2008年 12月 30日

子会社株式売却の際の繰延税金資産取崩し-イオンのケース

イオン最終赤字の公算
イオンの2008年3-11月期の連結業績は、最終損益が赤字となった公算が大きい。米衣料販売子会社のタルボットが実施した保有資産の減損処理や、会計処理の変更に伴う繰延税金資産の取崩しなどが響く。消費低迷で国内の衣料品販売も伸び悩む。2009年2月期通期の見通しを下方修正する可能性もある。
(日本経済新聞2008年12月30日 11面)
【CFOならこう読む】
記事には、
「前期までの子会社株式売却の際に計上した繰延税金資産を取り崩す。」

とあります。これは連結財務諸表における税効果会計に関する実務指針(会計制度委員会報告第6号)の平成19年3月29日の変更を受けてのものです。

旧委員会報告6号30項では、
「連結グループ内の会社に投資を売却することによる一時差異の解消については、当該売却取引は連結財務諸表上消去されるので、対応する税効果は第三者に投資を売却するまでは、本報告の未実現損益に係る一時差異と同様に処理することになる。」
とされていたのが、新委員会報告6号では、この文章が削除され、新たに30-2項が設けられました。
「30-2 企業集団内の会社が企業集団内の他の会社に投資(子会社株式又は関連会社株式)を売却すると、個別貸借対照表上の投資簿価が購入後の取得原価に置き換わることになり、投資の連結貸借対照表上の簿価との差額、すなわち、連結貸借対照表上の一時差異の全部又は一部が解消することになる。」
イオンは中間財務諸表で次のように会計処理の変更の開示を行っています。
「(連結財務諸表における税効果会計)
当中間連結会計期間より、改正後の「連結財務諸表における税効果会計に関する実務指針」(日本公認会計士協会 平成10 年5月12 日 最終改正平成19 年3月29 日 会計制度委員会報告第6号)の第30-2項を適用している。
これにより、前連結会計年度まで連結会社間で子会社株式等を売却した際に生じた未実現利益の消去に伴い計上していた繰延税金資産を当中間連結会計期間にて取崩すこととなったため、繰延税金資産取崩しに伴う法人税等調整額156 億40 百万円を計上した結果、従来の方法に比べ中間純損失が151 億1百万円増加している。」
今年はこれで最後です。
新年は1月5日(月)のスタートになります。
来年は激動の年となるような予感がしますが、時代を映す重要なニュースを、わかりやすく、ためになるように読みほぐしてお伝えしていけるよう今年以上に頑張りたいと思っています。
引き続きご愛読のほど、宜しくお願いします。

それでは、良い年をお迎え下さい。

【リンク】
2008年10月8日「2009年2月期 中間決算短信」イオン株式会社
http://www.aeon.info/ICSFiles/afieldfile/2008/10/08/kessan_2009.pdf


by yasukiyoshi | 2008-12-30 11:41 | 会計


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