吉永康樹の CFOのための読みほぐしニュース

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2007年 10月 05日

横行する有利発行 アライヴ、低い価格の予約権

投資家に対し、証券取引所が名指しで「要注意」を告知する公表措置制度。東京証券取引所によるマザーズ上場のモックへの初適用が注目されたが、実はさらに2ヶ月も前に国内初の適用となった企業がある。ヘラクレス上場のマンションリフォーム会社、アライヴコミュニティだ。
(2007年10月5日 日経新聞16面空費される資本)

【CFOならこう読む】
アライヴが採用したのは、新株予約権の発行と10:1の株式併合組み合わせた手法です。予約権は発行済株式数の3倍相当であり、モックのように株式併合により授権枠を増やし、会社法規程の授権枠(発行済株式数の4倍が限度)を超えて大きな希薄化を伴う数量の予約権を発行したものではありません(http://cfonews.exblog.jp/6422299/)。

アライヴの場合は、行使価格を株式併合前の価格を参考に決定しているところが問題となります(@20,000円)。株式併合後の理論株価は株式併合前の10倍になるので、この新株予約権の行使価格は時価の90%ディスカウントした価格に相当します。実際併合前である8月27日の株価は19,500円でしたが、併合の効力発生後の9月3日には193,000円になっています。

アライヴはこの新株予約権を@1円で発行しています。プレスリリースでは発行価格の根拠を次のように説明しています。
「割当先との資本・業務提携等により当社が享受する企業価値の増大を考慮した上で、当社の株価推移の状況から一般的な価格算定モデルであるモンテカルロ・シミュレーション又はブラックショールズ・オプション・プライシング・モデル等による算定は適切でないと判断いたしました。また、当社の2期連続して多額の最終赤字を計上した結果の財務状況と、今後の「中期経営計画」が実現しなかった場合の業績見通しなどを踏まえ、今回の割当先2社のリスクを勘案しましたが、本新株予約権の発行価額を決定する合理的な根拠を得られなかったため、やむを得ず1株につき1円とし100円を本新株予約権の1個当たりの払込金額といたしました。」

本源的価値だけで18万円あるはずのものを“やむをえず”1円で発行することの理由はどこにも書かれていません。プレスリリースから透けて見えるのは、有利発行の総会特別決議を経るのだから問題ないだろう、という開き直った姿勢です。

株主総会の特別決議は万能なのでしょうか?
ブルドック・スティールの件でもこのことを考えさせられました。

実は、今日お話ししたかったのはこのことなのです。ですが、もうアップする時間が来てしまいました。続きは明日お話しします。

【リンク】
株式会社アライヴ コミュニティ
http://www.alive-com.co.jp/ir/index.html

第三者割当による新株予約権の発行に関するお知らせ(PDF)
http://www.c-direct.ne.jp/japanese/uj/pdf/10101400/00062242.pdf

PS:
gonchan様、ご丁寧にありがとうございます。ブログも拝見いたしました。
シティ・グループの現状がよくわかる内容で勉強になりました。

by yasukiyoshi | 2007-10-05 08:57 | 資金調達


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