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2007年 12月 20日

社員に自社株贈与ーテクノアルファのケース

新興企業の間で、創業社長が報酬の一環として保有する自社株を社員に無償で譲渡する動きが相次いでいる。株価や業績に対する社員の意識を高めながら、社員に報い、優秀な人材をつなぎとめる狙い。昨年の法改正でストックオプション(株式購入権)の評価額を費用計上する必要が生じ、負担の重い新興企業がストックオプションを利用しにくくなったことが背景にある。
(日本経済新聞2007年12月19日 16面)

【CFOならこう読む】
テクノアルファのケース
松村勝正社長が保有する自社株を2008年1月31日付で社員に無償で譲渡する。
社歴10年未満で、今年12月1日から2008年1月末の間に在籍する社員18人が対象。譲渡総数は33株。上場前に株式を取得した人には1株、しなかった人には2株を付与。18日終値ベース(31万8千円)で計算した譲渡総額は1049万円。

税法上の取扱いが気になるところですが、個人間売買により株式を譲渡した場合、時価よりも譲渡代金が低くても、課税対象となるのは実際の譲渡代金であり、時価で課税されることはありません。一方譲受人には贈与税が課税されます(「M&A実務ハンドブック第3版」 鈴木義行編著 中央経済社)。

無償譲渡を受けた者が、その対価と株式の時価に相当する金額を、譲渡人から贈与によって取得したものとみなされ、納税の義務を負うことになります(「租税法第11版」 金子宏著 弘文堂 488ページより)。
ただし贈与税には基礎控除が110万円あるので(平成19年4月1日現在法令等)、譲渡された株式の時価がこれ以下であるなら贈与税は課税されません。

したがってテクノアルファの場合、18日終値ベースで計算する限り、無償譲渡を受けた社員に対し贈与税の課税は生じないものと思われます。

【リンク】
「 No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)」国税庁
http://www.nta.go.jp/taxanswer/zoyo/4408.htm

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by yasukiyoshi | 2007-12-20 08:20 | 税制


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