2008年 01月 17日

ソリッドGH 債権120億円回収も リーマン損失発生か

ソリッドグループホールディングス(ソリッドGH)は経営破綻した元親会社のソリッドアコースティック社(SA社)に融資した120億円を回収できる可能性が出てきた。
SA社はリーマン・ブラザーズ証券からの融資金150億円の担保に、ソリッドGHからの寄託金120億円とソリッドGH株過半数の引渡し請求権を充てていた。だが、SA社は融資金弁済が困難となり、昨年6月に担保の120億円がリーマンに渡った。 昨年12月に破産したSA社の管財人は破産法の否認権に基づき、リーマンとの担保契約を無効にする可能性が大きい。無効となった場合、リーマンは120億円をSA社側に戻すことを義務付けられる。

(2008年1月16日日経金融新聞5面)

【CFOならこう読む】
買収対象会社の現預金を返済原資とするLBOの場合、買い手(又は買い手が設立したSPC)と買収対象会社が合併することにより買収のための借入金を買収対象会社の資産及び将来キャッシュフローにより返済するケースが多いのですが、この案件では何らかの理由でそれが出来ず、CMS(キャッシュマネジメントシステム)により買収対象会社であるソリッドGHの現預金120億円を親会社のSA社に引っ張り、これに担保権を設定することでリーマンは融資金の返済を受けるというスキームを選択しました。

ところが融資先(SA社)が破産した場合担保契約が無効になる可能性があり、その場合リーマンは120億円をSA社に戻さなければならない、というのがこのニュースの趣旨です。これが事実だとするとリーマンは120億円だけに留まらず、昨年12月にケン・エンタープライズが実施したソリッドGHへのTOBの買付価格26円とTOB応募のためのリーマンがソリッドGH株をSA社から取得した12月22日の終値45円との差額20億円もSA社に支払わなければなりません。

これは完全にビジネスプランニングの失敗です。そしてリーマンのような経験豊富な投資銀行も間違えることがあることをCFOは肝に銘じておくべきでしょう。

【リンク】
平成20年1月15日「当社提起の訴訟の中断に関するお知らせ」株 式 会 社 ソ リ ッ ド グ ル ー プ ホ ー ル デ ィ ン グ ス
http://www.solidgroup.co.jp/ir/images/20080115000001.pdf
【関連過去記事】
2007年 12月 12日「ディスカウントTOBーソリッドGHのケース 」
http://cfonews.exblog.jp/6930644/

2007年 12月 28日「元ソリッドグループホールディングスの親会社、ソリッドアコースティックス社破 」
http://cfonews.exblog.jp/7008514/


by yasukiyoshi | 2008-01-17 09:43 | M&A


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