吉永康樹の CFOのための読みほぐしニュース

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2007年 10月 16日

中小の相続税8割軽減・非上場株事業承継、雇用維持など条件

中小企業の後継者の相続税負担を軽減する「事業承継税制」について、政府・与党が2008年度税制改正で導入を目指す制度拡充案が明らかになった。非上場の同族会社株を相続する場合は、課税価格を8割減額する。従業員の8割以上の雇用維持などを条件にする。後継者難の中小企業の廃業を食い止め、雇用機会の確保と固有技術の継承につなげる狙いだ。 http://www.nikkei.co.jp/news/main/20071016AT3S1501S15102007.html

【CFOならこう読む】
以下の要件のもと、非上場株の相続税が8割軽減されるという内容の政府・与党案です。
①5~7年の事業継続
②従業員数の8割以上を雇い続けること
③政府による事業計画の承認
④税務当局に事実実態を毎年報告

方向性としては正しいと思いますが、優遇対象拡大案が盛り込まれていないのが不満です。現行の事業承継税制では優遇対象は相続税評価額ベースで時価総額20億円未満で親族だけで5割超の株式を保有している中小企業に限られています。

この20億円未満という制限は撤廃されるべきです。日本では、中小企業株式の相続税があまりに過大なので、相続税を支払うための換金性を確保するために新規上場する会社が昔から多くあります。しかし、一般投資家にとってみると、これは迷惑な話です。

こういう会社は安定したキャッシュフローを獲得する能力に優れているものの、半面成長性に欠けることが多いのです。こういう株式は、株式ではなく債券の性格が強く新興市場に上場させるべきものではありません。また、相続税対策で上場する会社は、上場後株価を上げる誘引が働かず、業績が低迷するケースを少なからず目にします。これは一般投資家との間で重大なコンフリクトがあることを意味します。

昨年(平成18年)JASDAQに新規上場した56社のうち26社が純資産額20億円超となっています。事業承継税制の適用対象を時価総額20億円未満に限定するという制限が撤廃されれば、この数はかなり減ってくるはずです。

少なくとも成長株だと誤認しナルミヤ・インターナショナル株をつかまされて大損する一般投資家を、いくらかは減らすことができるはずです。
(詳しくは筆者がダイヤモンド経営者倶楽部のHPに書いたコラムを御覧下さい。ちなみに私がこのコラムを書いたのは平成18年7月です)

【リンク】
主要株主である筆頭株主の異動に関するお知らせ(PDF) 株式会社ナルミヤ・インターナショナル
http://ir.eol.co.jp/EIR/3364?task=download&download_category=tanshin&id=487160&a=b.pdf


by yasukiyoshi | 2007-10-16 08:40 | 税制


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