吉永康樹の CFOのための読みほぐしニュース

cfonews.exblog.jp
ブログトップ | ログイン
2008年 02月 04日

エクスチェンジテンダーオファー(自社株対価のTOB)が日本で出来ない理由

NY株の続伸、ヤフーへの買収提案を好感
【ニューヨーク=財満大介】1日の米株式相場は続伸。ダウ工業株30種平均は前日比92ドル83セント高の1万2743ドル19セントで取引を終えた。マイクロソフトによるヤフーへの買収提案を受け、株式市場にM&A(合併・買収)資金が流入するとの期待が高まった。ただ、1月の雇用統計が弱含んだ影響で上昇幅は限られた。
http://www.nikkei.co.jp/kaigai/us/20080202D2M0200M02.html

【CFOならこう読む】
先週ヤフーがマイクロソフトの買収提案を拒否した場合、TOBを行うこともあり得るとの報道がありました。その場合エクスチェンジテンダーオファー(マイクロソフト株式を対価としたTOB)を行う可能性があります。ところが日本では税制の問題があり、エクスチェンジテンダーオファーを行うことができない、というお話しをしました。税制の問題は確かに大きいのですが、実は会社法も実質的にエクスチェンジテンダーオファーを行えないような規定になっているのです。具体的には次の通りです。

(1)現物出資
買い手は買収対象会社株式を受入資産とする増資を行うことになり、これ自体現物出資とみなされる。現行会社法は、受入資産が時価のある有価証券である場合検査役検査は不要としていますが、これは対価として受領する有価証券の市場価格が十分な場合に限定されるので、プレミアムの支払いが前提となるTOBの場合問題となり得る。時価20ドルのヤフー株式を時価31ドル相当のマイクロソフト株式で取得するなら、マイクロソフトは31ドルの増資に見合う資産(ヤフー株式)を取得していないことになります。

(2) 有利発行
買い手がプレミアムを支払って買収対象株式を取得した場合、新株を特に有利な価格で発行したとみなされる可能性があり、株主総会の特別決議を要する。時価20ドルのヤフー株式を時価31ドル相当のマイクロソフト株式で取得するなら、マイクロソフトは自社株式を有利な価格でヤフー株主に交付したことになります。

エクスチェンジテンダーオファーが出来れば、株主価値を創造するようなTOB実行の機会が増加するはずです。これを阻害する制度は直ちに改正することを望みます。

【リンク】
 なし

by yasukiyoshi | 2008-02-04 08:06 | M&A


<< サッポロ・スティール      米マイクロソフト、ヤフーに総額... >>