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2008年 08月 04日

すかいらーくのMBO その2

サントリーの出資「横川氏続投が条件」 すかいらーく再建問題
主要株主である野村グループなどの投資会社2社から退任を求められているすかいらーくの横川社長は3日、日本経済新聞の取材に応じ、サントリーへの出資要請について、「(サントリーが出した)条件は役員派遣と自らの続投」などと語った。2社は社長交代のため12日に臨時株主総会を開く計画だが、それまで辞任しないことも強調した。
(日本経済新聞 2008年8月4日 9面)
【CFOならこう読む】
7月30日の続きです。

今日の記事で、やはり横川社長はMBOの本質を理解していなかったことが明らかになりました。MBOの本質は、経営権の移動にあります。すでに自らの手に経営権がないことを横川社長は理解していません。

それにしても横川社長は一体何をしたいのでしょうか?

記事によると、サントリーへの出資要請額は数百億円規模とのことです。役員と合わせて議決権の過半数を確保するためには、それくらいの規模になるでしょう。

しかし、経営者は株主を選ぶことはできません。支配権の移動を目的とする第三者割当増資も認められません。

どうしても社長の座に居続けたいのなら、野村の保有する株式を彼らの納得する値段で全部買い取るしかないのです。

【関連過去記事】
2008年7月30日「すかいらーくのMBO」
http://cfonews.exblog.jp/8389257/
【リンク】
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by yasukiyoshi | 2008-08-04 10:00 | MBO


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