吉永康樹の CFOのための読みほぐしニュース

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2007年 07月 25日

テーオーシーへの敵対的TOB不成立・ダヴィンチが発表

発表によるとTOBに応じたのは発行済み株式の34.6%にあたる4734万8710株。グループ保有分と合わせても約40%にとどまり、目標とする5割超には届かなかった。
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20070724AT2E2400124072007.html

(CFOならこう読む)
「市場原理に全く従わず、経営陣に応援買いを入れたナゾの株主が約11%-12%いたのが最大の敗因」
「総額で約200億円。いったい誰が買ったのか」
とダヴィンチ社長の金子修氏は何度も首をひねったそうです。

金子社長、日本はまだまだ資本主義ではないようです。
“買収防衛のための安定株主政策”や“株式持合い”が普通に行われる国なのです。
こういう会社の株式が売り浴びせられるようにならないとなかなか敵対的TOBは成功しないのかもしれません。

それでも確実に日本は社会主義型資本主義から市場主義型資本主義に移行しつつあります。
ライブドア・村上事件、スティールの買収、王子の北越へのTOB、金融再編、監査法人の淘汰といった一連の事件は全てここ3年で起きていますが、社会主義型資本主義では起きない事件です。

だいたい7、8年前まで日本の上場会社のPER(株価収益率)は50倍を超えていたのです。
つまり市場が全くファンダメンタルズに基づかない株価形成をついこの間までしていたのですから、
そんなに簡単に市場が機能するようになるはずがありません。

それでも金子さん、そんなにがっかりすることはありません。
時代の大きな動きは誰にも止められません。
もうしばらくお待ち下さい。
そんなに遠くない将来テーオーシーは必ず落ちます。

by yasukiyoshi | 2007-07-25 08:23 | M&A
2007年 07月 23日

ダヴィンチ、テーオーシーへの敵対的TOBが23日に期限

TOB成立には態度が不明な1割超の投資家の動向が左右するとみられ、
敵対的TOBが日本で初めて成立するかどうか、最後までぎりぎりの攻防が続きそうだ。

http://www.nikkei.co.jp/news/sangyo/20070723AT1D2100J22072007.html

(CFOならこう読む)
日本初の敵対的TOBが成立するかどうか明日判明します。
ダヴィンチ子会社によるTOC株式の大量保有が判明したのが今年の1月30日、
これに1株800円のMBOを発表したのが4月6日、
その後4月25日にダヴィンチが1株1,100円でTOBを発表した、
6月27日にはTOB価格が1,308円に引き上げられています。

TOCのMBOは明らかに買収防衛を意図していますが、
これが戦略的に誤っていたように思います。
まずMBOで3分の2超の株式取得が出来る目算が立っていたのか、
そうでないならそもそもこのMBOで少数株主の排除が出来ず、
非公開化は成功できなかったのではないのか。

第二にMBOでなく定時株主総会で買収防衛策を導入するべきでなかったか。
ダヴィンチの買収提案はTOCの保有不動産のスクラップ&ビルドを伴うもので、
法廷闘争になったとしてもダヴィンチは“濫用的買収者”として
買収防衛策発動が認められる可能性が高かったのではないでしょうか?

その上で上場のデメリットを強調してMBOを提案するのが良かったのではないかと思います。
この戦略的誤りにより、仮にダヴィンチのTOBが失敗したとしてもTOCの非上場は不可能となり、
ダヴィンチは大株主として経営に対し大きな影響力を行使することができます。

その上で来年の株主総会でプロキシーファイト(委任状争奪戦)に持ち込むことになるでしょう。
敵対的買収者が現れた時点でMBOを行うことのリスクを示す事例として記憶にとどめておくべきでしょう。

by yasukiyoshi | 2007-07-23 08:56 | M&A