2008年 05月 19日

「日本のコーポレートガバナンス白書」続報

【CFOならこう読む】
5月16日に当ブログで取り上げた、「ACGA(エイシアン・コーポレート・ガバナンス・アソシエーション)」のとりまとめ役、英ハーミーズ・ファンド・マネジャーズのシニアアドバイザー、マイケル・コナーズの単独インタビューが18日の日経ヴェリタスに掲載されていたので、その抜粋を紹介します。
-なぜいま提言を?
「カニフォルニア州職員退職年金基金(カルパース)やハーミーズなど世界の有力機関投資家が結集して提言するのは初めてだ。いかに海外の運用機関が日本企業のありように憤りを感じているかを示している」

-何が一番の問題ですか。
「昔はお金を貸した銀行が企業経営に規律を与えていた。将来は市場が規律を求めるだろうが、今は真空地帯。株主は企業の所有者ではなく利害関係者の1人にすぎないというステークホルダーズ資本主義はしょせん、経営陣の利益を守る煙幕であり、早晩、企業経営がゆがむ」

-資本主義のありようは国によって違うという考え方もあります。
「米国では市場が最優先、英国では株主利益が最優先だ。日本では経営者が第一に見える。日本企業は買収防衛策も相次いで導入しているが、発動の可否を経営陣が選んだ第三者委員会が決める仕組みは不公正だ」

-3人の社外取締役はなぜ必要なのですか。
「1人や2人では多勢に無勢だ。多くの企業では人材がうずもれている。社外取締役として他企業でどんどん活躍できるようにすればいい」

-ひ弱な企業統治が、企業経営にもたらす問題は何ですか。
「選択と集中の遅れと、過剰な資金をため込むことだ。5,6割の企業は非効率で、あるべき水準をはるかに下回る利益しか出せていない。世界で一番速く高齢化が進む日本では配当収入が極めて大切。経営陣が現金のうえにあぐらをかいている余裕はない」

過剰な資金も株価に反映されているなら問題はないのです。

企業価値-(有利子負債-余剰資金)=株主価値

ですから理論的には、余剰資金は株主価値を構成するのです。
ところが多くの日本の上場企業の株価にはこの余剰資金部分が反映されていません。これは経営陣がため込んだ現金を効果的に使うことができず、将来的には費消されると市場は見ていることに他なりません。このことを「経営陣が現金のうえにあぐらをかいている」と表現しているのです。

【リンク】
 なし

by yasukiyoshi | 2008-05-19 08:31 | コーポレートガバナンス


<< エクイティ・コミットメントライ...      2009年3月期の想定為替レート >>