吉永康樹の CFOのための読みほぐしニュース

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2008年 02月 26日

反対株主の株式買取価格ーシティ・日興のケース

日興コーディアルグループが、米シティグループとの三角合併に反対した株主に対し、一株当り1650円で日興株を買い取る方針を伝えたことが分かった。賛同した株主に適用された評価額1700円を下回る。日興は株主との間で月内の合意を目指す。
三角合併に反対した株主は29の個人や機関投資家で、会社法に基づいて株の買い取りを日興に求めている。
株式は計1240万株(発行済株式総数の1.3%)で、買取総額は約200億円になる見通し。合併を実施した1月29日から30日以内にあたる月内に日興と合意できない場合、株主は東京地方裁判所に価格決定を申し立てることができる。

(2008年2月25日 日本経済新聞 夕刊 3面)

【CFOならこう読む】
会社法は合併や株式交換の際の株式買取請求を「公正な価格」によることとしています。これは旧商法が「合併等がなければ当該株式が有していたであろう価格」としていたのと異なり、シナジーも反映したものでなければならないという趣旨であると解されています(株式会社法 江頭憲治郎 有斐閣 776ページ)。

一般に合併や株式交換の場合に合併比率や株式交換比率が公表されるのみで、買収側が被買収会社の株式をいくらで評価したかは公表されません。したがって「公正な価格」について争いが起きることも多々あるのです。

ところがシティ・日興のケースではシティ側が一貫して日興株式の株価を1700円で評価していましたので「公正な価格」は1700円であることに議論の余地はないと思います。にもかかわらず反対株主の株式買取価格を1650円とした真意はどこにあるのでしょうか?

リリースがないので推測するしかないのですが、三角合併に反対せず日興株式1株と引き換えにシティ株式0.602株を受け取って現に持っている株主との公平を考慮した結果なのかもしれません。

1月22日のシティ株価は終値ベースで25.12ドル、円ドルレート107.21円でしたので、これを使って計算したシティ株式0.602株の価格は、25.12×107.21×0.602=1,621円となります。
これだったら1650円でもおかしくないですかね。

【リンク】
 なし

by yasukiyoshi | 2008-02-26 10:11 | M&A


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