが、日本ではどちらが買い手か判然としない対等合併が多いとの理由から一定の要件のもと持分プーリング方式が認められている。

②買収時に発生する「のれん」を国際会計基準では定額償却しないが、日本では買収コストをPLに反映すべきとの理由から定額償却する方式によっている。

これに対し私の考え方は次の通りです。

①について
日本で過去行われてきた対等合併も実はどちらが買い手であるか明らかなものがほとんどで、
持分プーリングが認められる根拠としてはそもそも薄弱でした。
その上ここ数年買い手が売り手株主に30%程度のプレミアムを支払った上で買収するケースが一般的になっていて持分プーリングに固執する必要はないでしょう。

②について
のれんの本質は「貸借対照表価額と市場が評価する企業価値との差異」にあります。つまりM&Aの場面で買い手は貸借対照表を買うわけでなく、企業価値を買うのです。
この価値が定額で目減りすると考えることに全く根拠がありません。そもそも貸借対照表には個々の資産の購入価額が計上されています。企業価値は有機的一体として評価した企業価値なので、両者は当然に相違します。そして買い手が買ったものは後者に他ならないのだから定額償却をしない方が理論的です。

それにしても企業会計基準委員会の委員長を斉藤静樹さんが降りられてから一気に国際会計基準との調和が進みそうです。

もう日本の独自性というものを訴えることはないのでしょうね。

by yasukiyoshi | 2007-08-04 09:30


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