吉永康樹の CFOのための読みほぐしニュース

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2007年 09月 10日

経済小説 『挑戦 巨大外資』 (高杉良 著・小学館)

挑戦 巨大外資 上
高杉 良

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小学館 2007-08-23
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【CFOならこう読む】

珍しくCFOが主人公の小説なので結構期待して読みましたが、単なる立身出世物語で全くの期待はずれでした。
唯一主人公である池田岑行がCFOの役割について主張している場面が印象に残ったのでこれを少し紹介します。
①経理マンは経理マンである前に、ビジネスの目標、マーケティング、経営者の役割などを充分に理解したビジネスマンであるべきだと考える。
②長期的な観点からの利益達成を考え、単にコスト削減に走ると会社を間違った方向へ導くことになる。
③経営者の意思決定に必要な情報の提供こそが、経理の重要な役割であり、経理マンは、経営者が会社全体の観点から、効率的にタイミングよく、正確な意思決定ができるようにアドバイスすることが大切である。
④経理は、それ自体では直接的には利益を産み出すものではないので、経理など間接部門(スタッフ)の組織は、機能する限りにおいて、なるべく小さく、コストのかからないものであるべきだ。
またその組織は硬直的であってはならず、事業の目的によって弾力的に変化しなければならない。

これを読んで私は元ディズニーのCFOゲーリー・ウイルソンを思い出しました。ゲーリー・ウイルソンはアメリカを代表するスーパーCFOであると同時に、ステファン・ボーレンバッハを始め数多くの優秀なCFOを育てたことでも有名です。1990年ハーバードビジネスレビューのインタビューの中で、ゲーリー・ウイルソンは自身を「私は財務の専門家というより、むしろ財務に強い企業戦略家だと思っています」と語っています。

池田岑行とゲーリー・ウイルソンは基本的に同じことを言っているように思います。そしてこれからのCFOにとってこのような意識付けこそが重要なのだと思います。正確に記録し、正しくディスクローズするだけでは足りないということを認識すべきです。

ちなみに、ハーバードビジネスレビューのインタビューのタイトルは、“財務トップは価値創出者であれ”です。
ゲーリー・ウイルソンの創造的財務手法が幾つも紹介されていてなかなか役に立つので、機会があれば読んでみてください。

by yasukiyoshi | 2007-09-10 08:55 | 最適資本構成


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