吉永康樹の CFOのための読みほぐしニュース

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2008年 03月 11日

時間外取引による自己株取得ーアッカ・ネットワークスのケース

買いたいのに門前払い
米国景気の不透明感から、10日には東京のほか、中国やインドの株価指数も年初来最安値を更新した。日経平均株価の昨年7月高値からの下落率は31.4%。買い手が不在なのでなない。買いたくても買えないのが問題なのだ。
「株式を取得する機会が奪われた」。電話線を使ったデジタル高速通信のADSL事業大手、イー・アクセスの千本倖生会長は憤っていた。同業のアッカ・ネットワークスを買収する構想が宙に浮いたからだ。
というのも、アッカは6日夕、「翌朝に自己株を買い付ける」と発表。予定通りに7日午前8時45分、ジャスダック証券取引所の時間外取引で三井物産が保有する10.3%を買い取ってしまった。イー・アクセスは6日夕から、「当社も買いたい」とジャスダックに伝え、証券会社三社に買い注文の取り次ぎを依頼した。しかし、みんな門前払いだったという。
イー・アクセスはアッカの11.8%を持つ筆頭株主で、株式買い増しの機をうかがっていた。アッカはイー・アクセスを嫌っているから、もめたかもしれないが、「大量の株式が実質的な相対取引で動くのは、日本市場の不透明さの表れだ」と千本会長。

(日本経済新聞2008年3月11日 17面 一目均衡)

【CFOならこう読む】
ライブドア事件の際、裁判所は、東証の時間外取引ToSTNet取引を極めて形式的に、「東証が開設する有価証券市場における取引であり、証券取引法上の取引所有価証券市場における取引と認められる」としました。

ジャスダックの時間外取引も同様に市場内取引と解されています。自己株取得の場面では、取得を市場で行うか、市場外で行うかで手続きが異なります。会社が市場外で特定の株主から株式を取得する場合には、株主総会の決議を必要とするのです。

しかし時間優先の原則も、価格優先の原則も働かない、そもそも全くの相対取引で他人が取引に参加できないものが市場取引とされ、会社法の規制を免れるのは大きな問題だと私は思います。

記事にもある通り、もともとこの制度は持ち合い解消の円滑化が目的でした。持ち合い解消がある程度進んだ現在においてその役割はすでに終えたと私は考えます。

【リンク】
平成20年3月6日「固定価格取引による自己株式の買付けに関するお知らせ」株式会社アッカ・ネットワークス
http://www.acca.ne.jp/ir/info/080306_1.pdf


by yasukiyoshi | 2008-03-11 08:53 | 自社株取得


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