吉永康樹の CFOのための読みほぐしニュース

cfonews.exblog.jp
ブログトップ | ログイン
2007年 11月 08日

買収防衛策としての転換社債型新株予約権付社債の発行―オートバックスセブンのケース

オートバックス、大株主がCB発行差し止めの仮処分申請
オートバックスセブンは7日、同社が発行を予定していた新株予約権付社債(転換社債=CB)について、大株主の英投資会社が6日付で東京地方裁判所に発行差し止めの仮処分を申し立てたと発表した。
http://www.nikkei.co.jp/news/sangyo/20071107AT2D0700907112007.html

【CFOならこう読む】
英国の投資ファンドシルチェスターインターナショナルによる買収の脅威に対抗するために転換社債型新株予約権付社債の発行に踏み切ったものと思われます。本転換社債型新株予約権付社債の新株予約権が行使されると、引受先2社合計で36%の株式シェアを有することになります。

シルチェスターインターナショナルはこれを有利発行及び不公正発行であると主張し、社債発行差止の仮処分の申し立てを行いました。会社は、本社債による調達金額648億円の使途を、事業ポートフォリオ再構築のために行われる予定の将来のM&Aのため、としています。

現に支配権に争いが生じている場面で行われるエクイティファイナンスは、それが主に資金調達目的のために行われるものか、支配権維持(取得)のために行われるものかのいずれであるか裁判所が判断し、後者であると認められる場合にはそのエクイティファイナンスは差し止められることになります(主要目的ルールといいます)。

本件の場合、差し迫って資金需要があるわけではないと思われますが、一方支配権に争いが生じているのかどうか外部からはよくわからないので、現時点で裁判所の判断がどうなるかは不透明です。しかしもり“将来のM&A”が主要目的ルールとして認められるなら、企業価値研究所は即刻解散し、日本では買収防衛策は何でも認めるということにすれば良いと私は思います。

【リンク】
2007年10月26日「第三者割当により発行される無担保転換社債型新株予約権付社債の募集に関するお知らせ」株式会社オートバックスセブン
http://www.autobacs.co.jp/seven/release/news.php?id=939&PHPSESSID=f4a51cbad8df6bdce98f6de2d10a561c

2007年11月7日「当社に対する新株予約権付社債発行差止仮処分の申立てに関するお知らせ」株式会社オートバックスセブン
http://www.autobacs.co.jp/seven/release/news.php?id=944


by yasukiyoshi | 2007-11-08 08:17 | M&A


<< 買収防衛策としての転換社債型新...      株式交換比率の決め方―シティ・... >>