2008年 09月 12日

アーバンコーポレイション バリバとの密約

消えたメリルのTOB
民事再生法の適用を申請し上場廃止が決まったアーバンコーポレイションが12日、東京証券取引所第一部の株式最終売買日を迎える。不動産市況の悪化と信用収縮が招いた今年最大の倒産劇の裏では、仏大手金融機関BNPパリバとの間で実施した資金調達の妥当性という問題が浮上。情報開示のあり方などの課題を投げかけた破綻の構図を検証する。
(日本経済新聞 2008年9月12日 16面 アーバンコーポレイション破綻の実相 上)
【CFOならこう読む】
記事には、
「アーバンコーポは7月11日、別の資金調達としてパリバを割当先に300億円の新株予約権付社債(転換社債=CB)を発行。その際に株価次第で実際の手取り額が減少する可能性のある「スワップ契約」を交わしていた。資産査定の過程でこの「密約」を発見したメリルは「契約を開示しないまま買収すれば、大きな法的リスクを抱えてしまう」と判断した。」
と書かれています。

スキームの全貌は次の通りです。
「7月11日 2010年満期 総額300億円のCBをバリバ向けに発行
転換価格 344円(開示日6月26日の終値)
資金使途 財務基盤の安定性確保に向けた短期借入金を始めとする債務の返済に使用する予定

破綻まで存在が隠されていたスワップ契約の概要
7 月11日 BNP パリバに300 億円を支払う
パリバは手元にあるCBを株式に転換したうえで、市場の売買高の12~18%に相当する株数を市場で売却。
”売却した株数×その日の市場の売買高加重平均株価の90%”に相当する金額を日々アーバンコーポレイションに支払う。
出来高加重平均株価の算定の基礎となる株価に一定の下限を設定」
8月13日までの33日間のうち6日間しか下限価格を上回らず、結果としてアーバンコーポレイションが受け取った金額は92億円にとどまりました。
(日経ヴェリタス 2008年8月17日 14面)

CBとスワップ契約を一体のものとしてみると、MSCBとほぼ同じものになるにも関らず、この片側のみしか開示しなかったことが東証の適時開示規則に違反していないかという点と、スワップ契約という当事者しか入手できない未公表情報を知りながら、パリバがアーバンコーポレイションの株式を市場で売却したことがインサイダー取引にならないか、の2点について問題があるのではないかと、今日の記事は指摘しています。

【リンク】
株式会社アーバンコーポレイション ニュースリリース
http://www.urban.co.jp/news.html


by yasukiyoshi | 2008-09-12 07:53 | 資金調達


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