2008年 08月 27日

取引所ルール創設により、経営者の保身目的の防衛策導入・発動排除へ

東証、買収防衛策の開示徹底 年内にも新ルール
東京証券取引所は年内にも、上場企業の買収防衛策に対する新たな規制ルールを作る。国内外の投資家から意見を聞いたところ防衛策について否定的な見解が相次いだためで、情報開示の徹底などにより経営者の保身目的の防衛策導入・発動を排除する。
http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20080827AT2C2601726082008.html
【CFOならこう読む】
東証は記者会見に合わせて、「M&Aをとりまく現状に関する投資家意見の概要― 買収防衛策を中心に ―」というレポートを公表しています。

このレポートは、以下の文章で締めくくられています。
「当取引所は、投資者の保護及び市場機能の適切な発揮の観点から、上場会社の企業行動に対して適切な対応をとることを、上場制度の整備における基本方針の一つとしており、従来より、買収防衛策の導入に係る尊重事項を企業行動規範に定めているほか、詳細な開示事項を定めるなど、買収防衛策の導入時または導入後において、株主及び投資者の正当な権利を保護するために必要と考えられる事項を整備してきたところである。

当取引所では、現行の我が国の法制度の下において、買収防衛策自体を一律に否定するものではないが、議論の対象は企業一般ではなく上場会社の買収防衛策であることから、資本市場の視点を重視する必要がある。その意味でも、今回、買収防衛策の導入そのものを歓迎しない旨の投資家コメントが数多く寄せられたことについては、真摯に受けとめる必要があると考える。そこで、当取引所としては、買収防衛策が株式市場において投資者に与えうるネガティブな側面を上場会社に発信していくこととしたい。

また、このような投資家意見の背景には、投資者の権利への配慮が不十分な買収防衛策の導入や、実際の買収局面において、防衛策の発動や第三者割当て等の敵対的買収に対する対抗措置により、投資者が株式を売却する機会が奪われたり制約を受けたりするような企業行動が現実に見られることがあるように思われ、当取引所としても、投資者の保護及び市場機能の適切な発揮の観点から、あらためて市場開設者として何ができるかについて、早急かつ重点的に具体的方策を打ち出していくこととした
い。」
個人的には、社外取締役の要件、濫用的買収者の定義、第三者割当増資の上限設定等を市場ルールとして厳格に規定することが必要であると考えています。

【リンク】
平成20年8月26日「定例記者会見資料」株式会社 東京証券取引所グループ
http://www.tse.or.jp/about/press/080826s.pdf


by yasukiyoshi | 2008-08-27 08:43 | M&A


<< PIPEs-田崎真珠のケース      富士フイルムのMSCB >>