2008年 03月 22日

子会社株式、持分法適用会社株式の減損処理に伴うのれんの償却-三井不動産のケース

三井不の今期 帝国ホテル株下落で特損130億円 取得価格の半分以下 のれん代償却 必要に
三井不動産は21日、33%出資する持分法適用会社の帝国ホテルの株価が大きく下落したため、2008年3月期の連結決算で130億円の特別損失を計上する予定だと発表した。20年償却の予定だった帝国ホテルののれん代130億円の一括償却が必要になった。ただ本業の収益などで吸収し、連結業績予想は修正しなかった。
 三井不動産は昨年10月、1株8750円で帝国ホテル株を33%取得した。帝国ホテル株の21日終値では3970円で、評価損の計上が必要な、取得価格の50%以下に下落している。
単独決算で取得価格と時価との差額として関係会社株式評価損440億円と特別損失に計上。これに伴い会計ルール上、連結決算で取得価格と時価純資産の差額であるのれん代130億円についても一括償却しなければならなくなった。

(2008年3月22日 日本経済新聞 15面)
【CFOならこう読む】
金融商品会計に関する実務指針91項は、市場価格のある有価証券の減損処理について次のように規定しています。

「売買目的有価証券以外の有価証券(子会社株式及び関連会社株式を含む)のうち、市場価格のあるものについて時価が著しく下落したときは、回復する見込みがあると認められる場合を除き、当該時価をもって貸借対照表価額とし、評価差額を当期の損失として処理(減損処理)しなければならない。」
 「時価のある有価証券の価額が「著しく下落した」ときとは、必ずしも数値化するできるものではないが、個々の銘柄の有価証券の時価が取得価額に比べて50%程度以上下落した場合には「著しく下落した」ときに該当する。」
三井不動産の単体の財務諸表上、帝国ホテル株式を上記規定に基づき減損処理したものと思われます。

さらに、連結財務諸表における資本連結手続に関する実務指針32項(及び持分法会計に関する実務指針9項)はのれんの会計処理について次のように規定しています。
「親会社の個別財務諸表上、子会社株式(関連会社株式)の簿価に減損処理が行われたことにより、減損処理後の簿価が連結上の子会社の資本の親会社持分額と連結調整勘定未償却残高との合計額を下回った場合、その差額のうち、連結調整勘定未償却残高に達するまでの金額について償却しなければならない」(一部筆者加筆・修正)
この規定に基づき三井不動産は帝国ホテルののれん代130億円を一括償却することになったものと思います。
CFOとしては、子会社株式及び関連会社株式の減損処理を行うと同時に連結財務諸表上のれんの償却をせざるを得ない場合が少なからずあることに留意が必要です。

【リンク】
平成20年3月21日「特別損失の計上に関するお知らせ」三井不動産株式会社
http://www.mitsuifudosan.co.jp/corporate/ir/news/2008/pdf/news_080321.pdf


by yasukiyoshi | 2008-03-22 09:30 | 会計


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