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2007年 08月 24日

三越と伊勢丹、経営統合を正式発表・業界首位に

百貨店業界4位の三越と同5位の伊勢丹は23日、来年4月1日付で持ち株会社「三越伊勢丹ホールディングス」を設立し、経営統合すると正式発表した。

http://www.nikkei.co.jp/news/sangyo/20070824AT2F2303P23082007.html

(CFOならこう読む)

あたかも経営統合が正式に決定したような報道ですが、
統合は11月下旬の臨時株主総会により決定されます。

先日もお話しした通り、1:0.34の統合比率はプレミアムが10%にも届かず、
三越株主がこの水準で統合に賛成するかどうかは不透明です。

そもそもホールディングカンパニーの下に
2社をぶらさげる経営統合とは極めて日本的な手法で、
売り手・買い手を明確にしないまま統合することを可能にします。

しかしこの統合の本質は、
買収危機に直面した三越経営陣が
自己保身のため伊勢丹にホワイトナイトになってもらった
というところにあります。

ですからこれは統合ではなく
三越の伊勢丹への身売りなのです。
身売りの場面における三越経営陣の最も重要な仕事は、
株主のためにいかに会社を高く売るかにつきます。

しかし昨日の記者会見で三越の石塚社長の口からこういった
責務があることを自覚しているような発言はまったくありませんでした。

去年まではそれで良かったかもしれません。
が時代は変わったのです。
そのことに気づいていない経営者はあまりに感度が低すぎます。

三越の個人株主比率は約4割を占めます。
臨時株主総会で統合を決めるには3分の2以上の賛成を必要とするので、
個人株主が全員反対すれば統合は成立しません

ですから経営統合が可決されるかどうかは
まったく不透明であると言わざるを得ないのです。

また三越の3000億円とも言われる含み益を狙った第三者が
三越にTOBをかけてくることも十分に考えられます。
そのとき三越経営陣は「濫用的買収者」であると
その第三者に対し買収防衛策の発動をできるとでも思っているのでしょうか。

三越はすでに売りに出たのです。

高く買ってくれる相手を経営陣が否定することは断じてできません。
TOBに応ずるか否かは株主の判断に委ねられるのです。

いずれにしても11月下旬の臨時株主総会まで
紆余曲折がありそうです。

三越株を1000株買ってドラマに主人公として
参加するのも楽しいかもしれませんよ。

by yasukiyoshi | 2007-08-24 09:09 | M&A


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