吉永康樹の CFOのための読みほぐしニュース

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2008年 04月 01日

上場廃止基準ー上場時価総額

上場基準割れ12社 業績不振や不祥事響く
株式相場の低迷に加えて業績不振や不祥事などを理由に、時価総額が上場廃止基準近辺にまで減少する企業が目立っている。東京、大阪、ジャスダックの各証券取引所に上場する企業(大証ヘラクレス除く)のうち、3月末時点で時価総額が市場の上場廃止基準を下回る企業は12社あった。廃止基準をぎりぎり上回りながらも長期低迷する企業も多く、各社とも収益力の向上など上場廃止を回避する行動が求められる。
(2008年4月1日 日本経済新聞 18面)
【CFOならこう読む】
各市場の時価総額の上場廃止基準は次の通りです。

●東証1部、2部
10億円未満である場合において、9か月(所定の書面を3か月以内に提出しない場合は3か月)以内に10億円以上とならないとき又は上場株式数に2を乗じて得た数値未満である場合において、3か月以内に当該数値以上とならないとき

「上場時価総額」とは、月間平均上場時価総額(当取引所の売買立会における日々の最終価格に、その日の上場株式数を乗じて得た額の平均)又は月末上場時価総額(月末日における当取引所の売買立会における最終価格(最終価格がない場合は直近の最終価格)に当該末日における上場株式数を乗じて得た額)をいう。

●東証マザーズ
5億円未満である場合において、9か月(所定の書面を3か月以内に提出しない場合は3か月)以内に5億円以上とならないとき又は上場株式数に2を乗じて得た数値未満である場合において、3か月以内に当該数値以上
とならないとき

「上場時価総額」は東証1部、2部と同じ

●ジャスダック
5億円未満(猶予期間9ヶ月(所定の書面を3ヶ月以内に提出しない場合は3ヶ月)又は
上場株式数に2を乗じて得た数値未満(猶予期間3ヶ月)

●大証
5億円未満(注1)(注2)
(注1) 上場時価総額とは,月間平均上場時価総額又は月末上場時価総額いずれか低い額をいう。
(注2) 上場時価総額が5億円に満たない場合において,9か月(事業の現状,今後の展開,事業計画の改善その他当社が必要と認める事項を記載した書面を3か月以内に当社に提出しない場合にあっては,3か月)以内に5億円以上とならないとき。ただし,市況全般が急激に悪化した場合において,当社がこの基準によることが適当でないと認めたときの上場時価総額に係る基準については,当社がその都度定めるところによるものとする。

東証の上場審査の際の時価総額基準は20億円以上(マザーズは10億円以上)なのですから、上場廃止基準もこれと同じにすべきではないでしょうか? 売買高も少なく時価総額も小さい銘柄はどんどん上場廃止にすれば良いのです。一方上場審査は緩やかにすることで市場の銘柄はドンドン入れ替わる、新興市場は常に魅力的な商品(銘柄)を提供しなければ生き残れないのではないでしょうか? 最近の上場審査の厳しさを見聞きするにつれ、どうもやっていることが逆(入口は厳しく、出口は緩やか)であるように思えてなりません。

【リンク】
「上場廃止基準概要 (一部・二部)」東京証券取引所グループ
http://www.tse.or.jp/rules/listing/stdelisting.html

「上場廃止基準概要 (マザーズ)」東京証券取引所グループ
http://www.tse.or.jp/rules/listing/stdelisting_mo.html

「JASDAQ上場審査基準」JASDAQ証券取引所
http://www.jasdaq.co.jp/list/list_23.jsp

「上場廃止基準」大阪証券取引所
http://www.ose.or.jp/stocks/st_kahk.html



by yasukiyoshi | 2008-04-01 08:45


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