吉永康樹の CFOのための読みほぐしニュース

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2007年 06月 26日

グッドウィル、最大200億円の資金調達

資金調達は自己資本の増強が目的で、
調達資金は国内外の人材派遣事業の運転資金に充てるという。
http://www.nikkei.co.jp/news/sangyo/20070625AT1D2509O25062007.html

グッドウィル:不利な条件で予約権発行 ドイツ銀行に
http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20070626k0000m020086000c.html

(CFOはこう読む)
最低資本調達金額保証型ファイナンス(FBF)による資金調達です。
これは要するに時価の95%の価格で普通株式に転換される新株予約権であり、
株主価値を毀損する点でMSCBと大差ありません。

実際、7月1日より施行される日本証券業協会の
「会員におけるMSCB等の取扱い」では
FBFを「MSCB等」として規制対象とすることになっています。

それにしてもこの期に及んで株主価値を大きく毀損する資金調達を
その経済的効果をきちんと(わかりやすく)開示することなく行うことに
憤りを感じます。

それにしても、これって有利発行にならないのでしょうか?
条件から考えると新株予約権の価値がとても低いように思います。
第三者割当増資の場合の有利発行の基準は、時価を10%以上下回る
場合とされており、グッドウィルの事例は新株予約権と合わせて時価の
5%しか下回らないので有利発行とはならないとの判断があるのかも
しれませんが、新株予約権は本来それ自体で評価されるべきものである
との判決がライブドア事件のときにあったはずです。
有利発行であるなら、当然株主総会の特別決議が必要となります。

by yasukiyoshi | 2007-06-26 08:19


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