吉永康樹の CFOのための読みほぐしニュース

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2008年 06月 20日

自社株の無償取得-ラ・パルレのケース

ラ・パルレ相談役 保有株すべてを会社に無償譲渡
エステティックサロンのラ・パルレは19日、創業者の大石洋子相談役が保有する同社株約75,000株(発行済株式数の34.3%)すべてを18日付で同社に無償譲渡したと発表した。同時に創業者一族の大石舞氏も保有株のうち約14,000株(同6.7%)を無償譲渡。これに伴い8.6%を持つモルガンホワイトフライヤーズが筆頭株主に、5%を持つ大石舞氏が第二位株主になった。
(日本経済新聞 2008年6月20日 14面)

【CFOならこう読む】
異動の理由を会社は次のように説明しています。
「当社は、平成20年3月24日に東京都より「東京都内17店舗の一部業務停止」の行政処分を受けております。(特定継続的役務提供の一部業務停止3ヶ月、平成20年3月25日より平成20年6月24日まで)また、経営改善への過程で財務基盤が弱体化し、平成20年3月期決算における会社法に基づく監査は意見不表明となっており、財務基盤の改善を図るための第三者割当増資等を複数社と交渉中であります。これを受けて、平成20年6月18日付で当社の創業者であり相談役である大石洋子が、行政処分と会社法に基づく監査の意見不表明に対する責任を取り、保有する当社普通株式の全株を、同時に当社主要株主である大石舞の保有する当社普通株式14,701株について、それぞれ当社へ無償譲渡する旨の申し出がありました。
これにより、譲渡契約を締結し当社普通株式が譲渡され、筆頭株主および主要株主に異動が発生しましたのでお知らせいたします。」

会計及び税制上の取扱いが気になるところです。
会計については、「自己株式及び準備金の額の減少等に関する会計基準」第14項が、次のように規定しています。
「自己株式を無償で取得した場合、自己株式の数のみの増加として処理する。」
税制については、「資本取引 税務ハンドブック」(税理士法人プライスウォーターハウスクーパース編 中央経済社)356ページに次のように記載されています。
「平成18年度の税制改正により、自己株式の取得の場合は資本金等を直接減額させる扱いとなったために、自己株式の取得は資本等取引であるとして、取得価額の高低にかかわらず課税所得が生じないのではないかとも考えられます。
しかしながら、自己株式の取得は発行法人の資本金等の額を減額させる取引ではあるものの、株主への対価の交付を伴う取引であることから、「複合的取引」であるとする見方が一般的と思われます。すなわち、自己株式の資産としての譲受けの要素が残されている以上、自己株式の譲受けは時価によるべきであり、時価よりも高値あるいは安値で譲り受けた場合にはその差額について寄付金または受贈益課税が生じるものと考えられます(法人税法22②、37⑧)。
自己株式の取得については他の資産の取得と同様に法人と株主との間の利益の移転の問題であり、株主間での利益移転の問題ではないと思われます。」
大石洋子氏が譲渡した75,000株は、昨日(19日)の終値(17,900円)で計算すると13億4600万円に相当します。

【リンク】
平成20年6月19日「主要株主である筆頭株主および主要株主の異動に関するお知らせ」株式会社ラ・パルレ
http://qweb1-1.qhit.net/hercules/pdfdocs/contents/2008/06/19/2008061904037100.PDF


by yasukiyoshi | 2008-06-20 10:11 | 会計


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