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2009年 02月 06日

確定拠出年金 日本版401k 加入300万人突破

確定拠出年金日本版401k、加入者300万人を突破
加入者の運用実績に応じて年金の受給額が変わる確定拠出年金(日本版401k)の加入者数が300万人を突破した。サラリーマンの10人に1人にあたる計算だ。2001年の制度導入から7年を経て、採用企業のすそ野が広がってきた。ただ投資教育の不備といった課題は多く、企業の受託者責任を明確にする業界発のルールづくりも動き出した。使いやすい制度を整備できれば、普及に弾みがつきそうだ。
http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20090206AT3S0501H05022009.html
【CFOならこう読む】
確定拠出年金とは、掛金を確定して、給付は運用次第で決まるタイプの年金制度です。
確定拠出年金の特徴として、
・年金資産を自分で運用し、その結果に応じて年金額が決定される。
・年金資産が個人別に区分され、残高の把握や転職時の資産の移行が容易である。
・企業規模を問わず実施することが可能である。
といった点があげられます。(企業年金連合会HP

確定拠出年金には自営業者等が加入できる「個人型年金」(掛金は個人が拠出)と、企業が導入し、従業員を加入させる「企業型年金」(掛金は企業が拠出)の2タイプがあります。

確定拠出年金の最大のメリットは、その税制にあります。

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これは単に拠出金額が所得控除されるというだけでなく、実質的にキャピタルゲインに対する税金が免除されることを意味します。つまり無税で老後のための資産形成ができるのです。

もちろん資産運用に失敗するということはあり得ます。
「足元では株式を組み込んだ投資信託などで運用している投資家の運用環境は厳しい。格付投資情報センター(R&I)が百万人の運用状況を調べたところ、過半数が元本割れしていた」
しかし元本割れを回避したいなら、そのような運用商品を選択することも可能です。

ところで、確定拠出年金を導入する企業は、加入者に対し金融教育を行う責務があるというようなことが言われます。

今日の新聞記事でも、
「確定拠出年金は長期投資のため、短期の相場下落に一喜一憂する必要はないが、企業の投資教育は不十分だ。例えばインターネット上での投資教育だけという企業もあるし、運用資産が預貯金に偏る加入者が多い企業もある。厚労省は「投資教育が不十分だと老後の所得保障に結びつかない」(企業年金国民年金基金課)と警戒している」
というようなことが書かれています。

投資教育とは何を指しているのでしょうか? 儲かる投資信託の選び方を指南するとでも言うのでしょうか? 
野口悠紀雄氏が近著「金融危機の本質は何か」(東洋経済新報社)の中で言うように、投資教育で重要なのは、
「世の中にうまい話はない」
「濡れ手で粟の投資勧誘があったら疑ってかかれ」

ということだけです。

分散投資の重要性は教える必要があるかも知れませんが、それもインターネット上の教育で十分でしょう。マーケットポートフォリオと安全資産の組み合わせは個人の効用に従って各自決定すれば良いという、トービンの分離定理が教えるところによれば、「運用資産が預貯金に偏る」ことを問題視する必要はないのです。

政策的に無理に「貯蓄から投資へ」と言ったところで、多くの日本人が株式投資に胡散臭さを感じている以上、そう簡単に個人の考え方が変わるとは思えません。今政策的に重要なのは、市場が適正に価格形成を行えるようにすることです。

現在の日本の株式市場を見ると、
「価格が正しく評価されていない市場では、素人は危なくて手が出せない。したがって相場の底が浅くなり、適切な価格形成がさらに阻害される。こうして悪循環に陥る。このような現状を放置して「貯蓄から投資へ」などと言うのは、無謀な投機を煽るものであり、無責任きわまりないことだ。」(野口 前掲書)
という意見に同意せざるを得えません。

【リンク】
金融危機の本質は何か―ファイナンス理論からのアプローチ
野口 悠紀雄

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東洋経済新報社 2009-01
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by yasukiyoshi | 2009-02-06 10:06 | 税制
2008年 10月 31日

確定拠出年金の充実?

追加経済対策、事業規模最大の27兆円 首相「消費税上げ3年後」
政府は30日、米国発の金融不安による景気減速などに対応する追加経済対策を決定した。融資枠拡大などを含めた事業規模は過去最大規模の約27兆円。実質的な財政支出となる「真水」は約5兆円で、財源には財政投融資特別会計などの「埋蔵金」を活用、赤字国債の発行は回避する。税制抜本改革に関し、麻生太郎首相は同日の記者会見で、早ければ3年後に消費税率を引き上げる考えを表明した。
http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20081031AT3S3001W30102008.html
【CFOならこう読む】
追加経済対策で、確定拠出年金(日本版401k)の充実も盛られた。具体的には、企業が拠出する掛け金に従業員が上乗せして資金を出す「マッチング拠出」を認め、個人が長期的に株式を買いやすい環境が整備される。

確定拠出年金とは、掛金を確定して、給付は運用次第で決まるタイプの年金制度です。
確定拠出年金の特徴として、
・年金資産を自分で運用し、その結果に応じて年金額が決定される。
・年金資産が個人別に区分され、残高の把握や転職時の資産の移行が容易である。
・企業規模を問わず実施することが可能である。

といった点があげられます。
(企業年金連合会HP http://www.pfa.or.jp/top/qa/qa02.html#q4

確定拠出年金には自営業者等が加入できる「個人型年金」(掛金は個人が拠出)と、企業が導入し、従業員を加入させる「企業型年金」(掛金は企業が拠出)の2タイプがあります。それぞれの拠出限度額は次の通りです。
●企業型
 厚生年金基金、確定給付企業年金、適格退職年金を実施していない場合
                           月額 4万6千円
 厚生年金基金、確定給付企業年金、適格退職年金を実施している場合
                           月額 2万3千円
●個人型
 自営業者等                     月額 6万8千円
                     (国民年金基金等の掛金と合算して)
 厚生年金保険の被保険者
(会社が企業型確定拠出年金、厚生年金基金、確定給付企業年金、適格退職年金のいずれも実施していないこと。)
                           月額 1万8千円
(厚生労働省HP 
http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/nenkin/nenkin/kyoshutsu/gaiyou.html
確定拠出年金の最大のメリットは、その税制にあります。

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これは単に拠出金額が所得控除されるというだけでなく、実質的にキャピタルゲインに対する税金が免除されることを意味します。

この点マイロン・ショールズ他の「タックス・アンド・ビジネス・ストラテジー」(邦題「MBA税務工学入門」中央経済社)は、次のように説明しています。
「年金基金に拠出された$1は、n年後には$(1+R)nとなるが、年金支払時に、この投資収益累計額の全額に対して税率tで課税されるとした場合、税引後の手取り額は$(1+R)n(1-t)となる。年金基金に対する当初の投資額は($1)は、税効果(税引)後で考えた場合、(拠出時に投資支出額が全額損金算入されているために)$(1-t)で済むことから、税引後投資支出額に対する税引後投資収益率は、次のように計算される。
{1/(1 -t )}(1 +R ) n (1 -t ) = (1 +R ) n

但し、R=税引前運用利回り
n =期間
t=通常税率  」
にも関らず、この制度は日本では全く認知されていません。
2008年8月31日現在の確定拠出年金の施行状況は以下の通りです。
企業型年金の規約数等
企業型年金承認規約数  2,811件
企業型年金加入者数   約3,000千人(平成20年7月末)(速報値)
実施事業主数      10,822社

個人型年金の加入者等(平成20年7月31日現在)
第1号加入者      38,358名
第2号加入者      58,499名
           計96,857名(資格喪失者を除く)

事業所登録       53,145事業所
登録運営管理機関    213社
                      (厚生労働省年金局発表)
拠出限度額が小さすぎることが日本版401kが広く浸透して行かない原因であるように思います。これを機会に拠出限度を大きく拡張し、政府が401kの税務メリットを国民にくりかえし、わかりやすく説明することで、この制度は日本でも認知されるようになると私は思います。

【リンク】
 なし

by yasukiyoshi | 2008-10-31 09:16 | 税制
2008年 04月 02日

確定拠出年金の税効果

確定拠出年金制度充実へ 諮問会議、株式市場活性化をめざす
政府の経済財政諮問会議は1日の会合で、株式市場の活性化に取り組む方針を確認した。日本は他の先進国と比べて個人による株式への投資が少ないため、税制優遇される確定拠出年金(日本版401k)の拡充を目指す。検討課題の多くは昨年まとめた成長戦略にも盛り込まれ、実現には課題が多いのも実情だ。
議論の土台となる民間議員の提言は、確定拠出年金の規模拡大が柱。「企業型」は企業が拠出し、従業員が株式など運用先を決める。低減は掛け金を増やすため、企業が拠出する掛け金に従業員が上乗せして資金を出す「マッチング拠出」の解禁を求めた。
自営業者などに限っている「個人型」については、専業主婦や公務員などに加入資格を拡大。さらに60歳から年金をもらうために必要な10年の加入期間を撤廃か短縮するよう要望した。株式は短期的にはリスクが大きいが、長期の資産形成を目指す確定拠出年金が広がれば、家計が保有する約1500兆円の金融資産が株式投資に向かうと期待している。

(2008年4月2日 日本経済新聞 5面)

【CFOならこう読む】
日本の株式市場を効率的なものにするためには、個人株主の増大が必要です。そのための施策として確定拠出年金の拡充が有効であると考えます。個人の資産形成の上でも確定拠出年金は他のどの投資と比べても有利です。何故なら実質的に無税で運用することができるからです。この点マイロン・ショールズ他の「タックス・アンド・ビジネス・ストラテジー」(邦題「MBA税務工学入門」中央経済社)は、次のように説明しています。
「年金基金に拠出された$1は、n年後には$(1+R)nとなるが、年金支払時に、この投資収益累計額の全額に対して税率tで課税されるとした場合、税引後の手取り額は$(1+R)n(1-t)となる。年金基金に対する当初の投資額は($1)は、税効果(税引)後で考えた場合、(拠出時に投資支出額が全額損金算入されているために)$(1-t)で済むことから、税引後投資支出額に対する税引後投資収益率は、次のように計算される。 
{1/(1 -t )}(1 +R ) n (1 -t ) = (1 +R ) n
但し、R=税引前運用利回り
n =期間
t=通常税率  」
つまり$1の投資に対し、これが全額損金算入できれば$tだけ支払税額を節約できる、換言すれば$tだけ国家が補助していることにほかならないのです。これが確定拠出年金が投資対象として決定的に有利な理由です。ところが政府はこの点うまく企業や国民に説明できていません。ちゃんと理解してもらえれば一気に浸透していくと私は思うのです。

CFOとしてはあの忌まわしき退職給付会計から解放されるという副次的な効果も見逃せませんね。

【リンク】
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by yasukiyoshi | 2008-04-02 16:10