吉永康樹の CFOのための読みほぐしニュース

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2008年 05月 27日

CSK、コスモ証券を完全子会社化

CSKHD株が急反落、コスモ証を完全子会社化へ-交換比率にらむ
5月26日(ブルームバーグ):情報サービス大手のCSKホールディングの株価が売り気配で始まり、寄り付き後は一時前週末比175円(7%)安の 2320円まで下げた。23日に、現在発行済み株式総数の49%あまりを保有する子会社のコスモ証券について、株式交換などを通じて完全子会社化すると発表。株式交換比率をにらんで売りが優勢となった。コスモ証株は一時4円(3.9%)高の108円と反発。
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=90003003&sid=aSvS6qOMpjzA&refer=jp_stocks
【CFOならこう読む】
株式交換の日程は次の通りです。

株主総会基準日(コスモ証券) 平成20 年3月31 日
株式交換決議取締役会(両社) 平成20 年5月23 日
株式交換契約締結(両社) 平成20 年5月23 日
株式交換承認株主総会(コスモ証券) 平成20 年6月25 日(予定)
取引所市場最終売買日(コスモ証券) 平成20 年7月25 日(予定)
上場廃止日(コスモ証券:大阪証券取引所)平成20 年7月26 日(予定)
上場廃止日(コスモ証券:東京証券取引所、名古屋証券取引所)
平成20 年7月28 日(予定)
株式交換の予定日(効力発生日) 平成20 年8月 1日(予定)
株券交付日 平成20 年9月 中旬(予定)


株式交換比率は、コスモ証券1株に対しCSKHD株式0.046株。

評価基準日である5月21日の終値で計算される交換比率は1:0.042
第三者機関の評価は次の通りでした。

ZECOOパートナーズ(コスモ証券側)
市場株価法 0.038 ~ 0.042
類似上場会社法 0.043 ~ 0.044
DCF法 0.034 ~ 0.043
ダフ・アンド・フェルプス(CSK側)
市場株価法 0.038 ~ 0.042
DCF法 0.031 ~ 0.049


若干のプレミアムを乗せて1:0.046に決めたものと思われます。

それにしても、CSKはコスモ証券を一体いくらと評価したのでしょうか?
買値がまず決まって、次に支払い手段を決めるというのがあるべき意思決定の順序であるはずです。ならば買値(コスモ証券株式の評価額)を明らかにすべきです。というか評価額を示さないM&Aに両社の株主は賛成・反対の意見表明なんぞできないはずです。

【リンク】
平成20年5月23日「株式会社CSKホールディングスによるコスモ証券株式会社の株式交換による完全子会社化に関するお知らせ」コスモ証券株式会社
http://www.cosmo-sec.co.jp/press_release/00000078.pdf


by yasukiyoshi | 2008-05-27 08:30 | M&A


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