吉永康樹の CFOのための読みほぐしニュース

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2009年 01月 13日

新規株式公開(IPO) 今年も50社前後の見通し

100年に1度ともいわれる金融危機のさなかにある2009年。株式相場の急回復は見込みにくく、新規株式公開にとっては逆風が続くとみられる。1月は株券電子化の影響で上場はない。2~3月には10社超の上場が予想されるが、経営環境悪化で想定していた上場スケジュールを延期する企業も多いとみられる。
今年1年間の新規上場社数は、歴史的低迷と言われた2008年(49社)と同水準の50社前後にとどまるというのが、もっぱらの見方だ。

(日経ヴェリタス2009年1月11日24面)
【CFOならこう読む】
本日(1月13日)の経済教室で細野薫学習院大学教授が、IPOの停滞による日本経済の生産性低下の恐れについて次のように指摘しています。
「これまでのIPOを産業別にみると、情報サービス、ソフトウェア、ハードウェアなどのIT(情報技術)関連、産業向け財・サービス、金融など、知識資産が重要な経営資源である産業が過半を占め、IPOで得た資金の多くは、研究開発など生産性向上のために使われていたと推測される。それだけに今後もIPOの停滞が続き有望企業が資本市場から成長資金を調達できないと、日本経済の生産性を一層低下させる恐れが強い。」

起業家にとって今が絶好のチャンスであると野口悠紀雄氏は”世界経済危機 日本の罪と罰”の中で強調しています。
「旧秩序が邪魔しないし、起業のコストは低下する。「危機がチャンス」とは、「新しいことを始めるのにチャンス」ということだ。」

「変化はチャンスである。日本経済は戦後若返った。しかしそれから60年間不変にとどまった。高度成長期の輸出立国モデルは、90年代の世界経済の構造変化によって有効性を失ったにもかかわらず、無理なマクロ政策によって、07年の夏までは延命した。しかしそれが限度にきた。」

「市場が激しい株価下落というかたちで要求しているのは、日本経済の構造を根本から転換させることである。」
奇しくも、本日の新聞の1面でソニーが今期営業赤字となることが報じられました。
エレクトロニクス部門の不振が主因の赤字は上場来初めてとなります。
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20090113AT2D1200112012009.html

野口氏の主張は極めて正しいと私は思います。
そして今必要なのは、細野氏が言うように、「企業の新規参入を促す、いわば数年先から10年先を見据えた前向きの政策」なのです。
「戦後の危機的経済状況のなかで、ソニーやホンダのように多くの新しい企業が生まれたことが、その後の経済発展を支えたのである。」
【リンク】
世界経済危機 日本の罪と罰
野口 悠紀雄

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by yasukiyoshi | 2009-01-13 11:14 | IPO


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