2008年 03月 12日

33.3%という持株比率ーイオン・CFSのケース

イオン、CFSに副社長を派遣・石田社長は取締役も退任へ
イオンは11日、発行済み株式の15%を保有するドラッグストア大手、CFSコーポレーションの取締役副社長としてイオンの役員級を派遣する方針を固めた。CFS側はこれを受け入れ、石田健二会長兼社長は社長職だけでなく取締役も退く見通し。業績不振のCFSは経営再建を狙って調剤薬局大手のアインファーマシーズと経営統合を目指したが、イオンの反対で統合撤回に追い込まれた。今回の首脳人事により、CFSの再建をイオンが主導する体制が鮮明になった。
http://www.nikkei.co.jp/news/sangyo/20080312AT1D110BI11032008.html

【CFOならこう読む】
イオンのCFSに対するTOBに関する報道があったため、昨日は一時CFS株の売買が停止されるといった混乱も見られましたが、上記記事のように、

①石田健二社長は退任し取締役にも残らない
②石田健二氏の子息、石田岳彦副社長が社長へ昇格
③イオンが出資比率を33.3%に引き上げ、取締役副社長を派遣


といった方向性が示されました。

33.3%という出資比率は、現経営体制の枠組みを基本的に支持しつつ、大きな影響力を行使するとの意思表示であると思われます。33.4%ではなく33.3%であるというのがそういった微妙な意思を表しているのです。この点10日、スティールがサッポロホールディングスに対する株式保有の目標を66.6%から33.3%に引き下げたのも同様の趣旨でしょう。
(http://www.nikkei.co.jp/news/past/honbun.cfm?i=AT2C1000I%2010032008&g=S1&d=20080310)

しかし33.3%というのは十分に支配権を行使し得る比率です。にも関らず建前としては支配権を行使しないというのは、単に問題先送りで大きな火種を残すことになると私は思います。CFSの11日の定例取締役会で追加出資の方法が決まらず、調整が難航しているのはその証左でしょう。

今日の日経新聞の経済教室で上村教授が紹介しているように英国では「マンダトリーオファールール」といって、議決権ベースで30%以上の株式を取得した場合、対象会社の全株式に対して公開買付をする義務が課されています。これは30%を取得したなら他の株主は少数株主となり保護しなければならないという趣旨であり、30%の出資比率というのはそれくらい重いものなのです。中途半端な問題先送りは混迷を深めるだけだと私は思うのですが…。

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【リンク】
2008年 03月 11日 11:38 JST「CFSコーポレーション株の売買を午後零時30分から再開=東証」ロイター
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPJAPAN-30757520080311

by yasukiyoshi | 2008-03-12 09:49 | M&A


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