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2007年 11月 15日

株式交換比率の決め方―シティ・日興のケース

米シティ、日興株式との交換価格条件を緩和
米シティグループは14日、来年1月に三角合併方式で完全子会社化する日興コーディアルグループとの株式交換条件を一部見直すと発表した。シティの株価が下落しており、この先も株価低迷が続けば、日興の株主が株式交換で受け取るシティの株数が当初想定よりも少なくなってしまう可能性が出ていた。シティは日興の株主に配慮、株価が下落しても本来交換できる1700円相当のシティ株を受け取れるように条件を変更した。
http://www.nikkei.co.jp/news/past/honbun.cfm?i=AT2C1403Y%2014112007&g=MH&d=20071114

【CFOならこう読む】
日興株1株に対して1700円相当のシティ株が割当てられますが、これまでの条件は、2008年1月15日~17日のシティの平均株価が37ドル~58ドルの範囲に収まることが前提で、市場株価が37ドルを下回っても37ドルとみなして算出し、逆に58ドルを上回っても58ドルとみなして算出することになっていました。

すでに何度かお話ししているようにサブプライム問題の影響を受け、シティの市場株価は急落しており、先週一時32ドルを割り込む事態となっています。そこでシティと日興は急遽条件を変更し、上限と下限を撤廃し、いくらであっても15日~17日の平均株価により割当て株数を決定することとしました。

株式交換比率の決定は、両社の株主のシェアを決定することに他ならず、日興・シティのケースでは、シティの市場株価が下落すればするほど日興株主のシェアが上昇するような設計になっています。

何らかの外部要因により一時的に市場株価がファンダメンタルズ価値と乖離することがあり得るので、交換比率の上限と下限をあらかじめ設定しておくことに一定の合理性があると私は思います。

シティとの比較で見ると日興の株主価値は圧倒的に小さいので、いずれにしてもダイリューションは軽微であると考えられるので、今回の条件緩和がシティ側で容認されるのでしょうが、日興にもう少し存在感があれば今回のディールは一旦白紙になったかもしれませんね。

【リンク】
平成19年11月14日「株式交換契約の変更に関するお知らせ」株式会社日興コーディアルグループ
http://www.nikko.jp/ICSFiles/afieldfile/2007/11/14/071114.pdf


by yasukiyoshi | 2007-11-15 08:57 | M&A


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