吉永康樹の CFOのための読みほぐしニュース

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2007年 12月 15日

英運用会社など9社が連携「日本企業、株主重視を」

英国の大手運用会社や年金基金など9社が「日本フォーカスグループ」と呼ぶ自主組織を創設し、日本企業に対して企業統治(コーポレートガバナンス)改革を求め始めた。主要メンバーのレイルペン・インベストメンツの企業統治責任者、フランク・カーティス氏に狙いを聞いた。
(日本経済新聞2007年12月15日 13面)

【CFOならこう読む】
来年の株主総会にかけて焦点は、との質問に対しフランク・カーティス氏はこう答えています。
「取締役会に社外出身者の比率を増やすよう求めている。最低15%は株主を代表する独立した社外取締役が望ましい。英国企業には過半を求めているが、日本で一足飛びは難しいだろう。すでに取締役会の過半を社外から起用する方針のエーザイを高く評価する」
昨日大学院の講義でお話ししたように、日本企業があるべきコーポレートガバナンス構築する上で、社外取締役の果たす役割は非常に重要であると思っています。

会社法の法改正等にも強い影響力を持っている日本コーポレート・ガバナンス・フォーラム(落合誠一教授、上村達男教授、鈴木忠雄メルシャン相談役らが理事を務める)が公表している「新コーポレート・ガバナンス原則 2006年12月15日」は社外取締役の要件を次のように規定しています。
「社外取締役は、会社法上の社外取締役の要件を充足するだけでなく、その役割に相応しい実質的な独立性を具有することが求められる。したがって、親会社や主要な取引先等の取締役または使用人が子会社、特に上場会社の社外取締役を兼務すること、取締役の相互派遣等はこれを避けるものとし、社外取締役の就任期間は原則として5年を超えない」
そして実質的な独立性として、日本取締役協会・社外取締役委員会「独立取締役コード(2005年10月13日)を参照のこととしています。
その「独立取締役コード」は、実質的独立性に疑義がある者としてつぎのような具体例をあげています。
「実質的独立性に疑義がある者①大株主又はその利益を代表する者、②経営者又は従業員である(あった)者、③グループ会社の経営者又は従業員である(あった)者、④重要な取引関係がある(近い過去にあった)別の会社の経営者又は従業員である者、⑤当該会社のアドバイザーとして、取締役としての報酬以外に高額の報酬を受け取っている(近い過去に受け取っていた)者、⑥上記のいずれかに該当する近親の親族を有する者、⑦会社間における取締役の相互兼任がある場合の取締役である者、⑧当該会社の取締役に就任してから、すでに長期間が経過している者」
エーザイの場合、11名の社外取締役のうち7名を社外取締役が占めています。
社外取締役のうち東京三菱銀行の元専務が上の要件にひっかかる可能性がありますが、その他の方は実質的に独立であるように思います。

コーポレートガバナンスは経営の目的でなく、あくまで価値創造の手段であるのですから、「社外取締役」が機能しているかどうかを、資本市場は厳しく監視して行くことが望ましいと思います(官に委ねるという意味ではありませんよ)。

【リンク】
日本取締役協会
http://www.jacd.jp/report/report.html

「新コーポレート・ガバナンス原則」日本コーポレート・ガバナンス・フォーラム
http://www.jcgf.org/jp/CGPrinciple20061215.pdf

「第95期有価証券報告書」エーザイ株式会社
http://www.eisai.co.jp/pdf/ir/sec/pdf26fr.pdf


by yasukiyoshi | 2007-12-15 10:06 | コーポレートガバナンス


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