2007年 09月 13日

「国民の信頼得られず」19日にも総裁選出・首相辞任表明

首相は後継総裁が決まり次第、内閣総辞職する。
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20070912AT3S1203I12092007.html

(CFOならこう読む)

これが米国大統領の話だとしたら、大きな混乱を招くのでしょうが、
日本のトップはもともとリーダーシップを発揮することを
その組織の構成員から期待されていないので、
トップはただの飾りにすぎない場合がほとんどです。
これが日本の組織の大きな特徴なのです。
ですから安倍さん辞任を受けて政局は多少混迷したとしても、
実態経済にはほとんど影響なく、日本株、長期金利、為替への影響も限定的でしょう。

このことはほとんどの日本企業でも当てはまるのではないでしょうか。
オーナー企業を除き、代表取締役社長が突然辞任してもほとんどの企業は何の影響もないはずです。
つまり日本企業の真の権力者は、その構成員である従業員なのです。
稟議書をグルグル回す決裁の仕方がこれを象徴しています。
ですから必然的に経営者は従業員の利益を最も重視することになります。
従業員からみればほとんどの買収者が濫用的な買収者になります。
そう考えるとブルドックやTBSの対応に合点が行きます。
株主価値創出を第1に仕事をすることを強いられるなんて到底受け入れられないのです。

そうすると米国のルールを日本にそのまま移植してもうまく行くはずがありません。
一方米国型の市場資本主義は、国境など軽がると乗り越えわが国にも押し寄せてくるので、
日本の独自性なぞいくら主張しても理解してもらえません。
ここに大きな軋轢が生じ多少の混乱が今後起きてくるでしょう。

しかし米国型の市場資本主義の波は強大でとても逆らうことはできません。
つまり少なくとも日本企業においては、
従業員(構成員)支配の構造は近い将来終焉を迎えるのです。
終身雇用制の崩壊はこの流れを象徴しています。
市場資本主義はすべてのステークホルダーの利益の最大化を要求するので、
企業のトップは従業員の利益を最重視するわけにはいかなくなります。

そこでトップに要求されるのは自分で考え、
自分で決め、自分で責任をとるといった強力なリーダーシップです。
そして日本企業のコーポレートガバナンスのありかたも変わらざるを得ないのです。

それにしても安倍さんの辞任のニュースを聞いて日本企業のコーポレートガバナンス
について考える自分自身に少し驚いてしまいます。

by yasukiyoshi | 2007-09-13 09:07


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