吉永康樹の CFOのための読みほぐしニュース

cfonews.exblog.jp
ブログトップ | ログイン
2008年 12月 11日

NTT繰延税金負債700億円近く取崩し

NTTの今期 税負担700億円近く軽減
NTTは連結子会社のNTTドコモが7月に実施した地域会社の再編などに伴って、2009年3月期に会計上の税負担が700億円近く軽減される見通しだ。連結決算で織り込んでいた将来の税負担が少なく済むため。現金の増減は伴わないが、純利益を押し上げる要因となる。
(日本経済新聞2008年12月11日14面)
【CFOならこう読む】
今年7月にドコモがドコモ関西など地域会社8社を吸収合併したことに伴い減少する繰延税金負債が569億円、ドコモの自社株買いに伴い減少する繰延税金負債が110億円ということです。

この点11月7日に行われた記者会見で、小林取締役財務部門長は次のように話しています。
Q.今期の通期の見通しのところで税金についての話があったが、もう少し詳しく教えて欲しい。

A. (小林取締役財務部門長)

 繰延税金負債の取り崩しのところのご質問と思うが、ドコモを分社したときに、税務上の簿価と財務上の簿価は一致していたが、ドコモを上場した際あるいはドコモが公募増資をするとドコモの純資産が増え、財務上の簿価が税務上の簿価に比べて大きくなる。そうすると、将来、仮に持株会社がドコモの株を売却するとなると、その売却益が出るだろうということで、ドコモの上場あるいは公募増資の時点において、繰延税金負債を立てている。ところが、今回、ドコモが地域ドコモを吸収合併して一社化すること及びドコモが自己株式を取得するといった営みを行うことによって、持株会社の持っているドコモ株の財務上の簿価、即ち課税対象となる分が引き下がることになる。したがって、これまで積んでいた繰延税金負債をその分取り崩すことになるが、これは税負担額を引き下げるという税効果の財務上の処理が必要になるということである。


Q. この繰延税金負債の取り崩し分で、今期、税効果で効いてくるプラス分というのは、その部分だけで言うといくらになるのか。

A. それは、569億円になる。

(小林取締役財務部門長)
 補足すると、ドコモの一社化によるものは569億円であるが、ドコモの自己株買いによるものも含めると、第1四半期と第2四半期両方合わせておおよそ700億円ぐらいある。これは決算短信に記載している繰延税額のところに、▲1,000億円程度と出ているが、そのうちの約700億円というふうにご理解頂ければと思う。」
地域子会社8社はすべてドコモの100%子会社ですので、吸収合併したところでドコモの連結FSへの影響はありません。にも関らずNTTのドコモ株式の会計上の簿価が切り下がる理由がよくわかりません。

機会を見つけて後日またフォローしたいと思います。

【リンク】
2008年11月7日「NTT(持株会社)社長会見より」
http://www.ntt.co.jp/kaiken/index.html


by yasukiyoshi | 2008-12-11 09:48 | 会計


<< 2009年度与党税制改正大綱最終案      利益偏重は悪か? その2 >>