2008年 02月 08日
買収ファンドなどのM&Aで多用される買収融資。欧米では信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)問題で金融機関が融資を渋る反面、日本は資金調達しやすい環境が残っている。融資は大型案件の成立を左右するが「思わぬ壁」(外国証券会社)を指摘する声が増えている。利息制限法の上限金利(年15-20%)の存在だ。 【CFOならこう読む】 利息制限法は元本の多寡に応じて上限金利を定めており、元本百万円以上なら上限金利は年15%となります。メザニンのひとつである劣後債は年利が2桁台になる場合も珍しくありません。記事によると「劣後債の条件を設定しようとしたら、想定金利が利息制限法の上限に抵触することがわかり、資金調達案を見直したケースもある」(外国証券)とのことです。 M&Aの資金調達は、買い手の自己資金であるエクイティ(通常は普通株)に加えて、デットや第三者からのエクイティで調達され、デットについては、シニア・ローン、社債、劣後ローン、劣後社債などが、エクイティについては、優先株などの種類株が代表的なものです。 LBOやMBOの場合には、エクイティのリターンを高めるために、多額の外部ファイナンスを活用することが通常です。 シニア・ローンとメザニンの相違は次の通りです。 ディール・ストラクチャー上、メザニンを組み込もうとしても利息制限法の制約があるため、うまく設計ができない場合が出てきているのです。一般消費者保護を対象にした金利規制が、プロのM&A投資家にまで及ぶのは、全く馬鹿げた話です。早急に金利規制の適用対象から金融機関やファンドをはずすよう改正をお願いしたいものです。 【リンク】 M&Aファイナンス (新金融実務手引シリーズ)
by yasukiyoshi
| 2008-02-08 08:27
| M&A
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日々のニュースをCFOはどう読むべきか。CFOに役立つニュースをピックアップし、アカデミック&実務の視点から、そのニュースの本質をわかりやすく「解きほぐし」ます。 by yasukiyoshi ■このブログについて ●「CFOニュース」を始めた理由 ●このブログへのコメントについて ■マーケット情報 2月19日の東京市場 ●日経平均株価 7557.65円(前日比+23.21円) ●株価収益率(PER) 日経225種 前期基準8.70倍(予想68.87倍) ●円/ドル 93.56円~93.58円(前日比-0.98円) ●円/ユーロ 117.81円~117.85円(前日比-1.06円) ●長期金利(10年国債利回り) 1.260%(前日比+0.005%) 2月20日の米国市場 ●NYダウ平均 7,465.95ドル(前日比-89.68ドル) ●ナスダック指数 1,442.82ドル(前日比-25.15ドル) にほんブログ村ランキングに参加しています。 新規公開株情報サイト IPO 2.0 カテゴリ
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