吉永康樹の CFOのための読みほぐしニュース

cfonews.exblog.jp
ブログトップ | ログイン
2008年 02月 22日

先物価格はどう決まるか?

株価指数先物・オプション・大引け――大幅反発、仕掛け的な買い入る
21日の日経平均先物3月物は大幅反発。前日大引け比390円高の1万3690円で取引を終え、売買高は13万6806枚だった。前日の米株高を受け、朝方から買いが優勢となった。後場に入ると仕掛け的な大口の買いが断続的に入り、上げ幅を拡大。一時は前日大引け比490円高の1万3790円を付けた。市場では「前日に日経平均先物の売りと債券の買いを組み合わせて仕掛けていた向きが、きょうは反対売買をしたようだ」(ひまわり証券投資情報室の堀川秀樹室長)との見方が出ていた。
http://markets.nikkei.co.jp/kokunai/summary.aspx?site=MARKET&genre=m1&id=ASS0ISF12%2021022008

【CFOならこう読む】
「将来の値上がり期待を反映して先物価格が現物価格よりも高く推移している」と解説されることがあります。これは「先物価格=現物資産の予想価格」という誤った解釈に基づくものと思われます。
先物価格は現物価格に一定の調整(金利と配当)を加えて決定されるものです。しかし大きな調整が入るわけではないので、通常、先物価格≒現物価格となります。

日経225銘柄の株式を買った場合も、先物株式を買って最後まで反対売買しない場合も、売却価格は同じ現物株の価格を基準に決まるので、両者の儲けは同じでないと裁定機会が生じてしまいます。ですから先物価格と日経225指数が大きく乖離する理由はないのです。ただし両者は別々の市場で取引されるので、乖離が一時的に生じることはあり得ます。

それでも裁定取引を通じてたちどころに乖離は解消されます。先物価格が割高であれば先物売り&現物買いの取引を行うことで利益を得ようとするものが現れ、先物価格が割安であれば先物買い&現物売りの取引を行うことで利益を得ようとする者が現れます。この結果、先物価格が現物価格に対して理論価格から大きく乖離した状態で放置されることはありません。

今日の記事の、

「裁定取引を経由して現物株も乱高下している」

というのはそういう意味です。
現物ではなく日経225先物が買われるのは、

①買付けに買付代金を払う必要がない(証拠金は必要)
②売りから始めることができる
③期限があり、期日には強制的に反対売買され差額金で決済される

というように現物株式とは異なるルールが適用されており使い勝手が良いからにすぎないのです。

今日の記事は次の本を参考に書かせて頂きました。この本はデリバティブの本質を数式に頼らず平易な言葉でわかりやすく説明していてお奨めです。

「デリバティブズ・ビジネス入門」(三田哉著 中央経済社)

【リンク】
デリバティブズ・ビジネス入門―エクイティの現場ノウハウ
三田 哉

4502280100
中央経済社 2007-12
売り上げランキング : 2855
おすすめ平均 star

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


by yasukiyoshi | 2008-02-22 08:28


<< オーナー企業、統治に課題      新日鉄取引先持株会立ち上げ >>