吉永康樹の CFOのための読みほぐしニュース

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タグ:ブルドック・スティール ( 11 ) タグの人気記事


2007年 08月 31日

ブルドック、事前警告型買収防衛策を導入

20%以上の議決権保有を目指して株式を買い付ける投資家が現れた際に独立委員会で買収防衛策の発動の是非を検討する。
http://www.nikkei.co.jp/news/past/honbun.cfm?i=AT1D3009S%2030082007


(CFOならこう読む)

リヒテンシュタインさん、
ブルドックさんが打ち出の小槌をプレゼントしてくれましたよ。

今度は企業価値創造に向けた具体的な計画を提示し、
魅力的なTOB価格を提示してくださいね。
きっとブルドックさんはその価格に見合った
小判をプレゼントしてくれますよ。

by yasukiyoshi | 2007-08-31 08:49 | M&A
2007年 08月 08日

ブルドック防衛策、最高裁も容認・スティールの抗告棄却

最高裁が買収防衛策に対して判断を示したのは初めてで、企業の今後の指針となりそうだ。
http://www.nikkei.co.jp/news/sangyo/20070808AT3Y0700807082007.html

(CFOならこう読む)
最高裁はスティールが濫用的買収者であるか否かの判断を行いませんでした。
この点も含めて今回の最高裁の決定に特別の驚きはありません。

ブルドックは当期自己新株予約権の償却により28億円を特別損失に計上します。
28億円のうち21億円が自己新株予約権の購入価額、
7億円が弁護士事務所と証券会社の手数料とのことです。
結局1番儲かったのは弁護士事務所と証券会社。原資はもちろん株主資本です。

ブルドックは昨日2007年4月期-6月期の四半期決算発表を行っています。
「営業利益は前年同期比37%減の1億9500万円。
少子高齢化に伴うソース類の縮小で売上高も5%減った」
自己新株償却損を吸収するために含み益のある非事業用資産を売却せざる得ないでしょう。

これってスティールのそもそもの狙いだったわけですよね。
つまるところ結果オーライなのかもしれませんね。

by yasukiyoshi | 2007-08-08 09:24
2007年 07月 10日

東京高裁、スティールの抗告を棄却・「決定は予想外」

ブルドックは「高裁決定は株主の判断を正当と認めた妥当なもの」とのコメントを発表。スティール側は「決定は予想外で、対応は全くの白紙」としている。
http://www.nikkei.co.jp/news/sangyo/20070710NTE2INK0909072007.html

(CFOならこう読む)
スティールのようなファンドは、投資の内部収益率(IRR)を稼ぐのが目的です。
IRRは売買差益を得る時間が短ければ短いほど上昇するので、
短期的な利鞘を獲得することを目指します。
高裁は
「短中期的に対象会社の株式を対象会社自身や第三者に転売することで売却益を獲得」
すること自体を問題視していますが、
このことが即企業価値を破壊するわけではありません。

買収者には2つのタイプがあります。
1つは経営権を握り経営に関与し将来キャッシュフローを改善することにより
企業価値を上昇させるストラテジックバイヤー。
もう1つは、非効率な資産の売却、余剰資金の株主還元、
資本構成の変更等を通じて企業価値を創造するファイナンシャルバイヤー。
スティールは間違いなく後者です。

高裁の決定は、ファイナンシャルバイヤー=濫用的買収者であると判断しており、
この点は全く不合理です。
企業価値をアカデミックに探求していく学問がコーポレートファイナンスですが、
ファイナンシャルバイヤーの手法はコーポレートファイナンスに鑑み正当なもので、
例えばユシロ化学やソトーのように使い道のない現金を
多額に抱えそれが株価に反映されていないなら、
増配を要求することにより株価は上昇するのです。
そういう投資行動の結果短期的に利鞘を稼ぐことは
効率的な企業経営に資するもので批判されるものではないのです。

そういう意味で今回の高裁の決定は、資本主義の常識に反するものであり、
世界から批判を浴びることは間違いないものと思います。
いずれにしてもスティールは23億円のキャッシュをもって、
再度TOBを仕掛けてくるでしょう。
そのときブルドックとしてはどのようにこれに対抗するのか注目されます。

by yasukiyoshi | 2007-07-10 08:36 | M&A
2007年 07月 06日

ブルドック防衛策、高裁判断焦点に・スティール、TOB続行

東京高裁が地裁判断を覆しスティールの主張を認めない限り、防衛策が発動されることになった。
http://www.nikkei.co.jp/news/sangyo/20070705AT1D0407Y04072007.html

(CFOならこう読む)
昨日5日が新株予約権の権利落ち日なので、株価がどう動くかが注目されました。
前日終値1479円から寄り付きは400円と大きくさげましたが、
終値は1365円と大きく戻しました。
理論的には4分の1に希薄化するはずなので、
1365円をどう説明すれば良いのか難しいところですが、

「高裁の差し止めを期待してサヤ取りに来ているのだろう」(中堅証券商品部長)
といった声が出ているほか、

「スティールがTOB(株式公開買い付け)続行を表明しているので、
そのあたりで買い安心感も多少あるのではないか」(地場証券支店長)
といった声が聞かれたとのことです。

しかし、高裁の差し止めの可能性はかなり低いと思いますし、
スティールがTOBを続行するにしても、TOB価格は希薄化後のものに
修正されるはずなので、私には市場が何か勘違いをしているとしか思えません。

by yasukiyoshi | 2007-07-06 09:00 | M&A
2007年 06月 29日

ブルドック、買収防衛策を容認・東京地裁

鹿子木康裁判長は「買収防衛策を決議した株主総会の判断が明らかに合理性を欠くとは認められず、著しく不公正ではない」として、スティールの申し立てを却下した。
http://www.nikkei.co.jp/news/sangyo/20070629AT3Y2800528062007.html

(CFOならこう読む)
健全な資本主義社会において、
M&Aにおいて速やかに経営権が移動することは必須です。
したがって既存の経営者が自己の保身のために防衛することは
法的にも容認されるべきではありません。
ブルドックの買収防衛策が認められるなら、
多くの企業は株式の持合を復活し、
安定株主作りに勤しむことになるでしょう。

そうなれば日本の企業はまた一昔前の社会資本主義という状態に逆戻り、
外資の導入も進まず孤立することになるでしょう。
そのような問題意識から東京地裁の仮処分決定を検討してみました。

仮処分決定の骨子は次の通りです。

①今回の買収防衛策は買収者に適正な対価が交付され、株主平等原則に違反しない。
②買収防衛策の必要性判断は原則、株主総会に委ねられるべきだ。
③特別決議を経ても、防衛策の相当性は既存株主に与える不利益などから総合的に判断すべきだ。

ポイントとなるのは③です。

東京地裁は、

「株主総会による対抗手段であっても、
特定の買収者による経営支配権の取得を妨げるという目的に必要な範囲を超えて、
当該買収者又はその他の株主の利益を損なうことは許されないのであって、
株主総会が当該対抗手段を採るに至った経緯、
当該対抗手段が既存株主に与える不利益の有無及び程度、
当該対抗手段が当該買収に及ぼす阻害効果等を総合的に考慮して判断すべきである」

とした上で、

「本件においては、債権者関係者は、
現経営陣との買収に関する協議を経ることなく買付期間を約40日とする公開買付を開始して
おり、かつ、債権者関係者は、債権者の経営方針や投資方針等を明らかにしなかったので
あり、このような提案は現経営陣に代替案を提出する時間的余裕を与えないまま、
株主に公開買付に応ずるか否かの判断を迫るものであるといわねばならない」

としています。

つまり、株主に判断のための時間が与えられていない現状において買収防衛策の発動は
容認されると言っており、この点は妥当であると思います。
つまり、株主総会の特別決議を経たから買収防衛策の発動が認められると言っている
わけではないのです。

それではスティールはどう対抗すべきでしょう?

私の考えは“一旦TOBを取り下げ、企業価値向上策をきちんと説明し、
十分時間をとった上で再度TOBをかける”というものです。
そのとき株価が現状のまま維持するなら、スティールへの新株予約権の取得の対価
396円(当初のTOB価格の4分の1)に妥当性がなくなり、これを会社側は引き上げざる
を得なくなるでしょう。
会社としてはこれだけのキャッシュアウトを正当化することと買収防衛策を発動せず、
TOBを受けることとを測りにかけて、結局TOBを受けることを選択することになると思います。

いずれにしてもTOBは失敗に終わる可能性が高いと思いますが、
買収防衛策を発動してTOBを阻止するか、
TOBに応ずる株主がいなくてTOBが失敗に終わるかはそのプロセスにおいて大きく
異なります。
防衛策発動の悪しき実績を作らないためにもスティールにはもうひと踏ん張りしてもらい
たいところです。

by yasukiyoshi | 2007-06-29 09:09 | 買収防衛策
2007年 06月 25日

買収防衛策の発動承認・ブルドック総会、有効性を司法判断へ

スティールに対抗するため経営陣が提案した買収防衛策の発動は、8割超の賛成票を得て可決された。
http://www.nikkei.co.jp/news/sangyo/20070624AT2D2400124062007.html

(CFOはこう読む)
決着は司法の場でということになります。
「特別決議なら裁判所は防衛策を認める」とみる専門家が多いとのことですが、
このような買収防衛策の発動は絶対に認められるべきではないというのが私の考えです。

企業価値報告書は、防衛策の適法性について、

①企業価値への脅威の存在
②脅威に対する防衛策の妥当性
③防衛策の維持・発動・解除に関する取締役会の慎重かつ適切な行動

を判断の基準として掲げています。


今回のスティール・パートナーズのTOBが企業価値を明らかに毀損するもの
であることをブルドック経営陣は立証していません。
立証していない以上、脅威の存在を前提にした防衛策の発動は認められません。
そもそも特別決議を可決するだけの賛同を株主から得られているのですから、
正々堂々とTOBを受けるべきです。

そして今回賛成票を投じた安定株主の方々も、自社の株主に対し
PER60倍を超える高価格のTOBに応じない理由をきちんと説明すべきです。
上場会社は株主を選べません。例外は、株主その他のステークホルダー
の価値が明らかに毀損するような敵対的買収者を排除する場合に限られます。

今回の司法判断の中で、スティールが企業価値を毀損する敵対的買収者
に該当するか否かの判断があるかどうかわかりませんが、
脅威の存在と脅威に対する防衛策の妥当性という点から、
防衛策発動差し止めの判決があることを期待します。

以前述べたように、“買収防衛策は抑止力であって発動されることが
あってはならない“のです。

by yasukiyoshi | 2007-06-25 08:58 | 買収防衛策
2007年 06月 19日

「総会屋に現金を渡すのと同じ仕組み」投資銀行幹部がスティール対策を徹底批判

ブルドックソースの買収防衛策は、数ある防衛策の中でも最低最悪と言える。
http://www.toyokeizai.net/online/toushi/shiki/?kiji_no=202

(CFOならこう読む)
先日来私はブルドックの買収防衛作をスティールにとっての”打出の小槌”と言ってしていますが、
この記事では同じことを”総会屋に現金を渡すのと同じ仕組み”と表現しています。
ブルドックのアドバイザーである野村證券及び西村総合法律事務所の
反論をぜひお聞かせ願いたいところです。

この記事の中で「買収防衛策は核爆弾同様、抑止力であり、
使用してはいけないもの」という指摘を全ての上場会社のマネジメントは
真摯に受け止める必要があります。

by yasukiyoshi | 2007-06-19 08:32 | M&A
2007年 06月 16日

スティール、ブルドックへのTOB価格1700円に上げ


13日のトップ会談を受けた措置で、
「(ブルドックへの)我々の真剣かつ真摯(しんし)な姿勢を示すため」と説明している。
http://www.nikkei.co.jp/news/past/honbun.cfm?i=AT2D1500C%2015062007&g=S1&d=20070615

(CFOならこう読む)
先日お話したように、ブルドックはスティールへの新株予約権付与相当分の
買取価格を引き上げざるを得ません。
24日の臨時株主総会の議案は既に決まっており、
どのような対応をするのか注目されます。

いずれにしてもスティールは打ち出の小槌を1回振り下ろしました。

by yasukiyoshi | 2007-06-16 08:51 | 買収防衛策
2007年 06月 14日

ブルドックの新株予約権行使、スティールが差し止め請求

同日午前に行われたスティールのウォレン・リヒテンシュタイン代表とブルドックの池田章子社長の会談が物別れに終わったことから、法廷闘争に踏み切ったとみられる。
http://www.nikkei.co.jp/news/sangyo/20070614AT1D1307S13062007.html

(CFOならこう読む)
予想通りの展開になってきました。多くの専門家はブルドックの
新株予約権発行は法的に問題がないと考えているようです。

しかしこれは大きな間違いです。M&A先進国である米国でも
ピルの発動は誤って行われたただ1回しかありません。

「企業価値報告書」に明記されているように、買収防衛策
の発動の是非は、どの程度会社が「食い物」にされるかという
「脅威の存在」との関係で決まります。

そういう意味で、
スティールが明らかに企業価値を破壊する買収者である
ということを会社が主張できなければ、ピルの発動は
違法であるということになります。

by yasukiyoshi | 2007-06-14 08:46 | 買収防衛策
2007年 06月 08日

ブルドック、TOB対抗へ新株予約権・スティールと対決姿勢

ブルドックソースは7日、米系投資ファンドのスティール・パートナーズによるTOB(株式公開買い付け)への対抗策を正式発表した。
http://www.nikkei.co.jp/news/sangyo/20070608AT1D0707M07062007.html

(CFOならこう読む)

株主総会の特別決議によりピルの発動を決めるし、
スティールに対してはTOB価格相当の現金でピルの買戻しをするのだから、
スティールの差し止め請求は認められないとの見解が優勢です。
また、
「ブルドック型の買収防衛策導入を検討する会社が広がるか」
との報道もありますが、それはないだろうと思います。

スティールにとって見ると渡りに船のような買収防衛策だからです。

スティールはTOB価格を引き上げてくるでしょう。
そうすると、会社はピルの買戻し価格を引き上げざるを得ないでしょう。
つまり、スティールとしてはTOB価格の引き上げを宣言するだけで
キャピタルゲインを引き上げることができるのです。
まるで打出の小槌です。

仮に会社がピルの買い戻し価格を引き上げなかったらどうなるでしょう。

そのときには会社の考えるブルドックの株主価値と、
スティールの考える株主価値が相違することになり、
ブルドックの株主は、より高い株価をつけたスティールのTOBに
応じざるを得ないことになります。

スティールは、キャピタルゲインが見込めない価格までの
TOB価格の引き上げは行なわないと思いますが、
本気で支配権を取りにくる相手はどこまでもTOB価格を引き上げてくる可能性があります。

そういう相手に対して、ブルドック型の買収防衛策で対抗することは不可能です。

by yasukiyoshi | 2007-06-08 09:00 | M&A