吉永康樹の CFOのための読みほぐしニュース

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2007年 08月 22日

ベンチャー投資優遇拡充

ベンチャー投資促進へ所得控除 経産省、税制改正を要望
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070816-00000092-san-bus_all

経済産業省は、個人のベンチャー企業への投資を税優遇で後押しする
エンジェル税制」を拡充する検討に入った。
個人が投資をする段階で、投資額の20%相当分を所得税額から差し引ける税額控除による
新たな措置を2008年度の税制改正要望に盛り込む。
現行の株式売却益から投資額を差し引く所得控除方式では効果は薄いため、
ベンチャー投資促進には優遇措置の拡充が必要と判断した。
(2007年8月22日朝刊5面)

(CFOならこう読む)
投資段階で投資額を所得控除できる場合、その投資は実質的に無税となることを、
ブラックショールズモデルのマイロン・ショールズが自著「タックス・ストラテジー」の中で述べていますが、
今回検討されている優遇税制は税率20%の人にとっての所得控除と同様の税効果があります。
それだけにこの税制改正により
エンジェル投資を呼び込む一定の効果はあると思いますが、
上限200万円ではいかにも規模が小さすぎます。

ベンチャー企業にとって必要なのは小口の投資家ではなく、
自分の経営経験、人脈をフルに活用して若いベンチャーに対し経営指導をする
金も出すが口も出すプロの投資家です。
彼らが200万円の税額控除に魅力を感じるとは思えません。
投資額全額を所得控除できるようにすれば
プロのエンジェルを呼び込むことができると思うのですが。

by yasukiyoshi | 2007-08-22 08:28 | 税制


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