2008年 02月 06日

JT、日清、加ト吉が冷食統合計画を解消

JT、日清、加ト吉が冷食統合計画を解消・ギョーザ事件が影響
日本たばこ産業(JT)、日清食品、加ト吉は6日、3社による冷凍食品事業の統合計画を解消すると発表した。中国製冷凍ギョーザの中毒事件の発覚で、統合作業を進めるのは困難と判断した。JTはTOB(株式公開買い付け)により93.88%を取得した加ト吉の100%子会社化は予定通り実施する。
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20080206AT3K0600606022008.html

【CFOならこう読む】

今朝私の家に届けられた朝刊(13版)では、JT・日清冷凍事業統合凍結と報じられていましたが、正式に解消が発表されました。

事業統合は次のように進められる予定でした。
2007年12月 JTがTOBにより加ト吉株式を93.88%取得
2008年3月  加ト吉を100%子会社化
その方法はプレスリリースでは次のように説明しています。
「加ト吉は、その発行する全ての株式を全部取得条項付株式に変更した上で、その株式の取得と引替えに加ト吉の新たな株式を交付します。かかる交付に際して加ト吉はJT に対して加ト吉株式を交付し、JT 以外の加ト吉の株主に対して交付する加ト吉株式の数が1 株に満たない端数となるよう決定し、JT 以外の加ト吉の株主には当該端数の合計数を売却することによって得られる金銭を交付する方法により、加ト吉をJT の100%子会社とすることを予定しています。この場合の1 株に満たない端数の株主に対し交付される金銭の額については、特段の事情がない限り本件公開買付けの買付価格を基準として算定する予定です。」

2008年3月 JT保有の加ト吉株式のうち49%を日清に譲渡
2008年4月 JT と日清食品の冷凍食品事業を、両社の加ト吉に対する前記議決権保有割合に変動を及ぼさない方法により加ト吉に移管(具体的な方法については明らかにされませんでしたが、会社分割又は事業譲渡によるものと予想されていました)
今日発表されたのは日清による加ト吉株式の取得及び加ト吉への事業譲渡の中止でした。JTによる加ト吉の100%子会社化は予定通り行われるとのことですが、JTから加ト吉への事業譲渡が行われるかどうかはわかりません。

解消の理由を日清は次のように説明しています。
「この度、本件統合対象であるJTの子会社が輸入販売する冷凍食品の一部に殺虫剤が混入したことが原因と疑われる健康被害事例が発生し、食の安全・安心を揺るがす事態に至りました。当社は、かかる事態の発生を踏まえ、本件統合に責任をもって取り組むための体制、方針等の見直しを含め真摯に協議し、安全性確保のため全面的に協力することを提案して参りましたが、協議の結果、本件統合を遂行することは困難との結論に達し、三者合意の上これを解消することといたしました。」
また、JTは次のように説明しています。
「加ト吉、日清食品、JT の3 社で協議をした結果、当社冷凍食品に端を発した現下の情勢に鑑み、当該基本契約にかかる日清食品との関係を、3 社合意の上、解消することを決定しました。」
日清の冷凍食品事業の売上高は150億円程度に過ぎず、統合により得られるプラスのシナジー価値より、統合による日清ブランド毀損の可能性等マイナスの影響が大きいと判断したものと思われます。M&Aでは止める意思決定が最も難しくかつ最も重要です。そういう意味で今回の日清の判断を私は支持します。

【リンク】

2007年11月22 日「加ト吉、JT 及び日清食品における冷凍食品事業の統合について ~冷凍食品事業を中核とするグローバル食品メーカーを目指して~」
http://www.jti.co.jp/News/2007/11/20071122_01.pdf

2008年2月6日「冷凍食品事業の統合の解消等に関するお知らせ」日清食品株式会社
http://cache.nissinfoods.co.jp/com/ir/library/pdf/new_080206.pdf

2008年2月6日「冷凍食品事業統合における日清食品株式会社との関係解消について」日本たばこ産業株式会社
http://www.jti.co.jp/News/2008/02/080206_JT_Frozen_Press_Release_J.pdf


by yasukiyoshi | 2008-02-06 10:26 | M&A


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