2008年 04月 03日
経営陣と株主対立の場合、監査役が仲介や調整・仕組み作り着手 東京証券取引所と日本監査役協会は、買収防衛策の導入などで経営陣と株主の利害が対立する場合に、監査役が第三者の立場で仲介や調整を担う仕組み作りに着手した。株主の利益を損ねかねない決定を経営陣が公表する際に、監査役の意見書添付を義務づけるルールなどを検討する。株主に適切な判断材料を提供し、経営陣の保身的な行動に歯止めをかける。 【CFOならこう読む】 監査役会設置会社では、監査役の半数以上は、「社外監査役」でなければならないと会社法335条3項は定めています。監査役が例えば第三者割当増資の場面で、その妥当性について調査、判断するなど、積極的に関与することを目指すとのことです。 現状監査役会設置会社が大多数であるので、監査役にもっと仕事をさせようということなのでしょう。構成員の過半数が「社外」であるので、一定の独立性が担保されているはずとの期待もあるのでしょう。ところで「社外」の要件は何でしょうか? 要件は、過去にその会社または子会社の取締役・会計参与・執行役・使用人でなかった者です。ところがその実態は、 ①親会社等関連会社の出身者、 ②取引金融機関の出身者 により大部分が占められており(日本監査役協会「監査役の活動実態と意識調査・結果報告書」)、これらが独立性の点で期待に合致した人選か否かは疑わしい(藤本直「社内監査役の機能とその充実」商事法務研究会)と言わざるを得ません。 それでは要件をもっと厳しくし、独立性の点で期待できる人選にしたらうまく行くのかというと、とてもそうは思えません。 取締役会とのパワーバランスが拮抗すればするほど、会社のガバナンスが混迷の度合いを深めると予想されるからです(実際そういう会社を見たことがあります)。私は以前からここでお話ししている通り、取締役会の改革を第一に進めるべきだと思っています。 【リンク】 なし
by yasukiyoshi
| 2008-04-03 08:53
| コーポレートガバナンス
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