2008年 03月 01日

JFEのCBその2

JFE株が逆行高 CB発行・自社株買い材料に
29日の東京株式市場でJFEホールディングスが逆行高になった。28日に発表した3000億円の新株予約権付社債(転換社債=CB)発行と1200億円の自社株買いが材料。約1800億円分を高級鋼の生産設備増強などに使うことが評価されたようだ。
(2008年3月1日 日本経済新聞 17面)

【CFOならこう読む】
昨日お話ししたようにこのJFEのCBは買収防衛策としての性格があるのですが、それについては、市場は否定的に捉えていないようです。また希薄化効果についても株価には現れていません。この理由は次の2つ考えられます。

一つは、希薄化効果を上回る増益が見込まれると市場が評価しているため、もう一つは、転換価格が非常に高いところに設定されており、株式への転換は行われていないと投資家が考えているため

私は二番目の理由による部分が大きいと考えています。転換価格は8530円と28日終値4730円より約8割高い水準に設定されていること、及び「現金決済条項」と呼ぶ条件を付け加えることで希薄化を一定程度に抑えたことが功を奏したのでしょう。ところで、「企業会計基準第2号 1株当たり当期純利益に関する会計基準」はCBのような転換証券の潜在株式調整後1株当たり当期純利益の計算は、期首の時点で全て転換が行われたと仮定して行われます(期首に存在する転換証券の場合)。

ワラントの場合、期中平均株価はワラントの行使価格を上回る場合にのみ希薄化効果を認識します。つまり同じオプションでありながら両者の取扱いは会計上異なるのです。JFEのCBは転換証券ですので、行使価格がどれだけ現状の株価に比し高い水準に設定されていようと、会計上は希薄化効果を見ないといけないのですが、市場は希薄効果はないと見ている、すなわち希薄化効果がないワラントとして見ているのかも知れません。そうであるなら今の転換証券に関する会計上の取扱いはミスリードに繋がる可能性があり問題があると私は思います。

【リンク】
 なし

by yasukiyoshi | 2008-03-01 08:42 | 資金調達


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