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2008年 04月 04日

TOB価格ーイオン・CFSのケース

イオン、CFSへのTOB開始・4日から
イオンは3日、資本関係の強化で合意したCFSコーポレーションに対し4日から5月8日までTOB(株式公開買い付け)を実施すると発表した。1株 600円で280万株(CFSの発行済み株式数の9.4%)を上限とする。CFSの創業者の石田健二会長らも応募する。上限まで買い付けた場合、イオンの出資比率は現在の15%が24.38%になる。その後、CFSが実施する第三者割当増資を引き受け、最終的に33.3%まで高める計画だ。
http://www.nikkei.co.jp/news/past/honbun.cfm?i=AT1D0306K%2003042008&g=S1&d=20080403
【CFOならこう読む】
イオンは以下の要領でCFS株式のTOBを実施します。
(1)対象者の概要
省略
(2)買付け等の期間
(i)届出当初の買付け等の期間
2008 年4 月4 日(金曜日)から2008 年5 月8 日(木曜日)まで(22 営業日)
(ii)対象者の請求に基づく延長の可能性の有無
金融商品取引法(以下「法」といいます)第27 条の10 第3 項の規定により、対象者が買付け等の期間(以下「公開買付期間」といいます)の延長を請求する旨を記載した意見表明報告書を提出した場合、公開買付期間は30 営業日に延長され、2008 年5 月20 日までとなります。
(3)買付け等の価格
普通株式1株につき、600 円
(4)買付け等の価格の算定根拠等
(i)算定の基礎
当社は、市場株価法、類似公開買付事例におけるプレミアム分析法、及び類似公開企業乗数比較法の各算定手法を用いて、対象者の株式価値分析を行うことにより、公開買付価格の株式価値の範囲を算定しました。上記の算定手法によって算定された1株当たりの株式価値の範囲は以下のとおりです。

①市場株価法では、当社及び対象者による業務・資本提携(2008年3月17日付)の発表直前の営業日である2008 年3 月14 日を基準日として、対象者の市場株価の取引状況を分析しました。対象者の過去1 か月の株価は485 円から550 円で推移しており、過去1 か月の終値の平均値は519 円となっています。また、対象者の過去3 か月の株価は423 円から585 円で推移しており、過去3 か月の終値の平均値は503円となっています。また、対象者の過去6か月の株価は374 円から585 円で推移しており、過去6 か月の終値の平均値は488 円となっています。対象者の株価終値の1 か月平均、3 か月平均、及び6 か月平均を基に、1 株当たりの株式価値の範囲を488 円から519 円までと算定しています。

②類似公開買付事例におけるプレミアム分析法では、2000 年1 月1 日以降に公表された発行者以外の者による上場会社株式に対する公開買付事例の中から、公開買付けを行った後における公開買付者の予定保有株式数の発行済株式数に対する割合が33.3%以下となり本公開買付けと類似と考えられる事例を抽出し、公開買付け前一定期間の株価終値の平均値に対するプレミアムの状況を分析しました。発表日前の過去1 か月の終値の平均値、過去3 か月の終値の平均値、及び過去6 か月の終値の平均値に対するプレミアムの平均は、それぞれ18.7%、19.2%及び15.7%となりました。かかるプレミアムを対象者の該当期間の平均株価に適用し1 株当たりの株式価値の範囲を564 円から616 円までと算定しています。

③類似公開企業乗数比較法では、対象者と類似する事業を手掛ける上場企業の市場株価と財務指標との比較を通じて、対象者の1 株当たりの株式価値を評価し、1 株当たりの株式価値の範囲を439 円から474 円と算定しています。当社は、これらの算定結果により示された株価レンジを考慮するとともに、対象者との協議・交渉の結果や、対象者による本公開買付けへの賛同の可能性、更には、最近の株式市場の動向等を含むその他の要因を考慮し、本公開買付けにおける公開買付価格を1株当たり600 円と決定しました。

なお、本公開買付けにおける公開買付価格は、2008 年3 月14 日を基準日とする東京証券取引所市場第一部における対象者の普通株式の終値の過去3か月間における単純平均503 円に対して19.2%のプレミアムを、同1か月間の単純平均519円に対して15.7%のプレミアムを、同日の終値527 円に対して13.9%のプレミア
ムを加えた金額です。
(ii)算定の経緯
当社と対象者は、2008 年1 月22 日に開催された対象者の臨時株主総会以降、対象者の企業価値向上を早期に実現するため、両社の協力のあり方について協議を重ねてきました。その結果、両社は、2008 年3 月17 日、より強い協力関係を築き、対象者の企業価値を向上するため、業務・資本提携(以下「本業務・資本提携」といいます)に関する合意をしております。

本業務・資本提携の合意に先立ち、当社は、市場株価法、類似公開買付事例におけるプレミアム分析法、及び類似公開企業乗数比較法の各算定手法を用いて、対象者の株式価値分析を行うことにより、本公開買付けにおける公開買付価格の範囲を決定するとともに、本公開買付けに関して対象者との協議を開始しました。

当社は、上記の株式価値算定の結果に加え、対象者との協議・交渉の結果や、対象者による本公開買付けへの賛同の可能性、更には、最近の株式市場の動向等を含むその他の要因を考慮し、本公開買付けにおける公開買付価格を1株当たり600 円と決定しました。

なお、本公開買付けにおける公開買付価格の算定にあたり、第三者機関の算定書は取得しておりません。

2008 年4 月3 日、対象者の取締役会は、本公開買付けの買付価格、買付期間その他の条件、本公開買付けが対象者の企業価値に与える影響、その他諸般の事情を勘案した結果、本公開買付けに賛同を表明する旨を決議しております。なお、この決議に際し、対象者の取締役である岡田元也は、当社の代表執行役であることに鑑み、特別利害関係人としてかかる決議に参加しておりません。
何故600円なのでしょうか? イオン側はアイン・CFS統合の委任状争奪戦の中でCFSの理論株価は800円であると主張していました。それがいざ自らTOBをかける段になると25%もディスカウントする根拠はどこにあるのでしょうか? 評価方法としてDCF法を採用していないようですが、それで理論株価をどうやって主張したのでしょうか? 私には全く理解できません。

【リンク】
2008年4月3日「株式会社CFSコーポレーション株式に対する公開買付けの開始に関するお知らせ」会社名イオン株式会社
http://www.aeon.info/ICSFiles/afieldfile/2008/04/03/080403R_2.pdf




by yasukiyoshi | 2008-04-04 09:34 | M&A


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