吉永康樹の CFOのための読みほぐしニュース

cfonews.exblog.jp
ブログトップ | ログイン
2008年 05月 21日

ソフトバンク、無議決権優先株の発行を取りやめ

ソフトバンク、優先株の発行を一転取りやめ
ソフトバンクは20日、議決権がない代わりに普通株より配当を多く受け取れる「優先株」の発行準備を取りやめると発表した。同社は8日に優先株の発行準備に入ると発表していた。しかしその後、個人株主から、新株の発行による株価への悪影響などを懸念する声が寄せられ、配慮を余儀なくされたようだ。
http://www.nikkei.co.jp/news/past/honbun.cfm?i=AT2D2000K%2020052008&g=S1&d=20080520

【CFOならこう読む】
ソフトバンクの無議決権優先株については、当ブログで5月9日に取り上げました(http://cfonews.exblog.jp/7902931/)。
その後、優先株を使ったエクイティファイナンスに関する取り合わせが相当数に達したとのことで、12日に次のようなコメントを発表していました。
「当社は、平成20年5月8日付プレスリリース「定款の一部変更に関するお知らせ」を発表しました。このリリースにおいて「当社における柔軟な資金調達を可能とするものであり」との記載に関して、株主・投資家より、優先株式を用いたエクイティファイナンスによる資金調達の可能性についての問い合わせを数多く受けております。
 当社においては、現時点でエクイティファイナンスによる資金調達を必要とする事業・投資案件等は一切なく、当面の間エクイティファイナンスを行う意図は全くありません。
 当社はこれまでも、企業価値の向上による株主利益の増大に努め、株主の皆様をはじめとするステークホルダーに対し、適正に利益を還元することを基本方針としてきました。今後も株主の皆様へ様々な形により利益還元を行うように努めるとともに、キャッシュフローの最大化を目標に業績の拡大および株主価値の向上を目指し全力で取り組んでまいります。」
しかしその後も株価は軟調に推移していました。
http://quote.yahoo.co.jp/q?s=9984.t&d=c&k=c3&a=v&p=m25,m75,s&t=3m&l=off&z=m&q=c&h=on

孫社長の「買収したいところが出てくれば、これを使って買収することもある」としていたが、多くの株主がこの部分を強く意識し、希薄化懸念から一部の個人や機関投資家に嫌気されたとのことです。

ソフトバンクのM&A下手(特に上場会社の買収)を見透かされているのかもしれませんね。

個人的には、ソフトバンクの種類株の株価形成がどのようになるかに注目していたので、発行取りやめは残念です。
【リンク】
2008年5月20日「『定款一部変更の件』の株主総会への付議取りやめについて 」ソフトバンク
http://www.softbank.co.jp/news/release/2008/080520_0001.html



by yasukiyoshi | 2008-05-21 10:00 | 資金調達


<< TCI、Jパワーの株主総会に向...      エクイティ・コミットメントライ... >>