吉永康樹の CFOのための読みほぐしニュース

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2008年 06月 19日

端株一掃の方法

KDDIやドコモなど 端株一掃に向け相次ぎ定款変更
2009年1月の株券電子化(ペーパーレス化)で原則として無効になる一株に満たない端株一掃のため、定時株主総会などで定款を変更する動きが相次いでいる。
(日本経済新聞 2008年6月19日 14面)

【CFOならこう読む】
端株一掃の方法として、

①一定の期日に端株制度を廃止し、端株主から端株を全て買い取る方法
②株式分割と単元株制度の導入を組み合わせ、端株をなくす方法


の2つがあります。①の方法の場合、一定の資金が必要ではありますが、端株主以外に影響を与えずにすみます。一方②の方法の場合、全ての株主に影響が及びますが、端株主側に特段の手続きがいらず、会社側の資金負担もすくないというメリットがあります。

KDDI、NTTドコモ、ヤフーといった会社は①の方法を選択しています。
KDDIの場合、19日に開く株主総会に定款変更案を諮ります。招集通知の中で定款変更の理由が次のように説明されています。
「「株式等の取引に係る決済の合理化を図るための社債等の振替に関する法律等の一部を改正する法律」(平成16年法律第88号)が公布され、上場会社の株券は平成21年1月を目標時期として一斉に電子化される予定であります。株券電子化後の振替制度においては、端株が取り扱いの対象とならないことから、株券電子化に先立ち平成20年10月1日をもって端株制度を廃止するため、所要の変更を行うものであります。なお、平成20年9月30日において当社端株原簿に記載された端株につきましては、平成20年10月1日の東京証券取引所における当社株式の最終価格(終値)により一括して処分し、11月下旬お支払予定の中間配当金と合わせて処分代金をお支払いすることといたします。」
一方、NTT、JR東日本、インプレスホールディングスは②の方法を選択しています。

インプレスホールディングスは、株式の百分割を株券電子化の直前に実施し、それと同時に売買単位を百株とする単元株制度も導入することで、投資単位の実質的な影響がない形にしています。

NTTは単元株制度に移行するために、25日に開催される株主総会で定款の一部変更を諮ります。

【リンク】
平成20年5月28日「第24期定時株主総会招集ご通知」KDDI株式会社
http://www.kddi.com/corporate/ir/shareholder/meeting/20080619/pdf/soukai24_shosyu.pdf

2008年5月20日「株式の分割ならびに単元株制度の採用に関するお知らせ」株式会社インプレスホールディングス
http://www.impressholdings.com/release/2008/029/


by yasukiyoshi | 2008-06-19 08:32


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