2008年 06月 13日

企業価値研究会の「買収防衛策のあり方」に関する報告書のポイント その3

【CFOならこう読む】
「買収防衛策のあり方」に関する報告書(案)が入手できました。全13ページの小さなもので、企業価値報告書の適用指針といった内容になっています。まだ正式に公表されていないので、その詳細をここで示すことは控えますが、新聞報道のとおり、

①買収防衛策の発動は時間・情報や交渉機会の確保を目的とする
②その発動には相当な条件が必要となる
③株主総会で形式的に承認を得たとしても、それで買収防衛策が正当化されるわけではない
④買収者に対する金員等の交付は行われるべきでない
⑤特別委員会の勧告内容に従ったからといって、直ちに取締役会の判断が正当化されるということにはならない


といったことが書かれています。

これらはすべて、昨年来、私がこのブログでお話ししてきたことと見解を同じくするもので、内容自体に異論はありません。

ただあえてこのようなものを出さなければいけないというのはどういうことなのか、こんなものがなければ、司法も弁護士もまっとうな判断ができないのか、そうだとするととても情けない話しだと私は思います。

昨日原弘産がTOBを提案している日本ハウズイングの株主名簿閲覧、謄写を求めた問題で東京高裁は東京地裁決定を取り消し、日本ハウズに閲覧・謄写を命じた決定をしました。
http://www.nikkei.co.jp/news/sangyo/20080613AT1D1208R12062008.html

「買収防衛策のあり方」に関する報告書(案)には、
「買収者による株主名簿閲覧請求に対し、仮に形式的に閲覧拒否事由に当たる事由が存するとしても、被買収者が専ら買収を妨害する目的で閲覧を拒絶するなどし、株主名簿の閲覧請求を拒絶することが権利の濫用(民法第1条第3項参照)である場合は、株主名簿の閲覧請求を拒絶してはならないと考える。」
との記載があり、東京高裁の判断に少なからず影響を与えたのかもしれないなどと、穿った見方をしたくなってしまいます。

【リンク】
 なし

by yasukiyoshi | 2008-06-13 08:09 | 買収防衛策


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