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2009年 02月 06日

確定拠出年金 日本版401k 加入300万人突破

確定拠出年金日本版401k、加入者300万人を突破
加入者の運用実績に応じて年金の受給額が変わる確定拠出年金(日本版401k)の加入者数が300万人を突破した。サラリーマンの10人に1人にあたる計算だ。2001年の制度導入から7年を経て、採用企業のすそ野が広がってきた。ただ投資教育の不備といった課題は多く、企業の受託者責任を明確にする業界発のルールづくりも動き出した。使いやすい制度を整備できれば、普及に弾みがつきそうだ。
http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20090206AT3S0501H05022009.html
【CFOならこう読む】
確定拠出年金とは、掛金を確定して、給付は運用次第で決まるタイプの年金制度です。
確定拠出年金の特徴として、
・年金資産を自分で運用し、その結果に応じて年金額が決定される。
・年金資産が個人別に区分され、残高の把握や転職時の資産の移行が容易である。
・企業規模を問わず実施することが可能である。
といった点があげられます。(企業年金連合会HP

確定拠出年金には自営業者等が加入できる「個人型年金」(掛金は個人が拠出)と、企業が導入し、従業員を加入させる「企業型年金」(掛金は企業が拠出)の2タイプがあります。

確定拠出年金の最大のメリットは、その税制にあります。

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これは単に拠出金額が所得控除されるというだけでなく、実質的にキャピタルゲインに対する税金が免除されることを意味します。つまり無税で老後のための資産形成ができるのです。

もちろん資産運用に失敗するということはあり得ます。
「足元では株式を組み込んだ投資信託などで運用している投資家の運用環境は厳しい。格付投資情報センター(R&I)が百万人の運用状況を調べたところ、過半数が元本割れしていた」
しかし元本割れを回避したいなら、そのような運用商品を選択することも可能です。

ところで、確定拠出年金を導入する企業は、加入者に対し金融教育を行う責務があるというようなことが言われます。

今日の新聞記事でも、
「確定拠出年金は長期投資のため、短期の相場下落に一喜一憂する必要はないが、企業の投資教育は不十分だ。例えばインターネット上での投資教育だけという企業もあるし、運用資産が預貯金に偏る加入者が多い企業もある。厚労省は「投資教育が不十分だと老後の所得保障に結びつかない」(企業年金国民年金基金課)と警戒している」
というようなことが書かれています。

投資教育とは何を指しているのでしょうか? 儲かる投資信託の選び方を指南するとでも言うのでしょうか? 
野口悠紀雄氏が近著「金融危機の本質は何か」(東洋経済新報社)の中で言うように、投資教育で重要なのは、
「世の中にうまい話はない」
「濡れ手で粟の投資勧誘があったら疑ってかかれ」

ということだけです。

分散投資の重要性は教える必要があるかも知れませんが、それもインターネット上の教育で十分でしょう。マーケットポートフォリオと安全資産の組み合わせは個人の効用に従って各自決定すれば良いという、トービンの分離定理が教えるところによれば、「運用資産が預貯金に偏る」ことを問題視する必要はないのです。

政策的に無理に「貯蓄から投資へ」と言ったところで、多くの日本人が株式投資に胡散臭さを感じている以上、そう簡単に個人の考え方が変わるとは思えません。今政策的に重要なのは、市場が適正に価格形成を行えるようにすることです。

現在の日本の株式市場を見ると、
「価格が正しく評価されていない市場では、素人は危なくて手が出せない。したがって相場の底が浅くなり、適切な価格形成がさらに阻害される。こうして悪循環に陥る。このような現状を放置して「貯蓄から投資へ」などと言うのは、無謀な投機を煽るものであり、無責任きわまりないことだ。」(野口 前掲書)
という意見に同意せざるを得えません。

【リンク】
金融危機の本質は何か―ファイナンス理論からのアプローチ
野口 悠紀雄

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by yasukiyoshi | 2009-02-06 10:06 | 税制
2009年 01月 16日

2009年度税制改正大綱―REITの導管性要件変更

税改正で再編機運高まる 金融危機下、信用力向上目指す
「高く評価したい」。不動産証券化協会の岩沙弘道理事長(三井不動産社長)は2009年度の政府税制大綱に満足げだ。不動産投資信託(REIT)の合併を阻んできた税制上の障壁が取り払われるからだ。
金融危機下、経営の厳しいREITが市場から退場するには2つの選択肢がある。一つは民事再生の適用や自主的な解散による上場廃止。もう一つは別のREITに吸収合併してもらうことだ。民事再生法は昨年10月にニューシティ・レジデンス投資法人が適用を申請したが、合併はまだ例がない。
なぜか。経営難で吸収される側のREITは、一口当たり純資産を下回る評価で投資口の交換比率が決まると予想され、その差額は「負ののれん」の名目で、吸収する側の利益として計上される。だがこれはあくまで帳簿上の利益で、利益分の現金が入ってくるわけでない。
一方、REITは利益の9割超を投資家に分配すれば法人税が免除される。課税を回避するには負ののれん代で利益が増えた分、分配金も増やさなければならないが、手元にある現金の範囲内で分配すれば利益の9割に届かず、法人税を課税される恐れがある。
2009年度の税制改正では、負ののれん代を利益から控除できるようになり、合併時の課税リスクが解消される。合併への道が開けたことで、生き残りを目指した再編ムードが高まりつつある。

(日本経済新聞2009年1月16日12面 試練のREIT 下)
【CFOならこう読む】
平成20年12月19日に財務省から公表された、「平成21年税制改正の大綱」では、特定目的会社等の課税の特例について、次のとおり見直しを行う旨記載があります。
「支払配当の額が配当可能所得の金額の100分の90相当額を超えていることとする要件を、支払配当の額が配当可能利益の額の100分の90相当額を超えていることとする。
なお、負ののれんがある場合に、その発生事業年度において配当可能利益の額から控除する等所要の調整措置を講ずる。」
変更点は2つです。
1つは、従来、導管性要件の90%の判定を、税務上の配当可能所得に対する支払配当金の割合で行っていたのを、会計上の配当可能利益に対する支払配当金の割合で判断することになったというもの。
もう1つは、負ののれん(の償却額?)を導管性要件の判定の際、分母の利益から控除するというものです。

1つ目の改正により、会計上減損損失が計上することの障害がなくなります。また2つ目の改正により投資口価値が純資産価値(NAV)を大きく下回るREITの吸収合併の道が開かれることになります。

2009年は、
「REITの再編元年となる可能性が高い」(前掲紙)
と私も思います

【リンク】
平成20年12月19日「平成21年度税制改正の大綱」財務省
http://www.mof.go.jp/genan21/zei001.pdf


by yasukiyoshi | 2009-01-16 09:41 | 税制
2009年 01月 08日

アーバンコーポレイション問題

背信の構図 「傭兵」暴走止められず
昨年、経営破綻したアーバンコーポレイションに対して、投資家に重要情報を隠したまま不適切な資金調達を働きかけたBNPパリバ証券。同社は業務改善報告書を提出し、事態の幕引きを図るが、市場の不信はぬぐえないままだ。東京市場を舞台に華々しく事業展開する外資系証券の「虚実」を検証する。
(日本経済新聞2009年1月8日4面 外資系証券の虚実 上)
【CFOならこう読む】
本件、当ブログでは9月12日に取り上げました。
http://cfonews.exblog.jp/8602139

以下、スキームの概要を再掲します。
「7月11日 2010年満期 総額300億円のCBをバリバ向けに発行
転換価格 344円(開示日6月26日の終値)
資金使途 財務基盤の安定性確保に向けた短期借入金を始めとする債務の返済に使用する予定

破綻まで存在が隠されていたスワップ契約の概要
7 月11日 BNP パリバに300 億円を支払う
パリバは手元にあるCBを株式に転換したうえで、市場の売買高の12~18%に相当する株数を市場で売却。
”売却した株数×その日の市場の売買高加重平均株価の90%”に相当する金額を日々アーバンコーポレイションに支払う。
出来高加重平均株価の算定の基礎となる株価に一定の下限を設定」

「実際の調達額は91億円。この契約(スワップ契約)はアーバンコーポが破綻するまで開示されず、300億円の資金を調達できたとみていた一般投資家を含む幅広い市場参加者を欺く行為として批判された。」
(日本経済新聞2009年1月8日4面)
今日の新聞によると、この取引を担当したパリバのK氏は2003年10月に、ドイツ証券時代に、有線ブロードネットワークス(現USEN)に対し同様の取引をまとめている事実があったということです。

記事では、
「利益の追求にひた走る外資系証券会社の社員の給与体系は、単年度に稼いだ収益に連動して年間のボーナスを払うという成功報酬体系に近い。短期間で荒稼ぎし、問題が起きれば次の会社に転職するという働き方をする人も目立つ。パリバはこうした「傭兵」の暴走を止められなかった。」
と指摘しています。

”暴走を煽っていた”の誤りではないかと個人的には思います。

サブプライム後、投資銀行は手数料ビジネスに回帰すべき、との意見をあちこちで見聞きしますが、手数料ビジネスにも問題がないわけではないのです。
「本件CB スワップ組合せ取引により、アーバン社が調達した金額は91 億2559 万8771 円、BNPP グループの収益は11 億7976 万9077 円でした。」
 (”BNP パリバ証券会社東京支店 外部検討委員会の調査結果の公表について”より)
投資銀行業務全般について厳しい規制が必要であると私は思います。

【リンク】
平成20年11月11日「BNP パリバ証券会社東京支店 外部検討委員会の調査結果の公表について」BNP パリバ証券会社東京支店
http://japan.bnpparibas.com/pdf/2008/2008.11.11.j1.pdf


by yasukiyoshi | 2009-01-08 13:35 | 税制
2009年 01月 07日

対日投資 ファンド経由 非課税に

対日投資、ファンド経由を非課税に 政府、促進へ税制改正
政府は対日投資の促進に向け、ファンドを通じて日本に投資する海外投資家への課税の見直し策を固めた。株式譲渡益を原則非課税とすることが柱。日本に拠点がない既存ファンド経由の投資も対象とし、特定投資家のファンドへの出資比率が25%未満であることなどを条件とする。米国の金融危機を発端とした世界経済の悪化による対日投資の停滞に歯止めをかける狙いがある。
http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20090107AT3S0601C06012009.html
【CFOならこう読む】
対象とするファンドは”投資事業有限責任組合”に限定されます。既設のファンドも対象となりますが、日本企業への一年以上の投資実績を前提とされます。

次の条件をクリアする海外投資家が非課税投資家となります。
①ファンドへの出資比率が25%未満
②ファンドの運営会社への出資比率が50%未満
③投資家自身が日本で事業をしていない
④ファンドの運営者や親族ではない
など

より本質的な問題として、配当に関しては二重課税回避の制度が設けられているのに対し、株式譲渡益についてはこのような手当てがなされていないことが挙げられます。
配当と株式譲渡益は裏表の関係にあり、両者を区別するのは理論的ではありません。

海外投資家に限らず、法人が他法人に投資して獲得する配当金及び株式譲渡益はすべて非課税にしていただきたいと、切にお願いする次第です。

【リンク】
 なし

by yasukiyoshi | 2009-01-07 09:54 | 税制
2008年 12月 12日

2009年度与党税制改正大綱最終案

少額の株式投資、総額500万円まで非課税 税制大綱最終案
2009年度与党税制改正大綱の最終案が11日、判明した。年間100万円を上限に最長5年間、総額で500万円までの株式投資について配当と譲渡益を非課税にする制度を12年から導入する。中小企業の法人税の軽減税率は現行の22%を09年度から2年間18%に引き下げる。社会保障費の財源として焦点になっているたばこ税増税については与党は同日、見送りの方針を固めた。
http://www.nikkei.co.jp/news/past/honbun.cfm?i=NT000Y583%2011122008&g=MH&d=20081211
【CFOならこう読む】
最終案要旨のうち、重要なところを列挙すると次の通りです。
【中小企業】
・法人税の軽減税率を2009年度から2年間、現行の22%から18%へ引き下げる。
・2009年2月1日以後終了する各事業年度で生じた欠損金について繰戻し還付制度を適用
・エネルギー需給構造改革推進設備などの即時償却制度と資源生産性向上促進税制を創設
・海外子会社から受け取る配当を益金不算入とする制度を導入
【金融証券】
・上場株式の譲渡益と配当の課税軽減措置を2011年まで継続。小額投資の非課税措置を創設
・企業型確定拠出年金に導入されるマッチング拠出の掛け金の全額を所得控除の対象に
・確定拠出年金の拠出限度額を引き上げ
(日本経済新聞2008年12月11日夕刊2面)
繰戻し還付制度を今期から適用できるのは大きいと思います。

欠損金の繰戻し還付制度とは、欠損金の生じた年度において青色確定申告を行い、かつ過去の関係年度において青色確定申告をしていたことを条件として、欠損金を当該事業年度の開始の日前一年以内に開始した事業年度に繰り戻し、これらの事業年度の税額を計算しなおして、その差額の還付を求めることを認める制度です。

制度としてはあるのですが、現在は、租税特別措置法により不適用となっています。

新規投資を検討している会社にとっては、意思決定を後押しする効果がありそうです。投資時のロスをその前年の利益と相殺することができるからです。まあ、できれば3年程度の繰戻し還付を認めてもらいたいところではありますが…。

小額投資優遇税制の創設は個人の金融資産を貯蓄から株式市場に振り向ける狙い。
「年間の新規投資で100万円を上限に、一人あたり一つの非課税口座を持てるようにする。20歳以上が対象で、同口座から投資した上場株式などの配当や譲渡益が非課税になる。非課税期間は10年間。年間一人一口座を5年間にわたって開設できるようにする。毎年の新規投資額合計ベースで最大で500万円が非課税対象になる。」
小額投資という表現、年間100万円合計500万円という非課税枠は、金持ち優遇批判をかわすためのものでしょうが、この程度の非課税枠では大きな効果は期待できないと私は思います。

【リンク】
 なし

by yasukiyoshi | 2008-12-12 08:44 | 税制
2008年 11月 21日

海外子会社の配当課税

企業の海外利益還流策、政府税調案に明記へ 来年度税制改正
政府税制調査会(首相の諮問機関)の2009年度税制改正答申の原案が20日分かった。日本企業が海外で稼いだ利益を国内に戻しやすくする税制の創設などを盛り込む。消費税については、社会保障の財源として引き上げの必要性を明記した昨年の答申をほぼ踏襲。政府・与党が消費税を含めた税制改革に向けた「中期プログラム」を作成する方針を決めたことを前向きに評価する。
http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20081121AT3S2002A20112008.html
【CFOならこう読む】
この問題、今日の新聞の17面でもとりあげられています。
「現在は税率20%の国で稼いだ利益を日本に戻すと、日本の税率(約40%)との差の20%を追加で課税される。海外に置いておけば20%で済むので、稼いだ利益を海外の再投資に回すのは自然な流れだ。積み上がった海外利益は2006年度末で17兆円に上る。」
(日本経済新聞2008年11月21日17面)
海外の未分配利益にかかる繰延税金負債の金額が大きい企業は次の通りです。

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この繰延税金負債の金額は、有価証券報告書の財務諸表の注記、「繰延税金資産および負債の主な内訳」に記載があります(例えば、トヨタの2007年度有価証券報告書108ページを参照してください)。

具体例で説明しましょう。海外子会社の利益80億円を日本に還流させると、追加的に20億円の課税があるとすると、連結財務諸表上次の通り処理されます。
法人税等調整額(P/L) 20 / 繰延税金負債(B/S) 20
海外配当子会社の配当が非課税になった場合、税金は支払われないので、繰延税金負債を取り崩す必要があります。たまった繰延税金負債が100億円あるなら、これが次のように処理されます。
繰延税金負債(B/S) 100 / 法人税等調整額(P/L) 100
新聞記事に書かれている、「損益計算書の法人税等調整の項目でプラスに作用するだろう」(大手監査法人)とは、このことを言っているのです。

そうなると、その分だけ株主価値が増加するので株価の上昇要因となります。また将来に渡りEPSやROEが押し上げられることになります。この税制改正は、今まで海外展開することを躊躇していた会社の背中を押すことになるかもしれません。

一方、日本の空洞化がもう一段推し進められることによる、国内経済へのマイナスの影響も危惧されるところです。

【リンク】
「2007年度有価証券報告書 第5 【経理の状況】」トヨタ自動車株式会社
http://www.toyota.co.jp/jp/ir/library/negotiable/2008_3/finance.pdf


by yasukiyoshi | 2008-11-21 11:02 | 税制
2008年 10月 31日

確定拠出年金の充実?

追加経済対策、事業規模最大の27兆円 首相「消費税上げ3年後」
政府は30日、米国発の金融不安による景気減速などに対応する追加経済対策を決定した。融資枠拡大などを含めた事業規模は過去最大規模の約27兆円。実質的な財政支出となる「真水」は約5兆円で、財源には財政投融資特別会計などの「埋蔵金」を活用、赤字国債の発行は回避する。税制抜本改革に関し、麻生太郎首相は同日の記者会見で、早ければ3年後に消費税率を引き上げる考えを表明した。
http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20081031AT3S3001W30102008.html
【CFOならこう読む】
追加経済対策で、確定拠出年金(日本版401k)の充実も盛られた。具体的には、企業が拠出する掛け金に従業員が上乗せして資金を出す「マッチング拠出」を認め、個人が長期的に株式を買いやすい環境が整備される。

確定拠出年金とは、掛金を確定して、給付は運用次第で決まるタイプの年金制度です。
確定拠出年金の特徴として、
・年金資産を自分で運用し、その結果に応じて年金額が決定される。
・年金資産が個人別に区分され、残高の把握や転職時の資産の移行が容易である。
・企業規模を問わず実施することが可能である。

といった点があげられます。
(企業年金連合会HP http://www.pfa.or.jp/top/qa/qa02.html#q4

確定拠出年金には自営業者等が加入できる「個人型年金」(掛金は個人が拠出)と、企業が導入し、従業員を加入させる「企業型年金」(掛金は企業が拠出)の2タイプがあります。それぞれの拠出限度額は次の通りです。
●企業型
 厚生年金基金、確定給付企業年金、適格退職年金を実施していない場合
                           月額 4万6千円
 厚生年金基金、確定給付企業年金、適格退職年金を実施している場合
                           月額 2万3千円
●個人型
 自営業者等                     月額 6万8千円
                     (国民年金基金等の掛金と合算して)
 厚生年金保険の被保険者
(会社が企業型確定拠出年金、厚生年金基金、確定給付企業年金、適格退職年金のいずれも実施していないこと。)
                           月額 1万8千円
(厚生労働省HP 
http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/nenkin/nenkin/kyoshutsu/gaiyou.html
確定拠出年金の最大のメリットは、その税制にあります。

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これは単に拠出金額が所得控除されるというだけでなく、実質的にキャピタルゲインに対する税金が免除されることを意味します。

この点マイロン・ショールズ他の「タックス・アンド・ビジネス・ストラテジー」(邦題「MBA税務工学入門」中央経済社)は、次のように説明しています。
「年金基金に拠出された$1は、n年後には$(1+R)nとなるが、年金支払時に、この投資収益累計額の全額に対して税率tで課税されるとした場合、税引後の手取り額は$(1+R)n(1-t)となる。年金基金に対する当初の投資額は($1)は、税効果(税引)後で考えた場合、(拠出時に投資支出額が全額損金算入されているために)$(1-t)で済むことから、税引後投資支出額に対する税引後投資収益率は、次のように計算される。
{1/(1 -t )}(1 +R ) n (1 -t ) = (1 +R ) n

但し、R=税引前運用利回り
n =期間
t=通常税率  」
にも関らず、この制度は日本では全く認知されていません。
2008年8月31日現在の確定拠出年金の施行状況は以下の通りです。
企業型年金の規約数等
企業型年金承認規約数  2,811件
企業型年金加入者数   約3,000千人(平成20年7月末)(速報値)
実施事業主数      10,822社

個人型年金の加入者等(平成20年7月31日現在)
第1号加入者      38,358名
第2号加入者      58,499名
           計96,857名(資格喪失者を除く)

事業所登録       53,145事業所
登録運営管理機関    213社
                      (厚生労働省年金局発表)
拠出限度額が小さすぎることが日本版401kが広く浸透して行かない原因であるように思います。これを機会に拠出限度を大きく拡張し、政府が401kの税務メリットを国民にくりかえし、わかりやすく説明することで、この制度は日本でも認知されるようになると私は思います。

【リンク】
 なし

by yasukiyoshi | 2008-10-31 09:16 | 税制
2008年 10月 03日

経団連提言、11年度消費税率10%に

経団連が麻生政権に改革提言 消費税、11年度10%に
日本経団連は2日、麻生太郎内閣に向けた改革提言書を公表した。当面の改革期間を3年と定め、社会保障費の財源確保や財政再建に向けて、消費税率は 2010年度、遅くとも11年度に10%に引き上げるよう求めるのが柱。中低所得者層を想定した所得税の定額減税の実施も盛りこんだが、11年度の基礎的財政収支(プライマリーバランス)の黒字化を「必ず達成」と示すなど財政規律を重んじた。
http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20081003AT3S0201702102008.html
【CFOならこう読む】
経団連が増税を提言する意味というのはどこにあるのでしょう?
そんな疑問をかねてから持っていましたが、最近読んだ「サラリーマン「再起動」マニュアル」で大前研一先生が、そんな経団連を次のようにぶった切っていました。
「すでに日本経団連は、増税せずに財政再建を進めるには歳出を現在の半分にカットする必要があるとの試算を発表している。現実には歳出半分カットなどできるわけがなく、結局、消費税を引き上げるしかない。経団連は、現在5%の消費税率を07年度に10%、10年度に13%、13年度に16%と3段階で引き上げる案と、07年度に10%に引き上げ、それ以降は1年に1%ずつ引き上げて12年度に15%にする案の2通りの消費税増税シナリオを示した。すでにその試算のスタート時点を過ぎてしまっているわけだが、いずれにしても今後、消費税が2~3倍にハネ上がることは確実な情勢なのである(それにしても、経済のパイを拡げる提案ではなく、加減乗除で辻褄合わせしかできない経団連という組織は、政党の応援団みたいなものに堕している。世界広しといえども、増税、特に消費税増税を提案する経済団体など見たことがない)。」
買収防衛策を巡る経団連と経済産業省のやりとりを見ていても、経団連は誰のために存在する組織か、言わずもがなでしょう。

【リンク】
2008年10月2日「税・財政・社会保障制度の一体改革に関する提言」(社)日本経済団体連合会
http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2008/068/index.html


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by yasukiyoshi | 2008-10-03 12:00 | 税制
2008年 09月 06日

端株強制買い取り-KDDIのケース

代金、みなし配当課税 KDDI 株主に注意喚起
KDDIは1株に満たない端株の強制買い取りに関する税金の取り扱いで、株主に注意を促し始めた。端株を買い取る際に同社が端株主に支払う代金が、みなし配当課税の適用を受けることが決まったためだ。(日本経済新聞 2008年9月6日 16面)
【CFOならこう読む】
端株を強制的に買い取る場合、配当金と同じく10%の源泉徴収が課されるという通知をKDDIは国税から受け取ったというニュースです。

強制買い取りではなく、株主自ら24日までに端株の買い取りを会社に対し請求する場合には、みなし配当課税は回避できるとのことです(この場合でも譲渡益課税が生じる可能性はあります)。

この件からだけでも、複雑怪奇な日本の金融所得税制の一端が垣間見れます。

【リンク】
平成20年9月3日「端株の処分に関する税制についてのお知らせ」KDDI株式会社
http://www.kddi.com/corporate/ir/shareholder/guide/pdf/hakabu_shobun.pdf



by yasukiyoshi | 2008-09-06 10:53 | 税制
2008年 08月 15日

株式譲渡益と配当への課税、オバマ陣営、税率20%に

16日~24日まで夏休みのため休載いたします。

税制改革案 マケイン側と対立
米大統領選の民主党候補に確定しているオバマ上院議員の陣営が、14日付の米紙ウォールストリート・ジャーナルに寄稿する形で税制改革案を公表した。ブッシュ大統領が看板としてきた減税政策を巡り長期の株式譲渡益と配当への課税に関して、最高税率を20%にする方針を明らかにした。
20%の税率を適用するのは年収25万ドル以上の世帯。年収25万ドル未満の層に関しては詳しく言及していない。株式譲渡益と配当への課税では現在、15%の上限税率を設けており、オバマ陣営の主張が通れば一部増税になる。

(日本経済新聞 2008年8月15日 7面)
【CFOならこう読む】
オバマがウォーレン・バフェットに会いに行ったときに、”金持ちの税率が低すぎる”と言われた、というニュースを以前読んだことがありますが、これがそれに対するオバマ氏の回答なのでしょう。

日本では株式市場を活性化する税制改正が模索されていますが、重要なのは普通の人が安心して株式投資が出来るインフラ(税制も含む)を整備することにあります。

そういう意味では、普通の人が普通に投資して得られる金融所得に係る課税は非課税で良いと思います。日本版401kの非課税枠ももっと広げるべきです。

一方、金持ち優遇の批判が、日本の株式市場活性化そのものの障害になっている現状を鑑みると、これらの批判をかわすためにも、日本でも一定の年収以下の世帯のみ非課税(又は軽減税率適用)とするといった措置を講じても良いのではないかと思います。

【リンク】
首相、株投資促す税制改正を 金融相に検討指示
http://www.nikkei.co.jp/news/past/honbun.cfm?i=AT2C13016%2013082008&g=E3&d=20080813

非課税限度額上げ要望 日本版401kで厚労省
http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20080814AT3S1301913082008.html

株譲渡益や配当の税率、60歳以上は10%を維持 日証協が要望へ
http://www.nikkei.co.jp/news/past/honbun.cfm?i=AT2C1101A%2011082008&g=E3&d=20080812

財務次官、麻生氏の証券税制発言に「まず金融所得課税一体化」
http://www.nikkei.co.jp/news/past/honbun.cfm?i=AT3S1101C%2011082008&g=E3&d=20080811

証券優遇税制の拡充、金融相も「議論する」
http://www.nikkei.co.jp/news/past/honbun.cfm?i=AT2C10002%2010082008&g=E3&d=20080811



by yasukiyoshi | 2008-08-15 09:56 | 税制