2009年 02月 16日
続・本質見誤った世界危機説 相変わらず本質を見誤った世界危機説が横行している。2008年11月16日付の本欄では「米住宅バブルのみが世界の景気後退の原因である」と言わんばかりの主張が誤りであることを指摘した。2008年の実質経済成長率は米国が1.3%(速報値)で、ユーロ圏の0.7%や日本のマイナス0.5%よりもかなり高い。同じく株価下落率は米国が37.4%で、欧州の39.4%日本の41.4%よりも小さい(S&Pグローバル株価指数)。【CFOならこう読む】 藤田氏は「100年に1度の危機」に根拠がないことをコラムのなかで指摘しています。 「米経済成長率は1932年のマイナス成長13.0%が過去最悪であり、46年のマイナス11.0%がこれに次ぐ。09年の米経済成長率はマイナス2.3%と予想しているが、仮にその通りであれば、統計開始(1930年)以来、80年間で6番目に低い経済成長率になる。ただし、藤田氏は日本だけが「100年に1度の危機」を迎えるリスクがあることを指摘しています。 「09年の日本の経済成長率はマイナス3.4%で、米国のマイナス2.3%やユーロ圏のマイナス2.7%を下回り、08年に続き、世界の主要先進国で最悪の経済情勢になる見込みである。」なぜ日本の経済成長率のマイナスや株価の下落がアメリカより激しいのでしょうか?野口悠紀雄氏が「世界経済危機 日本の罪と罰」(ダイヤモンド社)の中で問題の本質を次のように説明しています。 「これまで、「アメリカ経済は大変な問題を抱えているが、日本経済は比較的健全だ」という意見が強かった。しかし、それはまったくの見当違いだ。日本の株価が下落する理由は、アメリカの火事の日本への延焼ではない。日本経済の本質的問題の露呈なのである。経済の大きな流れをつかむのもCFOの重要な仕事のひとつです。事実を正確に認識したうえで、本質を見誤らないことが重要であると私は思います。 【リンク】 なし
by yasukiyoshi
| 2009-02-16 10:08
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日々のニュースをCFOはどう読むべきか。CFOに役立つニュースをピックアップし、アカデミック&実務の視点から、そのニュースの本質をわかりやすく「解きほぐし」ます。 by yasukiyoshi ■このブログについて ●「CFOニュース」を始めた理由 ●このブログへのコメントについて ■マーケット情報 2月19日の東京市場 ●日経平均株価 7557.65円(前日比+23.21円) ●株価収益率(PER) 日経225種 前期基準8.70倍(予想68.87倍) ●円/ドル 93.56円~93.58円(前日比-0.98円) ●円/ユーロ 117.81円~117.85円(前日比-1.06円) ●長期金利(10年国債利回り) 1.260%(前日比+0.005%) 2月20日の米国市場 ●NYダウ平均 7,465.95ドル(前日比-89.68ドル) ●ナスダック指数 1,442.82ドル(前日比-25.15ドル) にほんブログ村ランキングに参加しています。 新規公開株情報サイト IPO 2.0 カテゴリ
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