2007年 08月 14日

GMO、金融事業からの撤退発表

売却にともない、過払い利息返還に関連した損失引当金72億円や貸倒引当金繰入額105億円、のれん代の減損損失59億円などを6月中間期に計上する。
http://www.nikkei.co.jp/news/sangyo/20070813AT1D1306413082007.html

(CFOならこう読む)

不採算事業を切り離す際に考慮すべき事項は、
連結対象から外せるか
税務上損金算入できるか
の2点でしょう。

GMOの事例では消費者金融子会社であるGMOローン・クレジットホールディングスを
MBO方式で同社経営陣に売却するとのことなので、
おそらく連結対象から外すことができるでしょう。
また株式譲渡による完全事業撤退であるので、
この事業に関わる損失が税務上損金算入できる可能性が高いと思います。

GMOはこの処理に合わせてGMOインターネット証券を
GMOの会長兼社長である熊谷正寿氏に売却し、
売却益35億円を捻出するとのことです。
これは消費者金融業からの撤退に伴う損失が200億円以上にのぼり
債務超過に陥ることを回避するためのものであると思われます
(2006年12月期純資産 連結19,528百万円 単体16,001百万円)。

しかしこの売却益が連結決算上実現できるかどうかは極めて微妙です。
連結範囲の決定は、支配力基準で行うことになっています。
監査委員会報告60号は、
次のいずれかに該当する場合子会社とみなすとしています。

50%超の議決権を所有している
40%以上50%以下で財務上または営業上若しくは事業上の関係からみてその会社の
 議決権を支配している事実が存在していること

議決権40%未満であるが「緊密な者」と合わせて議決権の過半数を占めている会社で
 営業上若しくは事業上の関係からみてその会社の意思決定機関を支配している事実が存在していること


(注)「緊密な者」とは、出資、人事、資金、技術、取引等における両者の関係状況からみて、
自己の意思と同一の内容の議決権を行使するもの。

上記③の規定によると
GMOの役員で会長兼社長である熊谷氏はGMOの「緊密な者」に該当するので、
これを考慮してもGMOがGMOインターネット証券の意思決定機関を支配していないことが
明らかに認められる場合を除き、連結対象から外すことはできないことになります。
連結対象から外せない場合、
GMOインターネット証券株式の売却益は連結決算上実現していないものとみなされます。

GMOの監査法人は、
2006年12月期は中央青山、2007年12月期はトーマツです。

by yasukiyoshi | 2007-08-14 08:37


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